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#29 まともな勇者さま

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#29 まともな勇者さま


フィレマミア王国の王都でダークネスウィング率いる群れを討伐し、

吸収されていたフィレッチェを解放することに成功したフィアラたち。

翌日、町に現れたダークネスドラゴンの正体はなんとディエルで、

依頼(カネ稼ぎ)としてフィレマミア王国の王都をこの姿で襲いに来たらしい。


しかしリアンとバーランドの声に動揺した彼を見て

知恵の実の粉を投げ込むフィレッチェ。

その効果は絶大で、すっかり別人になったディエルを連れてロンドのところに

戻ってきたのであった...


その翌日---


「では魔王討伐に行ってきます。」


いつにもなく勇者らしい格好でロンドにそう告げるディエル。


「おう!気を付けてな!この世界を、よろしく...」


今はまだ魔王の力も完全ではなく、

発生した廃村から移動することができていない。

そのため魔王の力が溜まる前に倒しておいた方が世界にとっても

被害が少ないのである。


王都を出て、魔王城に向かうディエル、フィアラ、バーランド、フィレッチェ。

ここに来てリアンはロンドたちとお留守番だった。


---数時間前...


「...うむ、やはり魔王の力は着実に溜まってきているようだな...」

フィレッチェがひとり、魔力感知で付近の魔力を調査する。


「フィレッチェさんおはようございます。」

覚醒ディエルが声をかける。


「ああ、ディエルか。見てみろ、この王都周辺でもこんなにも魔力が...」


「...それってつまり、時間がないということですね?」


一言だけで言いたいことをすぐに察知するディエル。

するとバーランドやフィアラたちが起きてきた。


「ふぁぁ...おはよう...」


ディエルはそんなバーランドを出迎えこう言う。


「バーランドさん、おはようございます。いきなりで申し訳ないのですが

時間がないみたいです...魔王討伐に行く準備を、お願いします...!」


ふぇっ、となってすぐに目が覚めるバーランド。


「そうだ、そうだっ!私、魔王討伐に行くために戦ってきたんだっ...!」

バーランドは部屋に戻って着替えと装備の準備をしに行った。

そして隣にいたフィアラにも声をかける。


「フィアラっ!フィアラも準備して、魔王討伐に行くよっ!」


え、ええ...と一緒に部屋に戻るフィアラ。


そうしている間、ディエルはリアンとロンドに向けてこう言うのであった。


「リアンさん、ロンドさん。あなた方はここで町の皆さんを守ってください。」

分かった、と頷くロンドと納得できないリアン。


「あ...あの...どうして、ですか...?私も一緒に戦いたいです!」


「リアンさん...あなたの気持ちは嬉しいですが、人数が多すぎても

回復が間に合わないなどで困るのです...

