お誘い☆
「瑞南、残業お疲れ」
「あ…演料、居てくれたんですね」
「まぁな」
実は瑞南は新米教師。つまり、比成学園が初めての職場なのだ。
ほれ、と言いながら渡してくれる缶コーヒーを素直に受け取る。
疲れきった瑞南が缶コーヒーを飲むところを、演料は嬉しそうに眺めた。
「でも、演料も大変なんじゃないですか?新米教師のお世話役なんて」
どうやら瑞南は勘違いをしているらしい。
「いや…。オレが指導に付いたのは瑞南が初めてだ」
「あ…そうなんですか」
「そうそう。オレだって、どうせ家帰ったって誰もいないしな」
「え?そうなんですか?てっきり妻も子供もいるものかと」
「いない。結構寂しいもんだよな、一人暮らしって」
知らなかった。
演料は本当に綺麗だから。
「そうですね…。オレも、一人暮らしですよ」
「へぇ。なら、うち来る?」
「良いんですか?」
「いや、だから一人暮らしだし。オレが可哀そうに見えるんだったら、来てくれても良いだろ?」
演料は明らかに面白がっている…と分かっても、何故か引かれてしまう…。
「はい…行きます…」
ぽやっとしている瑞南の頭をぱこっと叩くと、演料が行くぞ と言った。
今回は珍しく先生ズの話。