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#8 フィアラとリアン

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#8 フィアラとリアン


ベルデの町で起きた魔物狂暴化事件。

その正体は、町に入り込んだヘドロクイーン率いる魔王軍と

その人質たちだった。

狂暴化のポーションを製造していた研究所は封鎖され、

明日から立ち入り調査が入るらしい。

無事、ヘドロクイーンを退治して事件を解決できた日の夜。

町では事件解決と英雄たちへの感謝を込めて、祝賀会が開かれていた。


「やあ、君たち本当によくやってくれた!」

領主様が(主に)フィアラにそう伝える。


「町を2度も救ってくれた勇者様御一行に、町の皆を代表して

改めて感謝させていただくぞ。ありがとう。」


そう伝えて深く頭を下げる領主様。


「あ、頭をおあげください、領主様。」

フィアラが言う。


「もぐもぐ...うめーっ!なあ、これ本当に全部食べていいのか?!」

相変わらず遠慮なしに食べ続ける俺、ディエル。


「あー!そのお肉は私のだからねー!」

バーランドも食い意地が強い。


「...そうだな、我々も楽しもうではないか。」


---領主様と一緒に席につくフィアラ。


「...フィアラ。まさか君は昔、娘とパーティーを組んでいたとは...」

領主様は隣にいたフィアラに話しかける


「娘...リアンのことですか?」

そうだ、と頷く領主様。


「そういえば昔、リアンのお父さんはある国の領主様だと聞いたことが...」


「そうか。確か君は、この国の出身ではなかったな。」

はい、と頷くフィアラ。


「まさかこのような出来事でお会いすることになるとはな。」

そう言ってグビグビとビールを飲む。


「さ、お前さんも食べたまえ。せっかくの料理が

すべて平らげられてしまうぞ。」


---


祝賀会が終わった。

町の人々はみんな疲れ果て眠りにつく。

ディエル、バーランド、フィアラは今日も最上位クラスの宿に

泊まっている。


---フィアラはベッドの上、眠れずにいた。


「リアン、大丈夫だったかしら...」


----------------------------------


リアンとはじめて出会ったのは8年ほど前。

私はまだ魔法使いの端くれとして魔物討伐に赴いていた。

...当時は今よりも魔物の数が多く、冒険者ギルドも活発に動いていたわ。


「炎の魔法よ、(ともしび)を...ああっ!」


ひとり、魔物討伐で苦しんでいた私を助けてくれたのが

リアン...あなただったの。


そこから正式に冒険者となってパーティーを組んだ私たちは日々、

魔物討伐の依頼をこなしていった。

リアンのサポートのおかげで、私の魔法はみるみる上達していったわ。


「ねえフィアラ。聞いてくれる?

私、明日からフィレマミア王国でギルド依頼を受けながら過ごそうと思うの。

フィアラも王国を守る魔法使いになれば一緒にこの町に住めるかも、ね...!」


そんなわけで私はフィレマミア王国を訪れた。

そして魔法使いとしての能力が認められ、

ついに私は王国の魔法使いとして前線で戦うことになった。

けれどそんな生活も、長くは続かなかった...


「か、解雇...ですか...?」


「うむ。最近は魔物が人を襲うことが急激に減った。

恐らく魔物自体の数が冒険者たちによって減少していったからであろう。」


「ではなぜ私は...」


「...王国での魔物討伐をしばらくの間制限することになっての。

魔物討伐の仕事がなくなる以上、この形態で雇うことはできんのじゃ。

すまない...」


魔物討伐に制限がかかったということは、一緒にやってきたリアンも

ギルドから依頼を受けることはなくなってしまっていたということ。


「フィアラ...今までありがとう。これからは領主の父と一緒に旅に出るわ...」


「待ってよ、リアン!私も一緒に...!」


「あのね、フィアラ...あなたはもう、王国に仕える使命を持っているのよ...」


そうして両手を握りしめたあと、


「大丈夫、絶対また帰ってくるから...」


そう言って王都を出て行ってしまった。


...あれから5年。

私は王都でガラクタの焼却の仕事や、たまに現れる魔物討伐の依頼をこなして

過ごしていて...


---そこまで考えていると、いつしか私は眠りについていた...


-------------------------------------------------------------------------


翌朝。

部屋を出て廊下を歩いていくフィアラ。

すると...


「フィアラ!!」

突然走って私に抱きついてきたリアン。

勢い余って後ろにいたディエルも巻き込み、そのままみんなで倒れてしまった。


「だぁっ!?」


ドゴン!


「ご、ごめんなさい!」

慌てて謝るリアン。


「お前...なかなかいいおし...」


「タギョル(黙れ)。」


ギュン...


「@、@/;&%#*ー?!!」

ちょっとアブない発言をしそうだったので口を封じておいた。


「あ、相変わらずすごいわね、フィアラ...」


「ええ。これでも昔よりは劣ってるけどね...。」

それより無事でよかった、とリアンを抱きしめるフィアラ。


「...ありがとう。あなたもね...」


そうして下の広間へと向かうフィアラとリアン。


「*%!(おい!)&@*#%+!!(置いてくな!!)」


----


広間に向かうとバーランドと、リアンの父である領主様がいた。


「おお、起きたか。おはよう。」


「おはよう!」


軽く礼をして、バーランドと領主様の向かいに座るフィアラとリアン。


「昨日はありがとう。そして見ての通り、リアンはすっかり元気だ。」

笑顔でリアンのほうを向く領主様。

一呼吸入れたあと、話を続ける。


「...ところで君たちは、これからどうするつもりだね?」

はい、とフィアラがバーランドに合図する。


「私たちはこれから魔王討伐に行くつもりなんです!!」


「魔王、討伐...」


うむ...と少し考え込む領主様。

一方、バーランドの一言にリアンが質問する。


「...バーランドさん、でしたっけ...その、魔王討伐のメンバーは

フィアラとあなた、2人だけ、なの...?」


ディエルが現れた頃は既に気絶していて、彼の存在に気づいていない。


「何を言っているのだリアン。

勇者様が一緒にいるに決まっているではないか!」

バン、と娘をしかる父のように、軽く机を叩く領主様。


「ゆ、勇者様、ですか...?」

ああ、と頷く領主様。


「その方は今どこへ...」


すると2階へ上がる階段のところから、

ディエルが降りてきた。


「まったく...やっと効果が切れたぜ...

俺はただあの2人がお知り合いかどうか聞こうと思っただけなのに...」

すると広間にいたディエル以外の4人がこちらを見つめている。


「...な、なんだよ...」


「彼が...勇者様?!!」

突然立ち上がったと思うといきなり土下座するリアン。


「先ほどはとんだご無礼をしてしまい申し訳ございません!!」


「...はあ、俺、なんかされたっけ...ってそうだよ!!」

ディエルは土下座するリアンを無視してフィアラのほうへ向かう。


「さっきはよくもほったらかしにしてくれたな!!」


「いや、あのタイミングでの発言は勘違いしちゃうわよ!!」


「なんだとこのっ!」

そう言ってフィアラのカバンから金貨を1枚盗みとるディエル。最低かっ。


「こ、こらー、返せーっ!」

逃げ出すディエルを追いかけるフィアラ。

この様子に思わず、


「ほ、本当に彼は勇者さまなのです、か...?」

と口にせざるを得ないリアンなのであった...


続く...


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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