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#4 事件の匂い

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#4 事件の匂い


王国一の薬草産地であるベルデの町で魔物の襲撃が起きた。

怪我人などもなく無事に魔物の襲撃から町を守った俺たち。

そこでこの町の領主様からこの町を救ってくれたお礼として

町で一番の宿を案内される。

---宿に入る頃には昼の魔法が解除され、すっかり夜になっていた。


カランカラン...


「いらっしゃいませー...これはこれは領主様!」

中にいた宿屋の娘が頭を下げる。


「遅くまでご苦労。えー、最上位クラスの宿を案内してほしい。」


「了解いたしました。」


---


案内された部屋に入ると、

そこにはフカフカのベッド、大きなソファー、

そして綺麗に磨かれたガラスのテーブルがあった。


「うわぁー!すごいすごーい!」

いちばんテンションが上がっているのはバーランド。

装備していた鎧を外し、ベッドの上へダイブする。


「こらこら、はしたない...」

フィアラはいつも冷静だ。


「いえいえ、構いませんぞ。何せ我が領地を救ってくださったのだから。」

領主様ははじめて笑った。

おっさんだけどいい笑顔じゃないか。

と、そんなことより...


「なあ、おっさん。早く報酬をちょうだい!」


「...はい?」


領主様のさっきまでの笑顔は、にらみつけるような真顔に変わった。


「こ、こら!ディエル!彼は領主様と教えたでしょう!」

冷静だったフィアラもさすがに焦っている。


「んんっ、ま、まあ...そこに座っていただこうか...?」


---


ジャラジャラジャラ...


いきなり持っていた袋をひっくり返し、金貨を机の上に広げる。


「うひょー、すげー!これ全部貰っていいのか?!」

するとバシッと隣にいたフィアラに叩かれる。


「...ハハハ、君は本当に勇者さまなのかねぇ...」

領主様にまで呆れられた。


「どちらにせよ町を、我が領地を救ってくださったのには変わりない。」


「やったぜ!」

さっそく金貨を回収しようとする。

するとバシッと隣にいたフィアラに叩かれた(2回目)。


「...ただひとつ、お願いしたいことがある。」

そうして領主様はどちらかというとフィアラのほうを見て話を続ける。


「今回の魔物襲撃事件についてなのだが、実はあの魔物が現れる前、

こんなものが見つかっていてだな...」

そう言って別の袋から空っぽのビンを取り出す。


「これは...」


「魔法使いなら一度は目にしたことがあることだろう。

そう、ポーションのビンだ。」

領主様の話を真剣に聞くフィアラと、金貨を眺めながらニヤニヤしている俺、

フカフカのベッドの上に座ったまま話を聞いているバーランド。


「私が視察に入ったとき、すれ違いで町の外に出て行った男がおってなだな。

そいつが出て行ったあとに調査隊が発見したものだ。」


「それは怪しいですね。」


「だろう?そして残り液から察するに、これは狂暴化のポーション...」


「なるほど。領主様とすれ違ったその男がポーションを魔物に使用し、

魔物を狂暴化させた可能性が高い、と...」


そこまで話を聞いていたバーランドも話に加わる。


「あ、確かに。この周辺に本来いる魔物はブラウンベアーにチビゴブリン。

今回出現したビッグベアーやキラーゴブリンはその上位種ね!」


段々と話が見えてきたみんな。

しかし俺にはさっぱりわからなかった。


「...ま、そういうことだ。もしその男を見つけ出し捕まえてきてくれたなら

その通貨はすべて与え...ってもうない!!」

話をしている間にすべて袋に入れていた俺。


「ま、まあいい。すべて受け取ったということは交渉成立、だな。」


とりあえず今日はここで一泊して明日の朝、情報を収集することにした...。


-------------------------------------------------------------------------


翌日。

昨日の話を聞いていなかった俺は、王都に帰ろうとした。


「待て待て待て待て?!魔王討伐は?昨日の事件の解決は?!」

バーランドに連れ戻された。


「そうですよ、ディエル。どうやらその受け取った金貨のうち

半分は交渉料だったらしいですよ。」


「なんだっていいだろ。俺はこの金で家族と王都で暮らすんだい。」

そういって俺はものすごい勢いで王都へ戻っていった。


「はあ、、これはフィレッチェの気持ちも分かりますね...」


...数分後、俺はものすごい勢いで

バーランドとフィアラのところに戻ってきた。


「しまったあ、この間のギルド前の酒場を通ったら、修繕費と間違われて

全部持ってかれたーーっ!くそーっ!」


「自業自得ってやつね。」

そう言ってフィアラにふふっと笑われた。


「それじゃ、借金返済といきますか!」

俺はバーランドに引っ張られて町の探索を余儀なくされた。


---


「町に怪しい男はいなかったか、って?」

フィアラが中心となって聞き込みを進める。


「もしくはこのポーションの製造元が分かると嬉しいんだけど...」

そう言って昨日領主様に渡された空のポーションビンを渡す。


「怪しい男と言うのは分からんが

そのポーションを販売している店なら知ってるぞ。」

そう言って店の場所を教えてもらった。


「ありがとう、おじさん...!」


---さっそくこのポーションを販売している店にやってきた。


「いらっしゃい。...おや、冒険者さんかい?」

笑顔で話しかけてくる店主のおばさん。


俺とバーランドははじめて来るタイプの店で、

興味深々でポーションを眺めている。


「お二人さん、何をお探しで?」

フィアラが話しかけるよりも前に、俺とバーランドに話しかける。


「あ、あの...そこの2人は置いておいて、少しお話をいい、ですか...?」

まあ、ごめんねえ、と言ってフィアラの話を聞くおばさん。


「...ええ?このポーション?

そうね、確かに家で取り扱っているビンだわ。」

そう言ってビンを受け取る。


「このタイプのビンなら、こういった種類があるかしら。」

おばさんが案内してくれたのは、同じ形のビンに入ったポーション。


「情熱のポーション、力のポーション、強化のポーション...」


「よく知っているわねぇ、さすが魔法使い、って感じかしら!」

おほ、ほほほと笑うおばさん。

しかし...


「すみません、狂暴化のポーションはありませんか?」

フィアラがそう言った途端、笑うのを止めるおばさん。


「ちょっとちょっと。そんな危ないポーション

ウチで販売しているわけないでしょう!」


「そ、そりゃそうですよね...すみません...」


そう謝って一呼吸入れたあと、


「...では、このタイプのポーションを

大量買いして行ったお客さんとかは...」

そのように質問するフィアラ。


「うーん、そうねえ...」


するとバーランドがこんなことを言い出す。


「あれ。箱売りもしているの?」


「そうそう、最近ポーションを

箱買いしていくお客様がいるのよ!」


ポーションの箱買いって...どんな大富豪なんだ...。


「...ということは、このタイプのポーションも...」


「ええ、そうね。きっとポーションの研究でもしているのよ。」


「ポーションの研究...?」


「そうよ、この町は薬草の産地だからね。

良質な素材が安価で手に入る。」


なるほど。その薬草を利用したポーションの研究も

日々行われているというのか。


「...その研究ってどこでやっているかご存知ですか?!」

フィアラが勢いよくそう質問する。


「そ、そうね、この町で有名なのはー...」

いくつかのポーション研究所を教えてもらった。


順調に進んでいるようだが

ディエルは話について行けるのだろうか...


続く...


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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