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#12 燃える勇者さま

~ルルン~

20代くらいの青年。

イラスト、アニメ、ゲームが趣味。


文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。

小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。

#12 燃える勇者さま


魔王討伐に向けてベルデの町を出発したディエルたち。

次の村が見え始めた頃、丘の先の崖に荷物を(故意に)落としてしまうディエル。

それに怒ったフィアラがディエルをその崖から突き落とす。

崖の下に転落してしまったディエルなのであった...


「いてててて...」


20メートルはあろう崖から、背中を下にして落ちたのにもかかわらず

軽傷で済んだディエル。


「あがっつ、いっててて...」

しかしなかなか立ち上がれず、苦しみ転がっている。

すると、


「おや、勇者さまではないか?!」

聞き覚えのある声がしたかと思うと、こちらへ近づいてきた。


「大丈夫ですか...?それっ...」


彼は優しくディエルの背中を撫でる。

するとすぐに立ち上がれるようになった。


「ああ、助かった。」

笑顔でそう伝えるディエル。

しかし彼は、この森に先回りをしていたダークネス・フィレッチェだった。


[...なんで勇者がひとりでここに...?

まあいい。位置情報の魔法を付与したから、一旦様子を見ることにするか...]


「...しかしこんなところで出会うとは...奇遇ですね、勇者さま。」


ディエルに話かけると、...?と顔をしかめる。


「ど、どうかしました、か...?」


「お前...誰だっけ。」


ズッコーン!と思わずこけてしまうダークネス・フィレッチェ。


「フィレッチェですよ、フィレマミア王国の賢者フィレッチェ!」


「ああ、エビフィレオか。」


またまた名前を変換されるフィレッチェ。


「た、多分そう、ですね...」

とりあえず受け入れておいた。


[ふっ...こんなところでひとり勇者と一緒になれるなんてついてるぜ...!

予定よりは早かったけど、不意をついて一気にけりをつければ...勝てる...!!]


「そ、そうだ...なんで勇者さまがこんなところにいるのか知りたいので、

ちょっとそこの小屋で話を聞かせてくれません?」


「ああ、いいぜ。」


何の警戒心もなく案内される小屋に向かうディエル。


そして森の中の小さな小屋に入った。


すると...


ガチャン...


扉が閉まり、威圧的な態度に変わるダークネス・フィレッチェ。


「ヒャーハハハハハ!なんて愚かな勇者さまなんだ!ここがなんなのかも知らず

まんまと引っかかるとはな!」


ダークネス・フィレッチェが手を広げると、外の森の中から大きな音がした。


「...エビフィレオ?すごいな、お前。

そんな悪者みたいな変身魔法も使えるのか!」


戦うどころかダークネス・フィレッチェの魔法に感激しているディエル。


「ば、バカにしているのか!!

まあいい。そうやっておちょくれるのも今のうち...

いでよ!ダークネスバーバリアン!!」


突然、ドカドカと小屋を突き破ってくるダークネスバーバリアン。


「ヒャハハハハハ!さあ大人しくその首をここに捧げるのだ!やれ!!」


「ウオーッ!!」


ダークネスバーバリアンたちはディエルに殴り掛かる。


「あぎゃっ、いたたたた...!」


武器や装備はまだ丘の上から落としたまま拾っておらず、

素手と軽装備のみで攻撃を受ける。


「あ、アルティメットシャイニングスター!」

ズゴゴゴゴ....!


この状態で究極魔法を唱える。


「我が闇よ、打ち消せ!マジックシール!!」


ドゴーン!!


アルティメットシャイニーングスターの魔法が発動するよりも先に

マジックシールでかき消されてしまった。


「ふぁ、ファイアー!!」


ゴオオ..


ちなみにこのマジックシールは継続効果はなく、使い切りである。

最上級魔法、アルティメットシールならば継続効果を得られるのだが。


「ふん、そんな低級魔法でダークネスバーバリアンを倒せるとでも?」

しかしここは小屋の中。

小屋ということはそう、木材でできているのである。


ゴオオオオ!!


