#56 魔術と魔法と異世界と
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#56 魔術と魔法と異世界と
9月。
夏休みが終わり、ようやく楽しみにしていた学校がはじまる。
始業式の日、授業が行われなくて退屈だった私は
せっかくなので学校を散策してみることに。
しかしそこで出会った小峠先生に声をかけられ、
ただただ学校を散策していただけの私は戸惑ってしまった。
そこへ偶然通りかかった福岡先生に助けを求め、結局迷子だったということで解決。
すると私が迷子になっていたことを心配し、
行きたい場所があったの?と聞いてくれるのであった。
そこで私は魔法関連の書物がある部屋はないかと尋ねる。
するとその質問を聞いた福岡先生は、突然校長先生のところに呼び出したかと思うと
私がこの世界の住民ではないことを知っていたことを告白した。
しかしこの話は他の教師たちには知られたくないようで、
日曜日、改めて話をすることとなる...。
そして日曜日。話を進める前に校長は椅子の裏にある秘密の入り口のを開け、
地下へと続く長いハシゴを降りていくのであった....。
-------------
「こ、ここは一体....」
校長、福岡先生に続き、地下へと続くハシゴのいちばん下まで降りてくる。
ひんやりとした空洞はまるで地下ダンジョンの宝物部屋みたい。
「はい....これがこの街の秘密です....」
...そうして福岡先生は目の前にある木箱を開ける。
そこには年季の入った書類や本が入っているのであった。
「...これは、この町についての歴史書籍です。
実は私と校長は、かつてこの町で魔術が使われていた人々の子孫でして.....」
うむ、と頷く校長。
一方私は未だに理解が追いつかない。
すると、混乱する私を見て校長は話を続けた。
「...まあいきなり色々と言われて訳がわからないのも無理はないだろう。
その小さなノートに、この町の歴史と魔術についての関係が載ってある。
少しばかり読んでみてはくれないだろうか....」
わかりました、と私は歴史書を手に取る。
「...魔術の封印とこの町(新京市)の歴史....」
そこには、この世界で魔法が使用されていたことや
封印され現在に続くまでの文言が簡単に綴られていた。
その内容を私なりに簡単にまとめてみるとこうである。
------
...あるとき、魔法の使えないこの世界で魔法を使おうとした人々が現れた。
人々の熱心な研究で何時しかこの地域では魔法が使えるように。
ただしこの世界では魔法を術式にした魔術というものを利用して魔法を使っていた。
...ところがその魔術というものは子どもや魔力抵抗のある人でも簡単に使用可能。
それにより、誤って炎魔術を発生させた子どもが町で火災事故を起こしてしまった。
対策として魔術は習得資格を得た一定の人のみが使用できるようになる。
しかしその後、魔力は物質だけでなく時空も操れることを発見。
時間を止めたり、別次元にアクセスできることを知った魔術師(魔術を使える者)の
多くは、それを盗みなどの私利私欲に利用しはじめてしまった。
...これによりこの空間内の秩序は崩壊。
魔術の使える者が魔術を使えない者を従わせるという事態に陥った。
ただし時空魔術の使いすぎによる秩序の乱れは
彼ら魔術師たちの心臓や細胞にも影響を及ぼす。
有無を言わさず弱っていく心臓に加え、肉体的な痛みが彼らを襲うのでった。
魔術の使用を続けることが困難となった魔術師たちは
恐怖のあまり魔術そのものを封印。
やがてこの町で魔術を扱う者はいなくなった。
また、再び支配されるのを恐れた町の人々は次々とこの町を去っていき、
町はあっという間に廃れ果てた姿へと変わっていった。
...しかしその後、再開発事業で高層ビルの並ぶ現代トウキョウの一部に編入。
こうして町の歴史は封印されたまま新たな時代を築いていくのであった...
------
「...なるほど...」
この町の魔術にはそんな歴史が...
...しかし気になることがもう一つあった。
「...あの、この町に魔法や魔術の関わりがあったことはよくわかりました。
しかし私がこの世界の住民ではないということとはどのような関係で...」
「それについてはこちらの絵を見てほしい。」
続いて校長はしわくちゃの紙を広げる。
「これは....ゲート...?!」
その紙には、人々がゲートを行き来する様子や
魔術を使っている様子などが鮮明に描かれている。
「なるほど...以前から繋がりがあったのね....」
また、このことを知っている福岡先生や校長は彼らの子孫で間違いないであろう。
「隠すようなマネをしてすまなかった。
しかしこの歴史を彼らトウキョウからやってきた民は知らない。だからその...」
「...まあつまり、この歴史を知らない人々に混乱や恐怖を与えないよう。
静かに様子を見ていたということですね。」
その通り、と校長は大きく頷く。
そして福岡先生も小さく頷いている。
「...これで大体のことは理解して頂いたと思います。
それで、現在そのゲートは何処に...」
「あ...あの....とっくに消滅したんですけど....」
え、ええっ、と驚く福岡先生。
そこで私はこの世界に来たときのことをできるだけ詳細に説明することにした。
「...なんですって...!!ということは、あの失踪事件の正体は例のゲート...!!」
「失踪....事件...?」
何、その物騒な事件は...
「ええ、実はですね、あなたがこの学園に来る数週間前、
この付近で突然、人々の行方が分からなくなるという事件が発生していました....。
まさかとは思いましたが、今のお話で確信へと変わったというわけです。」
噓....それじゃあ私たちと同じように
向こうの世界で帰れなくなった人々がいるってこと...?!
「...ですが安心してください。
どういうわけか、あなた方が来る頃には
既に失踪事件はすべてなくなっておりますから...」
とりあえず元の世界に戻る必要があるのは
私たちだけということが分かり、余計な心配が減る。
...もちろん私たちが帰れないという事実には変わりないけど。
「しかし...どちらにせよこのままではフィアラ殿が元の世界に帰ることができない。
下手すればもう何十年、いや、一生....」
「そんな....」
校長のそのひと言に、私はショックを受ける。
きっと過去にこの世界に移住した人たちは、いつか向こうの世界に
帰れるかもしれないという希望があったからこそここに残る決意ができたのだろう。
でも、私は...もう....
「校長!!フィアラさんを悲しませないでください!!
きっと、元の世界に帰る方法はありますから...!!」
そうして福岡先生は私の手を握る。
校長は申し訳ないとばかりに頭を下げた。
...こうしてこの世界の秘密を知った私。
また、この部屋へは校長がいる間なら
いつでも見に来ていいという許可が下りるのであった。
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、
どうかよろしくお願いいたします!




