#31 魔王城大移動?!
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#31 魔王城大移動?!
フィレマミア王国の王都でダークネスウィング率いる群れを討伐し、
吸収されていたフィレッチェを解放することに成功したフィアラたち。
そして知恵の実の効果を受けたディエルも仲間に戻し、再び魔王城を目指す途中
ダークネス化したホープヒルズ国王に足止めされる。
すぐにダークネス化から解放された国王だったが
そのあとディエルの知恵の実の効果が有限であることを知る。
そこで国王は妖精たちと共にフィレマミアの王都を目指し、ディエルたちは
このまま動き出す魔王城を目指すことになったのであった...
---昼。
魔王城を目指して歩みを進めるディエルたち。
「魔王城が見えてきましたね...」
ディエルの言った通り、半日程度ではそこまで動いていなかった。
「さて皆さん、準備はいいですか?魔王城に突入...」
ガガガガガ...
すると魔王城は突然大きな音を立てはじめた。
「まずいっ、これ...」
そして魔王城は立ち止まるディエルたち目がけて突撃してきた。
「行くぞ、飛び乗れ!!」
フィレッチェの合図でディエルたちは迫ってくる入り口に飛び乗る。
ビュン...
ガガガガガ...
「何何何?!何がどうなってるのー?!!」
魔王城の入り口側の壁に張り付いて魔王城に入ることができたみんな。
「恐らく飛ぶつもりだろう...しっかり壁に体を預けていないと
吹き飛ばされるからな、気を付けろ。」
「しばらくは動けそうにないわね...」
フィレッチェとフィアラは今日も冷静だった。
その後、フィレッチェの言う通り魔王城は空に向かって傾きだした。
「ぎゃ、ぎゃあああ!」
「バーランドさんうるさいです。」
冷静なディエルはいつも以上に辛辣だった。
「...すみません、あまり騒ぐと魔王たちに気づかれてしまうので...」
「誰に気づかれる、だと?」
城の奥から魔王の不気味で低い声が響く。
「久しぶりだな、勇者たちよ...」
「って、こんな状況で話をするなーっ!!」
「まあ落ち着くがよい。貴様らにはこれから
この城のエネルギーとなって永遠に働いてもらうのだからな...」
すると魔王城の動きは止まり、気がつけば遥か上空...
大きな火山が真下に見える。
ゆっくりと魔王城はその火山の中央に向かって高度を落としはじめた。
ガラ、ガラ、ガラ...
火山の中央は溶岩で覆われていたが、魔王城がおりてくると
城の周りだけが岩たちによって陸になった。
ドドーン...
「絶望の闇よ、今こそ我が城を覆わん...
デゼスポワール・オプスキュリテ...」
グゥン...
ピカーッ...!
ゴロゴロゴロ...
空はやがて、真っ白い雲から真っ黒い空へ変わり、
空気は重く、尋常じゃないくらい息苦しかった。
「フハハハハ...残念だったな、
これが我が城の真のエネルギー...」
魔王の絶望エネルギーを直で受けたディエルたちは、
身体が動かなくなってしまった。
「なっ...なによ...これ....」
「くっ...身体がっ...重くて、動かない....!」
「私の...魔法でさえ...っ....!」
「そうだろうそうだろう、さあ、絶望するがいい、
我が城のエネルギーとなって永遠に彷徨うことをな!!」
...と、みんながエネルギーで苦しむ中、ディエルは
下を向いたまま呟く。
「絶望するのは...」
「ほう...?」
「絶望するのはお前だよ!!」
そうして城のエネルギーを浄化してみんな動けるようになった。
「ありがとう、ディエル...!!」
「さっすが勇者さま!!」
「フッ...かっこいいところだけ持っていきやがって...」
ディエルははじめてレベルでみんなから褒めちぎられた。
「まああれだけスキだらけなのに何もしないわけがないじゃないか。」
「貴様...っ!!」
ディエルは絶望エネルギーが放たれる直前、
透明呪文と浄化呪文を同時に唱えることで絶望エネルギーを食らうことなく
城のエネルギーを浄化することができた。
「どんなに絶望エネルギーを集めても
最後に勝利するのは我々である。なぜって?それは神が世界を...」
「ディスペラート・ルーチェ...」
突然、不気味な光で城中が覆われ、ディエルは
それに反応できなかった。
「くっ...」
「勇者よ、寝言は寝てから言え!!」
そうして思いっきり突き飛ばされ、魔王城の外にある溶岩に飛ばされてしまう。
「ディエルっ?!」
「さあ、あとは貴様らの番だ...この私の邪魔をした罪...食らうがよい!!」
そうして再び絶望のエネルギーが城を覆ってしまう。
フィレッチェやフィアラの魔法ではまったく対応できなかった。
「どうした、勇者がいないとその程度か?」
「っ...!」
動けなくなったところを
魔王に捕まってしまい足掻くバーランドだったが、
いとも簡単に突き飛ばされてしまった。
「フハハハハ!!いいぞいいぞ...!仲間が一方的に攻撃されるのを見て
怒りと絶望に渦巻くその姿...もっと見せるがよい!!」
今度はフィレッチェも魔王に捕まってしまう。
「ほう...貴様がダークネスウィングの入ったという賢者か...
しかしこの程度だったとはな。」
「おのれ....」
「フン、まだこの私に逆らう気か?」
必死に攻撃力魔法を唱えるフィレッチェ。
しかし、絶望のエネルギーが満ちたこの城では
魔法がうまく使えなかった。
「フハハハハ!無駄なことを!
どうだ、絶望したか!!」
そうしてフィレッチェまでも簡単に突き飛ばされてしまう。
「さぁて、残るは貴様だけだな...」
-------------------------------------------------------------------------
一方、ディエルたちによりダークネス化から解放され
フィレマミアの王都を目指しているホープヒルズの国王と妖精たち。
ディエルたちと別れてから半日、ようやくフィレマミアの王都が見えてきた。
「何事もなくてよかったー。さあて、あとは事情を話して...」
...すると突然さっきまでの青空が暗闇に覆われてしまった。
「なんじゃ、暗闇かの...?」
歩いていた国王の足が遅くなる。
「ど、どうしたの...?国王?」
「な、なんだか身体が急にだるくなってしまってのぅ...」
「ええー、そうなんだ...」
「な、なんじゃね、その反応は?!」
シャイニープリンセスたち妖精は異常があると
すぐに加護を反応させることができる。
つまり魔王のエネルギーすら受け付けなかった。
「...この感じ、勇者さま方も苦戦しているかもしれませんのう...」
果たしてディエルたちは無事に魔王を倒すことはできるのか...
続く...
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
気軽に反応を頂けると嬉しいです。
少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、
どうかよろしくお願いいたします!




