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#24 フィアラとエルフと妖精と

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#24 フィアラとエルフと妖精と


ダークネスウィングにさらわれて

魔王城で兄であるロンドに助けられるフィアラたち。

一旦話を整理するためロンド兄さんと共にフィレマミア王国の王都に向かう。

ある程度話がまとまったところで国王陛下にも知らせ、今後の動きについて

みんなで考えることになった...


「...なるほどのう。ロンドからの話を聞くに、勇者さまが

世界を売ったというのは本当じゃと...」


国王陛下が深く息を吐く。


「私からは以上です、大変重苦しいお話をして申し訳ございません。」

そう言って頭を下げる。


「いや、むしろよくぞ現実を突きつけてくれた。

勇者さまのいない今、この国がいつ襲われても

おかしくないという状況なのじゃからな...」


続いて国王陛下の隣で話を聞いていた大臣が

ロンドやフィアラのほうを見て問う。


「ええっと...私からひとつ聞いていいですかな?」


「はい、何でしょう。」


「先ほどダークネスウィングと対峙して負けてしまったと申されたが...

そやつ、変わったことはなかったですかな?」


「変わったこと...」


するとリアンが答える。


「そういえば、彼...勇者さまはダークネスウィングをフィレッチェ様と

勘違いしていたかも、とは聞きました...」


その話に大臣が頷く。


「やはりそうでしたか...

恐らく今のダークネスウィングはフィレッチェ様を吸収している...」


えっ、と驚く一同。


「実は(わたくし)元賢者でしてね...フィレッチェ様に

魔術を教えたのも、私なのですよ?」


「...それはすごいわ。」

フィアラは思わずそう呟く。


「ありがとうございます、フィアラさん。それでその...

私はフィレッチェ様の魔力をある程度の距離にいれば

この肌で感じることができるのです...」


大臣はさらに続ける。


「...ですので、ほら、フィレッチェ様の魔力を探知していましたところ、

魔王城のほうで強力な暗黒魔術を探知することができまして...」


「...つまりそれが、ダークネスウィングなのではないか、という推測ね?」


はい、と頷く大臣。


「うむむ...確かにダークネスウィングは魔王軍第一補佐官であり

他人の魔力を自分のものにしてしまうという力を持つ。

それがもし本当ならば大変なことじゃぞ。」


国王陛下も頭を抱える。


「でも逆に言えば、そいつを元に戻すことができれば

フィレッチェも再び仲間になって...!」


「フィレッチェ様でしょ、バーランド...」

あっ、と再び口を塞ぐバーランド。


「なるほどな。でも一体どうやって...」


「それについてはわしに心当たりがある。」


そう言って王宮の地下階段のほうに視線を向ける。


「実はだな、ここの隠し通路のほうにエルフの民がおる。

...魔王によって住処を追われ、なんとか逃げ出してきたものたちじゃ。」


そういえばそんなことをロンドもフィレッチェも言っていたっけ。


「エルフの民ならば、ダークネスウィングの魔法を解き

フィレッチェを元に戻す魔法薬を作ることができるかもしれない...」


「わかりました、ではさっそく話を聞きに行ってみようと思います。」


「頼んだぞ、勇者の連れたちよ!」


------


そんなわけで地下の隠し通路まで案内された。


「確かにここなら魔王軍も襲って来れないかもねー。」

バーランドが呟く。


「あっ、いらっしゃいましたよ。あちらにいるのがエルフ族の方たちですね。」

リアンがエルフたちを最初に見つける。


「...あら、こんにちは。私たちに何か用?」


エルフのひとりが話しかける。


「こんにちは、エルフの皆さん。実は...」

すると奥から男の子エルフがやってきた。


「こんにちは、人間さん!!ねえねえ、暇だから一緒に遊んでよーっ!」


「こらこら。この人たちは私たちに話があってきたの!」

やってきた男の子エルフをしかる女性エルフ。


「ごめんなさいね、うちの息子が...」


「へえー、あなたの子供なんだー!名前は?年齢はいくつなの?」

バーランドが興味深々で男の子エルフに問う。


「名前は分からないけど...年齢はまだ65歳だよ!」


「ろくじゅうっ、ご...」

驚きで目が点になったまま動かないバーランド。

エルフの平均寿命は300年と、人間族より遥かに長い。


「それはそうと、私たちあなた方エルフたちにお願いがあってきたんだけど...」

そう言ってロンドに合図するフィアラ。

そしてロンドは持っていた資料を広げ、状況を説明する。


「単刀直入に申し上げますと、この魔法薬を作ってほしいのです。」

資料を見て内容を確認する。


「暗黒魔法を解き、ダークネスウィングの吸収をほどく...」

いつのまにこのような資料を用意したのか...

リアンも一緒になって確認する。


「うーん...私らには難しいかな...。」

母エルフからの回答はそうだった。


「そうか、無理を言ってすまない...。」


「だけど待って。うちの母ならこの薬を作る方法を知っているかも。

ちょっと来てもらっていい?」


母エルフの案内により、祖母エルフのところに連れてこられた。


---


「おやおや。こんなところに人間とは珍しい...」


「母さん、ちょっといい?この人たちの頼みでこの魔法薬を作ってほしいと

頼まれたんだけど...」


そうしてロンドは持っていた資料を渡す。


「ふむふむ...なるほどのう...」


「娘さんの話ではこの魔法薬を作るのは難しいと...」


「そうね、これだけの強力な魔法薬...エルフ族じゃ無理だと思うわ。」


ロンドも母エルフも肩を落とす。

...すると、フィアラの持っていたフェアリーの笛を見つける祖母エルフ。


「おやおや...それはフェアリーの笛かい?」


えっ、とフィアラは笛を見る。


「そ、そうですね。ホープヒルズ王国のほうでお世話になった妖精から

もらい、ました...」


「なるほど、妖精(フェアリー)族と協力すれば作れるかもわからん...」


「ほ、本当ですか!!」


もう無理だと諦めかけていたのでとても喜ぶロンド。


「ああ、これは推定ですがね。それでももし、妖精(フェアリー)族が

ここに来てくれるのであれば...試さないという手はないと思いますぞ?」


「ご協力感謝する。」

すぐさまロンドはフィアラに笛を吹くよう、促す。


フー...


ピロリロリロロン...


「はいはいはーい...」


...するとどこからともなく妖精たちが現れた。


「久しぶりね、シャイニープリンセス。」


特に驚くこともなく挨拶するフィアラ。


「久、しぶり........で、何か...用...?」

ところがリアンは、何やら以前と様子が違うことに気が付く。


「...妖精さんたち、なんだか元気ないのではないですか...?」

その言葉にシャイニープリンセスが引っかかる。


「...はあ、人間族にもわかっちゃう...?実は...

ライトニーが死んでしまったの。」


えっ、と衝撃を隠せないリアンたち。

ここに来てダークネスウィングに対峙したときのことを思い出す。


「...そういえばあの、私たちが生き残ったときって...」


「ええ、ライトニーも一緒だったわ...」


すべてを理解し、心が痛くなる3人。


果たして3人はライトニーの死を乗り越え

無事魔法薬を手にすることはできるのであろうか...


続く...


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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