#34 魔王戦開幕~
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#34 魔王戦開幕~
ついに動く魔王城に侵入したディエルたち。
しかし魔王による絶望的火力を直に食らい、苦戦を強いられることに。
ところがその攻撃のおかげで皮肉にもキボウの剣という絶望エネルギーに
打ち勝つことのできる剣を手に入れる。
こうして勇者たちは再び魔王の元で立ち上がるのであった...。
ビカーン!!
ガラガラガラ...
城は崩れ、青い空が見えるようになった。
「貴様ら!!魔王であるこの私を本気にさせたことを後悔するといい!!」
気づけば魔王は巨大な龍と化し、
今にもその大きな尻尾で潰されそうだった。
ブン!!
ガッシャーン!!
ガラガラ...
魔王の尻尾による一振りで、城ごとどんどん崩れていく。
「フハハハハハ、どうだ、恐れおののいたか!!!」
しかし勇者たちは動じることなくそこに立っているのであった。
「フン...次で終わりにしてくれるわ!!」
そして魔王の尻尾攻撃が飛んできたそのとき、
フィアラとフィレッチェによる協力魔法でその飛んでくる速度を遅くした。
「「イル・テンポ・ディベンタ・タルディ!!」」
すると魔王の速度が遅くなり、
その間にディエルとバーランドが尻尾に飛び乗る。
「お...の...れ...ちょ...こ...ま...か...と.......!!」
飛び乗ったディエルとバーランドが背中から剣で切り裂いていく。
「の...が...あ...っ...!!」
そして魔法の効果が切れると同時に
そのまま溶岩の海に落ちていく魔王ドラゴン。
ディエルたちは崖に飛び移って上から魔王ドラゴンを確認していた。
グツグツグツ...
「ど、どうなの?これで倒せ...」
するとバーランドが立っていた崖が段々と崩れ落ちてくる。
「わ、わぁっ!!助け...!!」
そして足元の崖も崩れ、そのまま一緒に落ちていってしまう。
「ファストランナー!!」
その瞬間、フィアラが素早くバーランドを抱え、
そのまま一緒に溶岩の海へ落ちてしまった。
「フィ、フィアラ?!」
自分も助けに行こうとするディエルにフィレッチェが止める。
「彼女は魔法使いだ。溶岩の熱さを無効化する魔法くらい使えるだろう。」
そうしてただ、溶岩の海を眺めるディエルとフィレッチェだった...。
---グツグツグツ...
「フハハハ、面白い...実に面白い...」
すると溶岩の海からまるでネッシーのように顔を出し、ディエルのほうに
近づいてくる魔王ドラゴン。
「私にここまで傷を負わせたことは褒めてやろう...
しかし貴様らはどう足掻いても絶望する運命だということを教えてやる!!」
そうして溶岩の中から
ドラゴンの大きな手でフィアラとバーランドを救い上げ、
丸めたティッシュのように2人を投げ捨てる。
ギュン...
「どうだ、絶望したか!!アイツらはもう死んだ!!なぜなら...」
「貴様...ふざけるのも大概にしろ!!!!」
ディエルはその大きな剣で魔王ドラゴンの身体に襲い掛かる。
「ぐっ...!この程度...!」
しかしその数秒後、
溶岩から出てきた大きな尻尾でディエルは飛ばされてしまった。
「ぐわぁっ...!」
チャキン....
「フン...所詮勇者とはいえ人間...絶望という名の運命には
逆らうことなどできん...!!デゼスポワール・オプスキュリテ!!!」
そうして剣を手から離したところを容赦なく闇で包んでいく魔王。
これでディエルやフィレッチェは魔法がうまく使えなくなってしまった。
「クハハハハ...少し侮っていたが、ようやくこれで終わりだな...
ディスペラート・ルーチェ...」
そして絶望の光が再びディエルとフィレッチェを襲う。
「負けて...負けてたまるか!!」
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一方、魔王によって飛ばされてしまったフィアラとバーランド。
瀕死の状態ではあるが、まだ息はしていた。
「ペィ、ペィンリス......」
そうして痛みを無効化する魔法をかけた状態で地面に振り落とされた。
ズサ...ズサズサズサ.....
そして飛ばされた先はちょうどフィレマミアの王都である。
「フィ、フィアラ?!!?」
これに気づき、真っ先に駆けつけてきたのは
ロンドの家で待機していたリアン。
「まあ、フィアラさんにバーランドさん...!」
母エルフも駆けつけ、すぐに治療に入る。
「とにかく中へ入れてもらいましょう...!」
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服の一部が溶けてしまったり、
飛ばされたときの砂埃だらけの2人だが、エルフたちによってすぐに回復した。
「うむ...やはり魔王は一筋縄では倒せないみたいだな...」
ロンドが2人に問う。
「ま、まあね...あと少しってところだったけど...」
「...ええ、私たちの戦いはまだ終わっていない...だから...!」
そう言って家を飛び出そうとするフィアラ。
ところがそれをロンドが止めた。
「待て、待つんだフィアラ。」
「な、何よ兄さん...!」
「勇者さまにこれを持って行ってくれ。」
そうして渡されたのは野球ボールほどの大きさの玉。
これは...
「キボウの玉だ!それを魔王の身体に入れれば魔王は弱体化する...!らしい。」
「らしいって何よ...!」
「いや、妖精やエルフたちが指南書に沿って作成したもので、実際の効果は...」
するとバーランドがやってきて話を止める。
「その話はあとあと!!ほら、早くあの2人のところに戻るわよっ!」
え、ええと頷き飛行魔法を唱える。
こうしてすっかり回復したフィアラとバーランドは
再び魔王戦へと復帰するのであった...。
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一方、剣を落とし魔法も使えなくなってしまった
ディエルとフィレッチェ。
初級装備として配られた木の盾で魔王の攻撃を防ぐ2人だが、
落ちた剣を拾いに行くことすらできずただ一方的に殴られ続けている。
そして盾の耐久値もそろそろ限界のようだった...。
「フハハハ!!剣も魔法もなくなればこっちのものだ。
さあ、大人しく絶望するがよい!!」
バキッ!!
そしてついに盾の耐久がなくなってしまった...
「今度こそこれで終わりだぁ!!」
ドゴーーン!!
絶望状態でうまく身体が動かせない2人は、
魔王の攻撃を直に喰らってしまった......かのように思えた。
シュウゥゥゥ...
そう、攻撃を当てた場所にフィアラとバーランドが立ち、
ディエルとフィレッチェを守っていたのである。
「お、おのれ...!!」
一進一退の魔王戦、果たしてどこまで続くのだろうか...
続く...
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、
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