それに、町に万が一のことがあっては大変なので、

今回は最低限の人数で行かせてもらいたいと思っている所存です...。」


「今は勇者さまの言う通りにしようぜ、リアン...」


はいぃ、とちょっと残念そうではあったが

なんとかその提案を受け入れてくれるリアン。


「...その代わり、絶対みんな生きて帰ってきてくださいね...絶対ですよ!!」


------こうして王都を離れ、魔王城に向かうディエルたち。


途中、魔物に襲われるが、難なく敵をなぎ倒していく。


「...はあ、ようやく魔王討伐に向かってる、って感じがするわね...」

途中、フィアラがボソッと呟く。


「いやいや本当それ。ってか、この4人で旅に出るのってはじめてじゃない?」

フィアラとバーランドが話していると、次の魔物が現れた。


「何をボーっとしている!早く戦わんか!!」

叫ぶフィレッチェに、話すのを止めた。


-------


なんだかんだで魔王城が見える頃には夕方になっていた。


「ハア、ハア、ハア...魔王城って、こんなに遠かったっけ...」

いちばん体力のありそうなバーランドですらばててしまう。


「...いえ、無理もありません...」

そう言って持っていた地図と照らし合わせるディエル。

今度はフィレッチェが言う。


「やはりそうでしたか...魔王城はとうとう動き出しているようですね...」


ええっ、と驚くのはバーランド。


「魔王城は廃村のエネルギーと魔力でできているの。

だから魔力が溜まると動き出せるのも、何となく分かる、わよね...?」


そうしているうちに段々と日が暮れてきた。


「...皆さん、今日はここで休みましょう。恐らくですが

半日程度ではそこまで離れな...」

...と、休む準備をするみんなの前に、ホープヒルズ王国の国王が現れた。


「チッ...使えない奴め...」

そして国王は大きく手を挙げると、呪文を唱えはじめた。


「魔力の力よ、すべてを消し去れ...スィ・モーンド・エファセ...」

そうしていきなりディエルを消し去ろうとした。


「マジックバリア!!」


フィレッチェのおかげで魔法は防がれる。しかし...


「邪魔をするな...!みんなこのわしが、絶望のどん底に叩き落してやる...!」

そうして今度は炎魔法で攻撃してくる。


「うっ...!」


その攻撃はバーランドの身体をかすっていた。

鎧が溶け、かすれた左腕を抑える。


「大丈夫か...、アペズマン...」


するとすぐに炎がかすれた皮膚は綺麗になった。


「サンキュー、フィレッチェ。」


「おのれ...おのれぇ...!グランデ・フィアンマ・ベントフォルテ!!」

次は風を宿した大きな炎をフィアラめがけて投げ込んだ。


ガッ...ボボボボボー!!

メラメラメラ...


「グランデ・フィアンマ・ベントフォルテ、

グランデ・フィアンマ・ベントフォルテ!!」


逃げるフィアラに追い打ちをかけるよう炎魔法を唱え続ける。


ボン、ボーーン!!


風は竜巻を起こし、

炎は竜のように暴れる。


「っ...!!」


さすがのフィアラでも耐え切れなくなってきた。


「フィアラ?!」


するとその隙を狙ってディエルが大きく剣を振るう。


ジャキーン!


魔法を唱えているはずなのに、ディエルの攻撃をガードする国王。


「おとなしく言うことを聞けばよかったものを!!」


そうして剣に攻撃力上昇の魔法をかけ、ディエルの剣にヒビを入れてしまう。


「っ...!!」


「ディエルまで...!!」


ガラン...


剣が落ちる音と共に、しびれて動けなくなるディエルと、

炎に巻かれ、息を切らしているフィアラ。


「だから言っただろう...?みんなこのわしが、

絶望のどん底に叩き落してやると...」

そう言って大きな魔力を集めている国王。


「魔王様に近づく奴は、死、あるのみ!!」


そうして大きな魔力弾で4人をまとめて攻撃する。


バゴーーーーン!!


シュゥゥゥ....


「フン...わしに逆らうから...」


...すると爆発した煙から真上に大きく飛ぶ人影が見えた。


「なぬっ...」


そしてその人影は国王の王冠を狙って攻撃する。


カランコロン...


見事に転がる王冠と、王冠の横に立つディエル。

すると転がった王冠がひとりでに動き出した。


もぞもぞもぞ...


「なんてことだ、魔王はこの王冠で直接...」

王冠を拾ってすぐ妖精たちに渡すフィレッチェ。

今回も爆発の直前にフェアリーの笛(と妖精たちの加護)で攻撃を防いでいた。


「...!なんて強力な魔力なの...」


妖精たちの母、シャイニープリンセスが手を合わせ、

一緒にいた他の妖精たちも共に手を合わせる。

すると魔力の力は消え、元の美しい王冠に戻った。


「あいたたた...わしは、一体...」


それに伴い、操られていたホープヒルズの国王が正気を取り戻す。


「よかった...!さ、一旦戻りましょ、みんな!」

バーランドの合図で引き返すことになった。


果たして逃げる魔王城にたどり着くことはできるのであろうか...


続く...


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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