火のついた小屋はすぐに大きな炎をまとう。


「なるほど。自らも犠牲にしてこの森ごと燃やし尽くすつもりか...」


「あち、あちちちち!!」

というよりただ、自滅しているだけだった。


一方、ディエルを崖から突き落としたフィアラたちは...


--------------


「ね、ねえ...さすがに崖から突き落とすのはやりすぎじゃない...?」

バーランドが不安そうに言う。


「あれくらい平気。だってフィレッチェの魔法を

直で喰らっても大丈夫だったのよ?」


「それはそうかもだけど...!!」

するとその話を聞いていたリアンが次のように問う。


「え、えっと...フィレッチェって一体...?」


フィレッチェのことを知らないリアンとライトニー(妖精)のために

簡単に説明してあげるフィアラとバーランド。


--------------

「...なるほどねー。それなら本当は、

今も一緒に旅をしているはずだったのね。」

ライトニーが納得する。


「あれから音沙汰ないんだけど、どうしているのかしら...」

フィアラがそう言って森の中を進んでいると、


ゴオオオオ!!


「な、なに?!」

突然森の奥から大きな炎が上がっているのが見えた...


---「ヒャハハハハハ!馬鹿だぜこいつは!森ごと火事にして

自分まで焼き尽くしやがった!」


火は森へと移り、大規模な山火事へと変わる。


「さてと、奴の身体が灰になる前に回収回収っと...」

そう思って小屋に近づいたとき、


「ディエルー?!」


遠くからディエルを呼ぶ声がした。


「チッ、近くに仲間がいたのかよぉっ!!」

そう言ってダークネス・フィレッチェはこの場を去っていった。

そしてすれ違うようにフィアラたちがやってくる。


「大地よ、水よ!我が天に恵の雨を!アラージアマウントオブレイン!!」


ザーー!!


フィアラの水魔法によって森は雨で満たされる。

すぐに燃えていた火は消えた。


パチャパチャ...


「もう、なにしてるのディエル?!」

自分で落としたくせにいちばん心配しているフィアラ。


「ありゃりゃ、めちゃくちゃだねえ...」

バーランドは森のほうを気にしている。

するとライトニーが、


「これくらいなら元に戻せるわ。」

そう言って次のように唱える。


「...森よ、生命(いのち)を満たしたまえ...レスタウラツィオーン」


ゴゴゴゴ...


見る見るうちに木々が生え、元の森と同じようになった。


「さすがに小屋は建て直せないけどね。森だけなら平気!」


「す、すごーい、妖精の魔法なんて私はじめて見た...!」

リアンもライトニーの魔法に驚いている。


「ちょっとみんな?!ディエルは...!」

森が復活した音で、気絶していたディエルが目を覚ます。


「...?」


何も言わず、こちらを見つめるディエルに思わず照れてしまうフィアラ。


「さ、さっきは悪かったわね...崖に、落としたり...して...」

気恥ずかしさと申し訳なさで段々と声が小さくなってゆく。


「あれ...フィレオは...?」

えっ、と驚くフィアラとバーランド。


「フィ...フィレッチェに会ったの?!」

フィレオという呼び名になっていることには誰もツッコまなかった。


「まあその話も気になるけど、夕方になっちゃう前に

最後のキャンプ地まで進みましょう。」


森の中腹には冒険者のための小さなキャンプ地がある。

そこまで行ければ翌日には村まで行くことができるであろう。

そんなわけでみんなは一度森の中腹まで向かった。

...途中、ディエルが落とした荷物を拾って。。。


--------------


4日目、夕方。


「キャンプ地についたー!」

これでひと安心と言わんばかりに叫ぶバーランド。

果たして明日には無事、村へたどり着くことができるのだろうか...


続く...


はじめまして、ルルンです。


クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。

気軽に反応を頂けると嬉しいです。


少しでも楽しんでいただける作品を目指していきます、

どうかよろしくお願いいたします!

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