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#40 新たな世界へ...

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#40 新たな世界へ...


魔王との対決に勝利し、世界を絶望エネルギーから救ったディエルたち。

その後、知恵の実の効果が切れたディエルは国王から褒美をもらえず

ひとりで王宮を飛び出す。


その日の夜、ディエルとのいざこざで偶然出会った船長に、

突然東大陸へ行こう、と提案される。

東大陸に突如現れた謎のゲート調査のためという彼の口実の下、

ディエル、フィアラ、バーランド、リアンの4人と

いつの間にか巻き込まれていたフィレッチェの5人は、船長と共に

東大陸にある港町、リコルドに到着するのであった...。


「うわぁ、ビル、でっか!!」

バーランドがいつものように叫んでいる。


「ようこそ、リコルドの街へ!」


すると知らないおじさんが笑顔でみんなの前にやってきた。


「お疲れ、ジュイド。久しぶりだなあ...!」

そう言って船長はジュイドと呼ばれた彼と握手する。


「...船長の知り合い?」


「まあね。彼、ジュイドはこの街の観光大使でな。昔の乗組員だ。」

なるほど...。


「いやあ、それにしてもフィレマミア王国が救われたって本当だったんだね。

これでまたみんな魔法の練習ができると思うよ!」


科学文明が発達している東大陸では、魔法文明に住む我々西大陸との

交流はかなり積極的だった。


「ところで早速なんだが、例のゲートの場所を教えてもらえるかい?」


するとその答えを遮るように通りかかった子どもたちの会話が聞こえてきた。


「ねーね!明日はどこに集合する?!」


「港駅の前でいいんじゃない?知らんけど!」


...知らん、けど...?

この世界ではあまり聞かない語尾だ。


「...?どうしたんだ?」


するとその子どもたちを見つめる船長に向けてジュイドがこう続ける。


「ああ、もしかしてこれのこと...?知らんけど。」


なっ...という表情でジュイドを見つめる船長。


バーランドも話に入ってきた。


「何何?知らんけど?へーっ!不思議な語尾だねー、知らんけど!」


「もう洗脳されてる...?!」

フィアラがいつも以上にツッコむ。


「いやいや待て。前にここへ来たときはそんな語尾なかったではないか...!」

船長がジュイドに問う。


「そうだね、実は君たちの目的地である

例のゲートと関係があるとかないとか...」


意味深な言葉を残してディエルたちをゲートの前まで案内した。


----


「いらっしゃいいらしい!今日も楽しい楽しいお笑いの時間やでー!」


ゲートの前に行くと、謎のテンションたかお(仮名)が

人々の注目を集めていた。ディエルたちもそこに注目する。


「ほな、話聞いてもらえるかー?

あのな、実はカレーの隠し味にチョコレートを入れると

美味くなるらしいな!知らんけど!!」


あはは、と笑いが起き、彼の前に置いてあった箱に金貨や銀貨が

次々と投げ入れられていく。

そしてその投げられた通貨を見て言う。


「せやせや、これ知ってるか?!金貨と銀貨を混ぜると銅貨になるんやって!!

...知らんけど!!」

再び大きな笑いが巻き起こる。


「まったく...金貨と銀貨を混ぜて銅貨になるって言ったヤツ...

ホンマどうかしてるで...!どうかだけに...どうかいな?」

爆笑も爆笑、みんな金貨と銀貨をどんどん投げ入れた。


「いや、どうかしてるのはあなただと思うけど...」

フィアラは冷たい目でテンションたかおを見つめている。


「ひゃはははは、最っ高、あの人!!」

バーランドには大うけしていた。


「なあなあ。金貨と銀貨を混ぜてみたけど全然銅貨にならないぜ?」


「ってお前、何をしている...!」


ディエルとフィレッチェはある意味楽しんでいて、


「んん...zzz」


ひとり、リアンは聞いてすらいなかった...。


----------------------------------


ひと通り話が終わると、集まっていた人々は満足気に去って行った。


「いやぁ、今日もウケてよかったわ...!

これもすべて師匠のおかげやな...!」


誰もいないと思って独り言を言う彼にディエルたちは近づいて行った。


「あ、あの...すみません...」


最初に話しかけたのはフィアラ。


「なんや、お客さんか?」


「いえ...その...」


戸惑うフィアラにジュイドと船長が助け舟を出す。


「こんにちは、タイゾウさん。

いつもこの街を盛り上げて頂き誠にありがとうございます。

わたくし観光大使のジュイドと申します。」


「こ、こりゃどうも。」

今度はタイゾウが戸惑いはじめた。

続けて船長がタイゾウに問う。


「ところで質問なのだが、君はこのゲートを通ってこちらへやってきたとか...

聞いた話によると、1週間ほど前...ちょうど魔王が討伐されたあたりに

突然このゲートが開かれ、そこからやってきたということだったが...」


「ゲート...?せやな、確かに夢の中に来るときは

ゲートみたいなのを通っている気もするけど...まあ夢やしな!」


「夢...?いや、ここは現実だぞ、何を言っている。」

フィレッチェが船長に代わって呟く。


「んんんんん...もしかしてこれは、夢の世界や別世界の住民を呼び出す

ゲートだったりしませんかね...?」


寝ぼけたリアンが突然そんなことを言い出す。


「何言ってるのリアン、そんなわけないでしょ?!」


「いや、可能性としてはゼロではない...」

バーランドのツッコみにそう返すフィレッチェ。


「例えばここが、夢の世界だと思っている異世界の住民だとか...」


「待って、ディエルはどこ行った...?!」

フィレッチェの考察を遮りフィアラが叫ぶ。

そういえばディエルは全然話に参加していない。

するとゲートの前に立ってこちらを振り返るディエルの姿を発見した。


「よっと......

なあなあ!このゲートを調査すれば報酬もらえるんだろ...ってああ?!」


ゲートに手を支えようとしてそのままゲートに飲み込まれてしまったディエル。

本当に、こいつ...


「こいつ....どこまでバカなの...!?!」


------------------


「んわぁぁぁぁ....!?」


ガシャン...!


ゲートからそのまま地面に放り出されたディエル。


そこはビルとビルの間で、地面もレンガではなくコンクリートでできていた。


「きゃあっ!」


ガシャン...!


...続けてフィアラたちもやってくる。


「イテテテテ...なんなんだここは...」

フィレッチェも戸惑いを隠せない。


一方タイゾウは手慣れた様子でゲートを行き来していた。


「んあーっ、今日もすごい夢やったなあ...

って.......は?」


タイゾウは一緒にいるフィアラたちを見て固まる。


...するとちょうどそのとき、さっき通ってきたはずのゲートが

消えていってしまった。


「おいっ、ゲートが...」

ゲートに戻ろうとするフィレッチェだったが、既に手遅れだった。


「...なんなのここー、すごく暑苦しい...」

バーランドは手で顔を仰ぎ、


「ゆ、ゆめじゃないですかぁ....」

リアンは暑さと混乱に耐え切れず気絶してしまう。


果たしてここは一体全体...


これがディエルたちの、

新たな世界への旅立ちの瞬間なのであった...


[勇者の冒険編 完]


新たな世界編へ続く...


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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