#16 廃坑探索
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#16 廃坑探索
魔王討伐に向け、道中にあるコールの村を訪れたディエル一行。
大気汚染から村を救うため、廃坑の中へと向かうフィアラとリアン。
ライトニーが綺麗にしてくれたマスクを装備し
さっそく廃坑の中へと入ってゆく。
「...大丈夫?リアン...」
「ええ、大丈夫...」
廃坑へ向かう道には途中までしか松明が設置されていなかった。
「ライト。」
ピカッ...
松明がなくなった道の先へと進む。
「...まずいわ、魔物の気配がする...」
フィアラが警戒するよう、リアンに伝える。
「ゴゴゴー!!」
するとその矢先、人間の形をした岩が襲い掛かってきた。
リアンがその魔物を蹴り飛ばす。
「やーーあ!!」
ゴゴ、ゴロゴロゴロ...
ガラガラガラ...
すぐに倒したが、次の魔物が襲い掛かる。
「ゴゴゴー!!」
ゴゴ、ゴロゴロゴロ...
ガラガラガラ...
---「ゴゴゴー!!」
倒しても倒しても湧いてくる人間形の岩。
「待って、きりがないわ...!」
フィアラも参戦したいのだが、ライトを使っていて他の魔法が使えない。
...するとそのストーンドールの出所について突き止めたフィアラ。
「リアン!あの穴を塞いで!!奴らはそこから生成されているわ!!」
わかった、と言って
襲ってくるストーンドール同士を衝突させながら
ストーンドールの出てくる穴へ向かうリアン。
近くにあった大きな岩で穴を塞ぐ。
「おおおおおお....!」
ズドーン....!
襲ってきたストーンドールたちはお互いにぶつかり合い、既に全滅していた。
そして再び襲ってくることはなかった。
「ハア、ハア...」
ひとりで戦い抜いたリアン。
マスクを付けていることもありさすがに疲労していた。
「さすがねリアン。はいこれ、癒しのポーション。」
そう言ってリアンに癒しのポーションを渡す。しかし...
「ど、どうやって使えというの...」
今は使うことができなかった。
---
少し休んだあと、さらに廃坑の奥へと進んでいく2人。
すると廃坑から外れた道に、自然の洞窟が広がっているのが見えた。
その洞窟には綺麗に輝く池がある。
「あれっ...ここは...」
とても廃坑の中とは思えない。
近づいてみると、なんとその池の周辺には煙が届いていなかった。
「待って!この空間だけ煙がない...!」
えっ、と驚いてマスクを外すフィアラ。本当に煙のない綺麗な空間だった。
「はー、助かった...久しぶりにちゃんと息が吸えるよー...」
この隙にさっきフィアラからもらった癒しのポーションを飲むリアン。
「...しかし何なのでしょうね、この空間は...」
フィアラが呟くと、
「...アンタたち何なの?勝手に入ってきて...」
ライトニーにそっくりな妖精が2人の前に現れていた。
「はわわっ!よ、妖精さん...?!」
「そうよ、私は妖精、シャイニープリンセス。」
そう言って飛び回るシャイニープリンセス。
「へえ...こんな廃坑の奥にも妖精が...」
そう言って地面に腰をおろすフィアラ。
「何よ、その言い方は...!まるではじめてではないみたいな...!」
「ええ、はじめてではないからね。」
何...と驚くシャイニープリンセス。
「...それはそうと、私たちこの廃坑の中から出てくる煙を止めるために
地上からやってきたんだけど...」
フィアラが事情を説明すると、
「奇遇ね。私もそうなのよ。」
シャイニープリンセスも同じだった。
「まあ、でしょうね...」
そう言って一呼吸置くフィアラ。
「あ、あの...ここにはひとりで来たんですか...?」
今度はリアンが質問する。
「そうね。仲間たちを危険な目に合わせるわけにいかないからね!」
それを聞いてベルデの町を出るときのことを思い出す2人。
...?、と不思議そうにしているシャイニープリンセス。
「...だけど私もさっきここまで来たばかりなのよ。
ちょうど地下水があって助かった...」
池を眺めながらそう呟くシャイニープリンセス。
「...それで、どうやってここまで来たのですか...?」
続けて質問するリアン。
「ありったけのフェアリーウォーターを使ったのよ。
私の結界には煙が入って来ないけど、短時間しか効果がないから...」
フェアリーウォーターは妖精にしか効果がない聖なる水。
結界や魔法の効果を一時的に長くしたり範囲を広くしたりできる。
「ということは...この空間は、あなたの結界なのですね。」
ええ、と頷くシャイニープリンセス。
すると少しずつだが結界の空間が小さくなっているように見えた。
「あ、あの...この結界、小さくなっていってません?」
「ありゃあ、もう水の魔力をすべて抜き取ったみたい...」
そうして池の水を確認するシャイニープリンセス。
「私たち妖精は水に含まれる微量の魔力をエネルギーに変えて
魔法を使ったり結界を張ったりするの。
だから結界が小さくなっているってことは、水の魔力が尽きたってこと...」
段々小さくなっていくのが早くなってきてしまった。
フィアラは小さくなっていく結界を見て、
「どうやら時間がないみたいね。
さっさと煙を止めて、こんなところから脱出するわよ!」
そのままマスクを付けて廃坑の奥へと向かった。
リアンもそれに続く。
「...まあ、私ひとりなら、あと数時間くらいは持つだろうけど。」
2人が結界を出たことにより、小さくなっていくスピードが少し遅くなる結界。
急いでフィアラとリアンを追った。
---
廃坑の最深部。もくもくと煙が出ている機械を発見した。
「ああ、この機械が原因だったの...」
そう言ってスイッチを押そうとするがどこにも見当たらない。
「電源は...ない、かな?機械ならその辺にコードが...」
リアンは電源を探すがやはり見当たらない。
ということは...
「...待って。あっちから微かに魔力を感じる!」
シャイニープリンセスが壁の向こうを指す。
さっそくその辺りに行ってみるフィアラ。
「...本当だ、よくわかったわね、シャイニー。」
そう言って感心する。
「私はシャイニープリンセス!勝手に略さないでもらえる?!」
とは言っても毎回シャイニープリンセスと呼ぶのは長すぎるかな...。
...そうしてリアンがその壁をぶち壊すと、中から強力な魔物の気配がした。
「...おやおやおや。この暗黒魔法使い、
ブラックウィッチ様の隠し部屋が分かるとは...」
ブラックウィッチは驚きもせず魔法で機械を動かしている。
「それほどまでに早く眠りたかったのですか。
ならば私が直々に眠らせてあげましょう...そう、永遠にね!!」
ガガガガガ...!!
その瞬間、物凄い魔力の力を感じとったフィアラたち。
果たしてフィアラたちは、無事にブラックウィッチを討伐することが
できるのであろうか...!
続く...
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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