25/51
どっちもどっち☆
「…で、かわよい弟にあんま手を出すなって?」
「そーそー。学校サボるような子じゃ無かったんだ!どうしてくれる」
「知るか」
ふーんだとかなんとか、子供っぽい仕草をしてそっぽを向く憂麻。
そんな憂麻を貞操を返せとわめきながら睨みつける至軟。
――早い話、どっちもどっちだ。
「至軟。そんな事言ったらお前もそうだ。お前とそーゆう関係になってから、少なからず領に影響出てるって」
「え、何で知ってんだよ!!」
「……見え見えだあほ」
麻矢までそんな事言うかよーくそー。
口の中でぶつぶつ呟きながら悪態をつく。そして大体な、憂麻。お前が――、と文句を言おうとして午後の授業のチャイムが鳴る。つくづく運の悪い奴だ。
不満そうな表情がよく見てとれる。それでも常識はあるのか自分の席に着いた。