#49 考察、謎少女
~おとめtheルル~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#49 考察、謎少女
魔王討伐後、異世界に飛ばされて
カレー屋に住み込みで働くことになった5人。
夏本番になったこの日、学校に通うことになったフィアラは放課後、
フィアラの名前を知る謎少女に出会う。
しかしまったく面識もないため、同じ世界から来た住民だと思ったフィアラは
謎少女についての手がかりを求めてフィレッチェやみんながいるカレー屋に
連れ出して行くのであった...。
丘を登るといつものカレー屋が見えてきた。
「こ、こんなところにカレー屋なんてあったんだ...」
彼女は初めてここに来たらしい。
私はそんな彼女と一緒に店内へ入る。
「あ、お帰りフィア...って、風野さん!?」
??...と驚く私たち。あれ...?
「へぇ、まさか2人は知り合いだったとはね。」
知り合い?とんでもない!
「楓、違うの。この人ってば教室で自己紹介しただけで
急に私のことを知ってる感じで話してくるの。
...っていうかあなたこそこの人の知り合い...?」
私は楓と謎少女を交互に見る。すると...
「えっ...知り合いも何も、同じクラスじゃないですか...」
あれ、そうだっけ、と思い出す私。
そういえば楓も私と同じクラスだったのね。
するとここで謎少女が楓に喋りだす。
「そ、そうよ!同じクラスでー...ひ、久しぶりねぇ!
アンタ、ここで働いていたんだー、へー。」
何その白々しい言い方は...
「いや、今日が話しかけたの初めてでしょ...」
あーあーあー...
店内は恐ろしく気まずい空気に。
しかしすぐに店長がやってくる。
「おう!フィアラ!お帰り!...なんだ?もう友達出来たのか?
ほらほら、楓とその子も一緒に奥の部屋へどうぞ。」
ということで私は謎少女を連れ出して部屋に向かった。
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ピコピコピコ...
「おう、お帰り。」
部屋に戻るとそこにはディエルと共に
テレビゲームと呼ばれる機械で遊ぶフィレッチェの姿が。
「ぶっはー、また負けたぜー!!」
「うむ、これで100戦100勝だな。...そうだ、ちょうどよかった。
フィアラ、コイツじゃ相手にならんから次は君が...」
...と、私にコントローラーを渡そうとしたとき、
横からバーランドがコントローラーを投げ飛ばした。
「ちょっと!!フィレッチェ!!アンタ10勝したら
店の手伝いするって言ったでしょ!!」
[い、一体私の知らない間に何が...!?]
バーランドがフィレッチェからコントローラーを取り上げたあと、
今一度私のほうを見て慌てる。
「あ、お、お客さん...?!
ヤバ、こんなみっともないところを見られちゃって...」
するとこの一部始終を見ていた謎少女は突然泣き出しそうになってから言う。
「よかった...みんな元気そうで...!」
は、はあ...?と訳の分からないみんな。
「ねえ...この子、誰なの?」
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仕事休憩に入り、店長も含めたみんなに謎少女の説明をする。
「...つまり、お前さんは知るはずもない人物なのに
なぜかお前さんの名前を知っていると...」
店長は私と謎少女を見てから言う。
「ええ。それでフィレッチェたちは何か知らないかと思って連れて来たわけ。」
ところがフィレッチェはきっぱりとこう返すのであった。
「なるほどな。しかし君のような女は知らん。」
「そう、でしょうか...妖精...?魔法使い...?」
リアンはフィアラから聞いた証言をもう一度繰り返す。
「だからどうして分からないってのよ...!!私は!私は...っ!!」
再び謎少女はみんなに何か伝えようとする。
しかし誰も何もわからない。
「やれやれ、話は平行線のままだな。
とりあえず、昼休憩が終わる前にまかないでも食べておかないか?」
そう言って立ち上がる店長。
「...おっと。嬢ちゃんも一緒に食べて行くかい?
本当はあまりよくないのだが、今回は特別にうちのおごりだぞ。」
そうして謎少女の分も用意してあげる店長。優しい。
「あ...ありがとう、ござい、ます...」
店長がまかないの準備をしている間にも、私たちは話を続ける。
「よお!俺はディエルってんだ!名前は?」
突然ディエルは謎少女に話しかける。
「やっぱりアンタがポンコツ勇者のディエルよね!!」
...と、謎少女はディエルのことも知っている様子。
しかもポンコツ勇者だなんて...!
そして話を聞いていた真乃や楓は混乱している様子。
「ディエルのことも知っているなんて...
やっぱりこちら側の世界の住民なのでしょうか...」
リアンが呟くと、
「あ、そういえばポンコツ勇者で思い出したんだけど、ほら。
一緒にいた妖精ちゃんが似たようなことを言っていたような...
あれっ。名前ー...何だっけ...?」
バーランドがついにひとつの手がかりを思い出す。しかし...
「妖精ちゃん...そう、私もそこに引っかかることがあるんだけど、
なかなか思い出せなくて...」
結局これ以上話は続かなかった。
「...って、風野さん!あなた自己紹介した?!」
話が途切れると辛うじて話を聞いていた楓が謎少女に言う。
「あ、そういえばしてないかも。私は風野優衣奈。
今年この世界に来たばかりなのよ。」
また訳のわからないことを言う優衣奈。
するとようやく...
「お待たせみんな。まかないのカレーできたぞ。」
店長がみんなのところにカレーを運んでくれた。
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「ぷはー、食った食った!」
そう言って食べ終わった皿の片付けもせずに
テレビゲームの電源をつけるディエル。
「やれやれ。もうひと勝負するか。」
つられてフィレッチェもコントローラを握る。
「ダメだこの2人...」
バーランドが呆れていると、
「そうだ!風野さん!!一緒にここで働かない?!
この2人よりは絶対仕事できるよー!!」
突然楓は優衣奈を見て言う。
「おい、この2人って誰のことだ。」
フィレッチェはゲームをしながら呟く。
「なるほど。そしたら私たちとの関係についても何か思い出せるかもね...?」
「...夏休み期間はお客さんも増えるので、
こちらとしてもありがたい限りです...!」
フィアラや真乃は勝手に納得する。
「ねえ、いいでしょ?一緒に働こうよー!」
そう言って優衣奈の肩を揺らす楓。
「え...ええ...?」
優衣奈はいきなりのことすぎて困った様子だが、
「おっ?嬢ちゃんもここで働く気になったか?
いいだろう、採用!!」
店長が戻ってきて勝手に採用されてしまっていた。
「ちょっ、誰も働くなんて言ってませんけどーーー?!」
続く...
はじめまして、おとめtheルルです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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