賭け☆
何故か始まる賭け事。in職員室。
「おい、瑞南」
…………。
反応無し。挫けずもう一度。
「おーい、瑞南さん」
…………。
反応無し。
何と言うか…今日の瑞南は雰囲気がぽやーっとしてると言うか。いつもおっとりしてるけれど、同時にしっかり屋でもある。そんな瑞南が…ぽややん?
焦点の定まっていない視線は空中浮遊している。視えないものでも見えるのだろうか。
「…おい、演料」
「はーい?」
「お前、何かしただろ」
「いんや、べっちゅにいいい」
……いやいや、原因お前しかいないんだって。何よりも楽しそうなお前の表情が何かしたって言ってるんだよあんぽんたん。
妃琉はふぅ…とため息を漏らす。
朝の職員会議の時間に我が校誇る文化祭の話が出た。
瑞南はこのでっか過ぎるイベントを結構楽しみにしていたようだ。まぁ、それは今年新しく入った職員だけにかかわらず、全職員が楽しみにしているのだか。
だのに、瑞南は上の空だった。
ぽっけーっとして女性職員のハートを奪うのみ。(それも問題だけど)
演料は演料でそんな瑞南を楽しそうに見守るのみ。(観察するのみ)
いつも漫才みたいな会話をしている二人の話し声がないと、普通の会話ばかりで何だかとてもつまらない。
「唖摺」
「うん?」
「絶対何かあったよな」
「あった。あったに一万円」
「オレあったに三万」
「じゃあ、私あったに五万」
何故か賭け事の話で盛り上がる職員室。
「演料先生が瑞南先生を誘惑したに十万円」
「あえてその逆に八万円」
「何故下げる」
周りの職員も参加、何故かのイベント開始。
賭けの中心はやはりあの二人。
演料と瑞南は何もせずに今日も職員室を盛り上げてくれた。
うーん、流石。




