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#6 賢者の挑戦

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#6 賢者の挑戦


勇者パーティーを抜け、

ひとり知恵の実を手に入れるために小人族のところにやってきたフィレッチェ。

しかし知恵の実を手に入れるには、小人族の長ファンダーの試練を

超えなければならないとのこと。

知恵の木を前に今、フィレッチェの試練が始まる...


「さあフィレッチェよ。

この[幻覚の魔物(ハルシネーションモンスター)]を倒し、

木の実を手に入れるのじゃ!」

そうして現れたのはトロル型の幻覚の魔物(ハルシネーションモンスター)


ジャキーン...


フィレッチェは持っていた剣を取り出し、戦闘態勢に入る。


---ウゴオオオ!!


ドスーン!!


木を守るため、容赦なく襲い掛かる幻覚の魔物(ハルシネーションモンスター)

大きな体をフィレッチェめがけて振り回す。


「白き(かみなり)よ、我が身を守らん!!」

チャキーン!!


守備の呪文でフィレッチェはモンスターの攻撃を半分に減らす。


「青き(いかずち)よ、我が剣に力を満たさん!!」

シュルルルル!!


今度は攻撃の呪文で自身の攻撃を2倍に増やす。


「ウゴオオオ!!」


棍棒でフィレッチェを叩きつけるモンスター。

しかし、


「ウ、ウウウウウ?!」


ピキピキピキ...


叩きつけた棍棒が割れ、割れた先からやってきたフィレッチェが現れる。

その勢いのまま、モンスターの頭上に飛んでくる。


「これで終わりだ!!」


「ウガアアア!!」


ズズズズズズ...

綺麗にモンスターを真っ二つにするフィレッチェ。


スタッ...


華麗に着地して見せたその手には、知恵の実の姿があった。

そしてモンスターは音もなく消え去る。


「お見事じゃフィレッチェ。さすが、フィレマミア王国の賢者様じゃの。」

拍手をしながら近づいてくるファンダー。


「うむ。そなたならこの実を預けても問題ないだろう。」

そう言ってフィレッチェの持っていた知恵の実を取るファンダー。


「な、何をするのですか...?」

せっかく手に入れた知恵の実を取られ、焦るフィレッチェ。


「まあ落ち着くのじゃ。今からこの実をすりつぶして粉にする。

そうすることで体内に入りやすくなるからの。」


「わかり、ました...」


こうして知恵の実は知恵の実の粉になり、

無事に受け取ることができた。

---その帰り、門の前。

小人たちとファンダーがお見送りをしてくれた。


「ありがとうございました、小人族の皆さん、ファンダー様。」

そう言って深く頭を下げるフィレッチェ。


「うむ。そなたの国も大変であろうが、落ち着いて頑張るのじゃぞ。」

そう言って手を出すファンダー。

フィレッチェも手を出して握手をした。


「知恵の実は本来、人間さんに渡したりしない

とっても貴重な物だよ!だから絶対に無くさないようにね!」


小人のひとりがそう忠告する。


「感謝する。そしてこの世界を救った暁には

我が国にも小人族の里を作ってみせよう!」


おお、と大きな歓声が上がる小人の町。


「そろそろ外の世界は暗くなってくるぞ、気をつけて帰るのじゃ。」


はい、と改めて頭を下げ門を出るフィレッチェ。

しばらく歩くと小人たちの歓声は消え、いつのまにか森の入り口に戻っていた。


「これで、ようやく...」


森の外に出ると、すっかり日が傾きはじめていた。

急いで王都に帰ろうとすると、どこからか人影が現れた。


「こんばんは、賢者様?」


「....」


しかし彼からは、ただならぬ気配を感じる。


「こんな森の中で何をなさっていたのですか?

よかったら今晩は家に...」


そう言って近づいてくる彼を、フィレッチェは蹴り飛ばした。


「ふがっ!!」


すると彼はすぐに立ち上がり、


「き、貴様ぁ...なぜ俺様が人間ではないと気づいてたぁ...!!」


そう言って自ら人間でないことを暴く。


「まあそんなのはどうだっていい。貴様、この森に

知恵の実を手に入れに行ったのではないか?」

気づけば人型に黒い翼を持った魔物(モンスター)の姿をしていた。


「お前に話すことなどない。邪魔だ、帰れ。」

そう言って立ち去ろうとするフィレッチェ。


「俺様は貴様の持つ知恵の実に用があるんだよぉ!!」

そう叫んでいきなり襲い掛かる黒い堕天使、ダークネスウィング。

黒い風がフィレッチェを襲う。


「...邪魔だと言っているだろう!」

フィレッチェは聖なる風で黒い風から身を守る。


「ほう...なかなかやるではないか...ならばこれならどうだ!!」


ダークネスウィングは大きな翼に魔力を溜め、呪文を詠唱する。


「黒き闇よ、我が天の風を集めたまえ...ブラックホール!!」


ズゴゴゴゴゴゴ!!!!!!


黒い球体はフィレッチェはおろか、周りの木々さえも

巻き込んでくる。


バキバキバキバキ....!!


「こ、これは...くっ、ぐわぁぁぁぁ!!」

聖なる風で守っていたフィレッチェだったが、ブラックホールの威力に負け

飲み込まれてしまう。


シュゥゥゥ...


消えたブラックホールの中から、気絶したフィレッチェが現れた。


「ヒャーハハハ!!所詮、俺様の敵ではないな!」


そうしてフィレッチェから荷物を奪うのだが、


「...待てよ?ここでこいつを消してもいいのだが...

せっかくならば利用させてもらおうかな!ヒャーハハハハハ!!」


そのように考えたダークネスウィングは、

気絶した賢者フィレッチェの身体に乗り移る。

ニヤリとフィレッチェの目が赤く輝く...


-------------------------------------------------------------------------


一方、ディエルとバーランド、フィアラの3人はベルデの町で起きた

魔物狂暴化事件の調査を行っている。


研究所の情報を得た翌日。

狂暴化のポーションを製造している研究所がないか

ポーション屋のおばさんからもらった情報を頼りに探索を進める。


「...なあ。なんで俺たちはポーション研究所に向かってるんだ?」

話をまったく聞いていなかったディエルは、フィアラにそのように問う。


...しかしフィアラよりも先に、バーランドが答えた。

「だと思った。実は私もちゃんとわかってないんだけどね!」


「あなたたちねえ...」

呆れているフィアラ。

いつのまにか面倒ごとが増えていた。

...なにはともあれ、ひとつ目のポーション研究所にやってきた。


そこで狂暴化のポーションについて問う。


「...はあ?君さ、自分が何を言っているのかわかってるのかい?

あなたたちは麻薬を作っていますか、って聞いているのと同じだよ?!」


「す、すみません...」

さっきまで胸を張っていたフィアラだったが一気に肩を落とす。


---2つ目のポーション研究所。

今度は狂暴化のポーションについてではなく、

どのようなポーションを作っているのかを問う。


「ここの研究所ではー....」


---「特に異常なし...」


その調子で3つ目、4つ目のポーション研究所を巡る。

しかし怪しい研究所はどこにも見つからなかった。


...夕方。特になんの成果もなく帰ろうとすると、


「待って。あれって...」


フィアラの目に映ったのは、なんと狂暴化のポーションが大量に入った箱を

運んでいる人々の姿だった...!


「は、はこをはこんでる?!だはははは!!」


続く...


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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