表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/50

#19 勇者のいない一行

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#19 勇者のいない一行


魔王討伐に向け、道中にあるコールの村を訪れたディエル一行。

大気汚染で大変だった村を救い、祝賀会が開かれた日の翌日。

ディエルのいないフィアラたちは、改めて村長の家に招かれた。


「おはようございます、皆様。先日は本当にありがとうございました...!」

フィアラの手を握る村長。


「いえいえ...村のみんなが無事で何よりです。」

フィアラはそう返す。


村長と玄関のところで話をしていたら、イントがこちらにやってきた。


「あ、皆さんどうぞこちらへ!ぜひ朝食を食べていってください!」


「ありがとうございます...!」


部屋に案内され、大きなソファーに座るフィアラたち。


「さてと、皆様はこれからどうなされるのですかな?」


フィアラたちの向かいに座った村長がさっそく質問する。


はい、と地図を広げ、


「私たちは今、魔王討伐に向けて旅をしているところです。

ご存知かもしれませんが隣国フィレマミア王国には魔王が現れたので。」


そうして広げた地図の上の方を指すフィアラ。


「...つまり、魔王討伐に向けて次の町を目指します...!」


力強くそう言うフィアラ。


「私も彼女の親友として、共に次の町を目指します...!」


「もちろん私も!!」


リアンとバーランドも続けてそう言う。


「頼もしく思いますぞ、勇者さまのお連れの方々!」

村長にそう言われ、複雑な気持ちになるフィアラ。

何も知らないバーランドがふと呟く。


「...あれ?そういえばディエルはまだ来ないの?寝てる?」


リアンとフィアラも少し心配になる。


「...そういえば昨日の祝賀会にディエル...勇者さまっていましたっけ...」

リアンの言葉にますます不安になるフィアラ。

そうしていると...


「あ、皆さん話は終わりましたか?

ちょうど朝食ができたので今お持ちしますね...!」

イントがみんな分の朝ごはんを持ってきてくれた。


---


朝食には焼きたてのパンと焼いた鶏の肉、サラダが用意された。


「朝からすごいですね...いただきます...!」


バーランドがさっそく食べはじめる。


「いただきまーす!モグモグ...あっ、美味しいっ!!」


「それはよかった。昔、王都の料理屋で働いていたので...」


「へえ、どうりでこんなに美味しいわけですね...!」


リアンも満足そうだった。


「...ところで勇者さまのことなのじゃが...」

食べながら、突然そう言う村長。


「実は勇者さまは...」


「じいさん、後にしなよ。」


食べながら話すことではないと思ったイントは村長の話を止める。


「おお、そうじゃな、すまない。

食べ終わってから改めて話をさせてもらいますぞ。」


---


「ふう、ごちそうさまー!」


食べ終わってひと息ついていると、コンコン、と戸を叩く音がした。


「村長、勇者さま方。失礼します。妖精シャイニープリンセス様と

その娘、ライトニー様がお話ししたいことがあるそうです。」


「わかった、入ってよいぞ。」


...そんなわけでシャイニープリンセスとライトニーがやってきた。


「みんなおはよう!

みんなと私たちの住む森の様子を見に行ってて...遅くなっちゃった。」

ライトニーが説明する。


「おはようございます、ライトニーさん。私たちもちょうどさっき

朝食を頂いたところですよ。」


えっ、朝食ー?!と思った以上に食いつくライトニー。

その様子を見たイントが笑って話しかける。


「わかったわかった。2人にも作ってあげる。皿は、これくらいでいいかな?」


やったぁ、と喜ぶライトニー。嬉しそうにそれを眺めている

シャイニープリンセスであった。


「さて...それで、私のほうからは我々の住処である森を汚染から守ってくれた

お礼、ライトニーのほうからはまた別で言いたいことがあるみたい。」


そう言って自分と同じくらいの大きさの袋の中から

笛を取り出すシャイニープリンセス。


「これは我々妖精族に伝わるフェアリーの笛よ。

これがあればいつでも私たちを呼ぶことができるからね。」


そうしてフィアラに笛を渡すシャイニープリンセス。


「い、いいんですか...?あなたたちは森でのんびりと...」


「森を救ってくれたお礼よ。魔王討伐には私たちも協力させてもらうわ。

だから困ったら遠慮なく呼んで。それに...」


そのままライトニーのほうを向いて話を続ける。


「...それに、ライトニーもすっかり

あなたたちになついたみたいだし...ねっ?」


フィアラの手に笛を置き、バーランドとリアンのほうへと飛んでいった。


「さてと、私は用事終わったわよ?

朝食とやらを食べてもう帰っちゃおうかしら!」


シャイニープリンセスはそう伝えると、今度はライトニーが

みんなの前にやってきた。


「みんな、聞いて。本当はもっと早く伝えるべきだったんだけど...

実は今、勇者であるディエルはさらわれてるの!!」


...はい?、と場の空気が止まる。


「おお、そうじゃ。わしも今、

その話をしようと思っていたところだったんじゃ。」


村長の発言にますます何も言えない。


「ディ...ディエルがさらわれた...?待ってよ、だから今

ここにいないっていうわけ...?」


バーランドが確認するように問う。


「そうみたいじゃ。といっても、それを見たのは

この妖精さんしかいないのじゃがな。」


みんなの視線がライトニーに移る。


「な、なによっ!私だってアイツのこと、ちゃんと変なマネしないように

見張っていたわよっ!」


それを超えてさらわれてしまったのだからな...

すると今度はリアンが問う。


「そ、それはどれくらい前なのか覚えてます...?」


「んー、確か、リアンたちが地上に戻ってくる2、3時間前だったかしら...」


「お昼の12時30分頃ですね。」


突然、料理を持ったまま話を聞いていたイントが話に加わる。


「す、すみません...そのときちょうど昼食の準備をしていたもので...」

料理のときは何かと時間を確認することが多いからな。


「...それで、さらわれたときに何か言い残していったりはしていないわけ?」

バーランドがライトニーに問う。


「いや、何も...あ、ただ、そいつのこと、ディエルは

エビ...フィレオ...?って言ってたわね!」


「エビ...フィレオ...?」

ますます謎が深まるバーランド。


「あ、もしかしてフィレッチェさんのこと、ですかね...?」

フィアラよりも先に勘づくリアン。


「そういえばここに来る前、森で会ったって言ってたわね。

そこに行ってみれば何か手がかりがあるかも...?」


「えー、でもあの森は、もう焼け野原になったところを...」


「今さら戻るのが嫌だっていうの、バーランド?

今はそれしか手がかりがないから行くしかないじゃない...!」


...そんなこんなで先へ進む前にいちどあの森へ戻ることになった

フィアラ一行。


果たして、無事ディエルやフィレッチェと合流することはできるのだろうか...


続く...


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