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愛歌~アイノウタ~ (文化祭編)  作者: 遊斗
文化祭までの日常
33/51

告白話☆

「文化祭…明日だな」

「うん。あー今年も選ばれるとは……しかもオレらは女装だぞ、女装!!メイド服っておま」

突っ込み所満載過ぎるわ。

そう呟く領可は本当に嫌そうな顔をしているが、オレにとっては願ったり叶ったりだ。

「まぁ、でも女装自体はもう撮影でしちまったし。諦めろ」

「……オレのプライド」

はぁっ――――と盛大なため息をついてベットに腰掛ける。その隣に腰を下ろして顔をのぞき込むと、ドアップの領可と視線がばっちり合ってしまった。

当然といえば当然なのだが。

そして――ぎゅっと抱きしめられる。

「ん?領、どうしたんだ……?」

「……あ、何か、無性にこうしたくなった」

そっかそっか、よしよし。

頭を撫でながら、腰を抱き寄せる。

領可がぎゅっと抱きついてくるのは、たいてい『不安』『不満』『悩み』『ストレス』がたまっている時。

今がまさにそうなのだろう。少しでも気を紛らわせてあげたい……

いつしかそう思うようになっていて、そして、今も思っている。

だからこそ、無言で抱きしめ続けた。

「いつもいつも……ホント、ごめん」

「謝るな。オレがしたいから、こうしてる。お前のせいじゃねーし、オレも嬉しいから……こうやって、頼ってくれるの」

だから謝るな、分かったか?

耳元で、そっと呟く。

吐息に触れて少しびくつきつつ、小さくこくりとうなずいた。

「至軟は……えっと、どうして、オレの事好きになったの?」

「ぶっ!!!!」

あまりにも直接的過ぎる問に思わずふきだしてしまう。

お前、それはパンチ効きすぎるから。

「ねぇ、何で?いつから??」

「ったく、急に何だよ。参ったな……。……そう、だな。

いつって言われると、正直分からない。いつの間にか、お前の事しか考えられなくなってた。……領が嬉しそうに笑う度にどきどきして……嬉しかった」

独り言のように呟き始める至軟を見ていて、内心ああ聞かなきゃ良かった、と実は後悔していたりする。

こっちこそ嬉しくて、何だか身体がふわふわしているような気分になって。

「女の子といるの見ると、苛々した。オレ以外の奴に笑いかけてるの見るだけで、ずきずきしたし、悲しかった。……でも今はそんな事無い。領が好きって言ってくれたから、安心したのかもしれない」

そして1拍置いてから、領、こっち向いて。

領可の顎を長い指で持ち上げて、言った。



「オレの事、好きになってくれて、ありがとう」



最高の笑顔で――――。

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