当日!!とんでも無い事実☆
「ちょっとっ、演劇の衣装裾がほつれてるじゃないの!」
「理事長ってば、何処にいるんだ……」
「あーいやだ、ジュースこぼした!!何か拭くものある?!」
流石文化祭当日、比成学園はまだ朝7時だというのに人の多さと忙しさが尋常では無かった。
学園中を人が右往左往する。その人の多さは朝の出勤時間さながらであった。
そしてそんな中人口密度は低いものの、とんでもない熱気で溢れている部屋があった。
150畳はあるであろうその広い部屋にいるのは 執事服を着た 憂麻、至軟、麻矢、中等部一年の啓杜、高等部三年の世都。
メイド服を着せられた哀れな犠牲者 琉峡、領可、類香、高等部二年の羅衣、中等部一年の伊致斗。
そして男装をした花凛、亜美、以下省略。メイド服を着た麗奈、甘音以下省略。
既に疲れ気味な男性陣。
気合入れまくりの女性陣。
……何なんだ、この温度差は。
「さぁさぁ、今日は絶対に成功させるわよ!!たとえ、今指名手配中の殺人鬼から脅されようとっっ」
……は?
今この人さらっととんでも無い事言わなかった?
ぐっと拳を握り締める麗奈をまじまじと見やる。
目はきらきらと光を放っていたけれど、とたんにさっと顔色がおかしくなる。
「ば、ちょ、麗奈!!」
「あ……あは、えへ☆」
「……えへ☆じゃないだろっ、姉貴、おま、それ本当なのか?!」
「あは、うへへ、いやぁ……てへ☆」
どうやら、事実らしい。
今日から五日間に渡って行われる文化祭は、とんでも無い事になりそうだ……。