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#36 平和な世界

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#36 平和な世界


遂に魔王との対決に勝利し世界を絶望エネルギーから救った勇者さま一行。

フィレマミア王国に戻り国王たちの話を聞いている頃、知恵の実の効果が切れ

元に戻ったディエルが国王たちに褒美をねだる。

こんな態度の悪いディエルには褒美など渡すつもりはないと答える国王だったが

リアンの一言でディエルに褒美を渡すのも一理ある、と考えさせられてしまう。

しかしどちらにしても世界は救われたのだから、と

悩むのは止めてこの話は保留となった...。


その日の夜。


王宮で盛大な祝賀会が開かれ、

そのまま王宮の客室に泊めてもらえることになったディエル、フィアラ、

バーランド、フィレッチェの4人。


王宮の客室なだけあって

広々とした部屋には

美しく整えられたソファ、

本物の大理石でできたテーブル、

天蓋付きベッドに特設ライトなど...

さすが王宮という感じだった。


「んわーっ!まさか王宮の客室に泊まれる日が来るなんて!!」


相変わらず立派な部屋にテンションが上がるバーランド。


「ベッドは2人分しかないのね。」


「ああ、大丈夫だ。私とこいつ(ディエル)は

もう一つの部屋に泊まるから...な....!」


笑顔でそう言うフィレッチェだが内心すごく嫌そうなのが伝わってきくる。


「あは...無理はしないで。」


---


シャー、カチャ...


ベッドルームの隣にある浴室でひとりずつお風呂に入ることに。


「ふんあーっ、さすがに大変だったねーぇ...」


先に浴槽へと入るバーランドは

浴室の扉を閉めたまま部屋にいるフィアラに声をかける。


「何よ、ひとり言?」


「んなわけないでしょ?!フィアラにちゃんと話してるの!」


あはは、と笑うフィアラ。

ブクブクブクと潜った音がする。


「ぷはっ。

...でもなんだろうな。まだ世界を救ったって実感湧かないわね...」


「それは私もそう。」


「これだけ長い道のりで、これだけいろいろなことがあったはずなのに...

終わってみれば意外とあっさりというか...」


ほんとその通りである。


「ええ。でもそのひとつひとつが今に繋がっているのよ...?」


すると突然、バシャッという大きな音がしたかと思うと

扉越しに浴槽から立ち上がるバーランドが見えた。


「やっぱりわかった!!それならディエルにも

褒美を受け取る権利はあるはずよ!!」


「急に何なのよ...」


-------------------------------------------------------------------------


翌日。


再び4人は王様たちの前に呼び出されていた。


「おお、おはよう!勇者さま方。昨日はぐっすり眠れたかのう?」


「ええ。おかげさまでぐっすり...」


「昨日はずっとエビフィレオとケンカして全然眠れなかったけどな!」


「だぁぁ...まったく.....」


「な、何があったの...」


バーランドはフィレッチェを心配する。


「と、とにかく、今朝勇者さま方を呼び出したのは

昨日の褒美の件についてじゃ。」


すると大臣が紙と通貨の入った袋を持ってこちらへやってくる。

そして4人のほうを見て説明をはじめた。


「今朝方勇者さま方の褒美について

ホープヒルズ王とよく話し合った。その結果...」


ゴクリと息を吞む4人。果たして...


「...結果、やはり勇者としての行為があまりにも残念だったということで、

フィアラ、バーランド、フィレッチェにのみ褒美を与える!」


おあっ、と驚きを隠せない4人。特にディエルは納得できなかった。


「おいっ!なんでだよ!!俺が、俺が魔王にトドメを刺したんだろ?!」


「それはあくまでも知恵の実の効果であり...」


すると今度はバーランドが大臣と国王に言う。


「陛下。わたしからも言わせてください!!

やはり彼にも褒美を与えるべきです!!」


この期に及んで諦めの悪い2人。しかし...


「ええ、確かにこいつは頭も悪く勇者としては認められないかもしれません。

ですが彼がいなければ、今頃世界は救われていなかったはずです!」


フィアラまで反論する。


「おいっ、お前たちなあ...!

国王陛下の決めたことに反発するのがどういうことか分かっているのか?!」


フィレッチェだけがそれ(反発)を抑えようとする。

ただ...


「まあ待てフィレッチェ。んんっ、そこまでこの結果に反論するのであれば

ひとつ話を聞かせてほしい。」


ゴクリと息を吞む2人。


「...ディエルよ。なぜそなたはそこまでして褒美にこだわり続けるのか。

自身の行動は褒美を受け取るに値するものだったか。簡潔に述べてみせい!!」


フィレマミア王がディエルを指してビシッと言う。

果たしてディエルの答えは...


「ん?そりゃあ褒美をもらったら嬉しいからな!!」


「.....」


再び城の空気が凍りついた。


「...分かった。やはり彼には褒美は渡さん!!

これ以上逆らうとフィアラ殿やバーランド殿の褒美も帳消しにする!!」


あれだけ優しかったフィレマミア王までも

怒らしてしまうという後味の悪い結果になってしまった...。


---このことをフィアラはロンドやリアンにも伝えに行く3人。


「まあそりゃあもう仕方ないよ。だって一度世界を売ったんだから...」

話を聞いてロンドは小さく頷く。


「ちなみに俺は、国王陛下のご決断に納得だな。」


他の仲間たちも話を聞いてやれやれ、と反応する。


「...ところでそんな彼はどこ行ったのよ?」

ロンドの家で待機していた妖精、シャイニーが部屋を飛び回りながら言う。


「さあな。褒美がもらえないと聞いてどこかへ飛び出して行った。」

フィレッチェが答える。


「えええっ、いいの?!あんなヤツひとりで放っておいて!!」

かなり意味ありげな反応のシャイニー。

彼が何をしでかすか分からないということは、

ライトニーから散々聞かされていたのだ。


「...そういえばあれから随分経ってしまったのですが、

ライトニーさんの告別式とかはもう、しないのですか...?」


突然リアンがシャイニーに問う。


「ええ?あら、そうね。随分経ってしまったわ...。

あの時はもうそれどころではなくなったけど、

確かに今なら落ち着いて告別式ができそうね。」


一応妖精族にも告別式(的なもの)はあるらしい。

...ということでディエルのことは一旦置いて

みんなはシャイニーの案内でコールの村近くの森まで行くことにした。

それも、フィアラやフィレッチェの移動魔法で...。


-------


「おおっ、世界を救った勇者さま御一行だ!!」


移動した先から森へ向かう途中、コールの村に寄ると

すぐにたくさんの村民が喜びの声をあげた。


おおおおおーっ!!

そして村長のオーマンが一行の前に現れる。


「お久ししゅうございますのう、フィアラ殿、リアン殿。」


「わあぁ!名前、覚えていてくれたんですね...!」

名前を覚えていた村長にリアンが喜んでいる。


「こんにちはっ、村長さん!その節はお世話になりました!!」

続けてバーランドも元気よく挨拶する。しかし...


「おお、戦士の...えーっと...」


「バーランドさんだよ...」

孫のイントに小声で囁かれる。


「なんで私だけ覚えてないのよっ!!」


この様子を見た周りのみんながアハハ、と笑いに包まれる。


「そうかそうか。しかしこの村だけでなく世界までも救ってしまうとは...

なんとお礼をすればいいか...!」


こうしてライトニーの告別式の前に

コールの村でお話をすることになったみんな。

平和な村での盛り上がりに乞うご期待...?


続く...


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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