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#3 作戦会議と自己紹介

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#3 作戦会議と自己紹介


勇者ディエルが森に入った翌日。

昨日泊まった宿の部屋。

俺が目覚めた頃には既に他の3人が

部屋に集まり、話し合っていた。


「お、やっと起きたかね、勇者さま...。」

賢者フィレッチェはチラッとこちらを見る。


「...まあいい。作戦会議を続けよう。」

おいっ、俺は勇者さまだぞ!


「お、おはよう!みんなして何話し合ってるんだ?」

真剣に話し合う3人に声をかけてみた。


「ちょっとー。王様の命令も聞かずひとり迷子になった感じの勇者さまに

作戦とか話しても意味ないと思うんですけどー。」

女戦士、バーランドからの辛辣な一言。

昨日の件でかなり信用を失っているようだ。


「まあまあ...それでも

疑似ドラゴンを無傷で、しかも一発で倒した勇者さまなんだから...」

魔法使いの彼女は今日もなだめる。


「やれやれ、仕方ない、な...。」

賢者フィレッチェは持っていた本を閉じ、


「勇者さま、こちらへ...」


俺を隣の席へと案内した。

しかし勇者さまって呼ばれるのもなんか気になってしまうなぁ...


「俺は勇者ディエルだ!ディエルって呼んでくれ!」


「んんっ、わかった、ディエル。ならば私のことも

フィレッチェと呼ぶように。」


「はい、フィレオバーガー!」


「ば、馬ー鹿、だと・・・?この野郎っ...!」


あれ、フィレオバーガーをご存知ない?

こっちのほうが覚えやすいと思ったのに。


「ま、待って待って。また宿屋を破壊する気?!」

魔法使いの彼女になんとか取り押さえられるフィレッチェ。


「ところでフィレオバーガー、ってなあに?

ただ単にフィレッチェのことを言い間違えた感じがしないんだけど。」

女戦士、バーランドがフィレオバーガーに食いつく。


「んんっ、やっぱ知らねえのか。

フィレオバーガーってのは俺の父さんがよく買ってきてくれたんだ!」


「...は?」

何かまずいことでも言った?俺...


「そうじゃないっ!だからそれは何なのか、って聞いてるの!!」

ボコボコと、軽くではあるがバーランドに叩かれる。

痛い痛い痛い。


「わかったわかったわかった!フィレオバーガーと呼んで構わないから!!

早く作戦会議を続けようではないか!!」


その一言でみんなは会議に戻る。


「...それで、どこまで話したかしら。」

魔法使いの彼女は広げていた本を眺める。

...しっかしいちいち彼女のことを

魔法使いの彼女、って呼ぶのは面倒だな...


「なあ魔法使いの彼女。名前はなんて言うんだ?」


バーランドが飲んでいたお茶を吹きこぼす。


「ぶふっ、ま、魔法使いの彼女ぉっ?!」


「どっ!どうして女戦士のほうが吹きこぼすんだよ!あは、あはははは!!」

あまりにも綺麗に吹きこぼすから、面白くてつい笑ってしまった。


「は?今度は斧で叩かれたいの?」

脅しが怖い。


「...あと、私のことは女戦士じゃなくてバーランドって呼びなさい。」


「分かったよ、ハーバーランド。」


「だから変なあだ名つけないでくれる?!」

ボコボコと、バーランドに叩かれる。

やっぱり痛い痛い痛い。


「ああ、もういいっ!!」

まったく進まない作戦会議に、とうとう我慢できなくなったフィレッチェ。

本を持って部屋を出て行った。


「...はあ、真面目にしてください、そこの2人とも...!」


「俺は真面目だよ!」「なんで私まで入るのよ!」

もはやパーティーの絆はズタズタだった...。


------


夕暮れの頃。

結局フィレッチェは帰って来なかった。


「あーあ、私、勇者さまってもっとしっかり者だと思ってた。」

バーランドが椅子を前後に動かしながら、そう呟く。


「ええ、私だってそんな勇者さまを想像しておりましたよ...」

魔法使いの彼女は悲しそうにそう返す。

...そういえば結局名前聞けてねえじゃん。


「...ところで魔法使いの彼女、君の名前は...!」


「フィアラです、もう好きなように呼びなさい。」

一瞬だけこちらを見たその顔は呆れていた。


「ティアラか!よろしくな!」


「はいはい。フィアラですけどね。」


すると誰かが大急ぎでこちらにやってくる音がする。


ドタドタドタ...ガチャン...!


兵士が慌てた様子で僕らの部屋にやってきた。


「勇者さま、こちらにおりましたか!

...大変です、隣町に魔物が侵入しました!」


隣町...?


「ベルデの町は、王国一の薬草の産地です...!

ここが襲われたら、これからの魔王討伐にも支障をきたすかと...」


「分かったわ、早く行くわよ。」

フィアラが先導して宿を出る。


「えっ、もうすぐ日が暮れちゃうよ!」


「それなら心配ありません。

昼の魔法を使える者がいて、ベルデの町周辺は夜にならないそうですから。」


「えー。なら早く魔王を討伐しに行こうぜー...?」


---


ベルデの町に着いた。

隣町というだけあって、王都からもそんなに離れていない。

...そして本当に昼の世界だった。


「すっげぇ。本当に昼間だー!」


「関心している場合ですか...!」

フィアラに怒られられた。


「あっ、いたいた!...げっ、ビッグベアーにキラーゴブリン!

それなりに強敵よ!」

バーランドは色んな国を冒険してきたから魔物については詳しい。

しかもこの町の周辺に出るような魔物ではないそうだ。


「よーし、ようやく思いっきり魔法が使えるわね、そーれっ!」

杖を大きく振りかざすフィアラ。


「杖よ、炎の魔力を得よ!ファイアートルネード!!」


ズゴゴゴゴゴゴゴ...!!

まだ少し離れた場所から撃ったファイアートルネードは、

町の前線で戦う人々の奥から、襲ってくるビッグベアーたちを

次々と吹き飛ばす。

そして残ったキラーゴブリンを俺とバーランドで切り刻む。


ジャキーン!

バラバラ...


「大丈夫ですか?!」

急いで人々のところに向かうバーランド。

さすが護衛団として働いているだけある。


「おお、戦士バーランド様!」


みんなバーランドのほうに駆け寄る。

あのー、俺は?


「そちらの方々もありがとうございました。」

俺とフィアラにそう言ってぺこりとお礼をするみんな。

あれ、俺が勇者って気づいていない...?


「お礼なんて必要ありませんよ。勇者のパーティーとして

町を救うことくらい当然のことです。ね、勇者さま?」

フィアラがそう言って俺のほうを向く。


「ゆ、勇者さま...?!!」

あわわ、と低姿勢になるみんな。


「これはこれは勇者さま。我が領地を守るため

迅速な対応に感謝致しますぞ。ありがとう。」

誰だかわからないけど偉そうな人にお礼をされた。


「...一応言っておくけど、あの人がこの町の領主様ね。」

フィアラが教えてくれる。


「領、主様?ふーん、よくわからないな。」

多分呆れてはいたが、苦笑いでごまかす領主様。


「そうだそうだ。町を救ってくれた勇者さま御一行には

町で一番の宿を案内しよう。」


やったー、と喜ぶバーランド。

俺は正直お金のほうが嬉しいなー。


「それだけでは足りないでしょう。

宿で今回の謝礼金を支払わせてもらいますぞ。」


やったー、と喜ぶ俺。

それを見てやれやれと笑うフィアラ。


こうしてフィレッチェのいない俺ら3人のメンバーは

ベルデの町で一泊することになった。


続く...


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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