#10 新しい森の主
~ルルン~
20代くらいの青年。
イラスト、アニメ、ゲームが趣味。
文章は丁寧に書き込むけど遠回りな表現は苦手。
小説の腕はアマチュアなので、優しく見守ってね。
#10 新しい森の主
ベルデの町でリアンを仲間にし、
魔王討伐に向けて次の村を目指すディエルたち。
その道中にある森を抜け、まだ森の中で戦うフィアラとリアンを待つ
ディエルとバーランド。
しかし、その森の中からはとても大きな魔物の音がした...
「ドオオオ!!」
突然現れた、巨大ゴーレム。
シルバーウルフたちも驚いて逃げ出していく。
「ちょっと、嘘でしょ...?」
リアンはシルバーウルフたちを蹴散らして体力を消耗していた。
「ドオオオ!!」
ゴーレムはそんなリアンめがけて容赦なく襲い掛かる。
シュッ!
さすがの身のこなし。
ゴーレムの大きな拳を素早くかわしていく。
その隙にフィアラが魔法を唱える。
「大地よ、水よ!我が天に氷の雨を!アイスレイン!!」
キラキラキラ...ゴゴゴゴゴ!!
「ドオオオ!!」
氷によってゴーレムの身動きを封じるフィアラ。
パキ、パキパキ...
「私の氷魔法ではこれが限界よ、今のうちに攻撃を...」
ドカーン!!
氷を突き破り、そのままフィアラを突き飛ばしてしまった。
「フィアラ!!」
突き飛ばされたフィアラを、バーランドが救う。
「フィアラ、しっかりして!」
息はあるようだが、気絶している。
「よくも私のフィアラを...!」
リアンが大きな力を溜め、ゴーレムに襲い掛かる。
「だあーーっ!!」
「ウドオオオ!!」
バコーン!!
ゴーレムは横たわったが、まだ起き上がる。
「ディエル、フィアラを任せたわよ!」
バーランドが立ち上がる。
「俺も行く!!」
速攻でフィアラはひとりにされてしまった。
「ドオオ、ウドオオオ!!」
再びリアンを狙うゴーレム。
その隙に、バーランドの大きな剣でゴーレムを切り裂く。
「オオオオオ?!ウドオオオ!!」
足を切断され、バランスを崩すゴーレム。
そのまま倒れ込んだ。
ドゴーン!!
「ウ、ドオオオ...!!」
そして最後にゴーレムの体めがけてディエルの剣が突き刺さる。
「ド、ウドオオオ...!!!!」
ドガーン!!
シュウウ...
パカッ...
「お宝、ゲットだぜ!!」
機能を停止したゴーレムの体から、
魔力の岩というドロップアイテムを手に入れる。
「やれやれ、リアンがいてくれて助かったわね...ありがとう。」
バーランドがリアンにお礼を言う。
「そ、それで、フィアラは...!」
フィアラの心配をしているリアン。
フィアラはというと、目を覚まして横になっていた。
「わ、私は大丈夫だから...リアン...」
するとすぐにフィアラの手を握るリアン。
気がつけば外はすっかり夕暮れになっていた。
「...2人は休んでて。今日はこのままここで休むことにするから...」
そう言って森を抜け、近くの岩場までフィアラを運ぶバーランド。
ディエルとバーランドで火おこしの準備をしていった。
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2日目、夜。
小さな焚き火を囲み、持ってきたパンなどを分け合う。
「ディエル。わかってると思うけど、
ひとりで全部食べちゃダメだからね...ゴホッゴホッ...」
まだ完全ではないフィアラに気を遣わせる最低勇者。
「フィ、フィアラ...無理したらダメよ...」
リアンが心配する。
「うーん、なんか物足りないなー。
お菓子食べていい?」
「さっき食べ過ぎるな、って注意したばかりでしょ、っ...!」
まったく困った勇者だ...
「こらー!フィアラに余計な心配かけたらダメじゃない!
それくらい考えよね!!」
「考えて行動した結界、食べていいか聞いたんだろう?!」
ああ、もう!と頭を抱えるバーランド。
結局お菓子を一つだけ食べていた。
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みんなが寝静まったその日の夜...
「フフフフフ...なかなかやりますねえ、この虫けらども...
今すぐにでも叩きのめしてやりたいところですが
こいつの力は昼でないと発揮できない...
まあいずれにしても消えてもらいますがね、ヒャーハハハハハ....!」
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3日目、朝。
当初の予定では今日の昼には着くはずだったが、
草原での足止めやゴーレムの出現などによりようやく半分を過ぎた頃だった。
「ゴクゴク...ぷはー、うめー!」
今日も今日とて持って来た大きめの水筒と付属するコップで水を飲んでいる俺。
「だ、か、らー!それは!」
またまたバーランドに怒られる。
「大丈夫大丈夫。もうすぐ村に着くだろ?」
本当に大丈夫なのだろうか...
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3日目、昼。
「ここで休憩しましょうか。」
すっかり元気になったフィアラ。
彼女の指示で広い草原の中で休むことになった。
「ねえ、あとどのくらいなの?フィアラ?」
バーランドが問う。
「そうねぇ...予定ではもう着く頃だったけど...」
「あ、待って...もう、水がない...!」
フィアラとバーランドが地図の確認をしている間、
水を飲もうとしたリアンがそう叫ぶ。
「あー、もう...だから言ったのにぃ...!」
バーランドが頭を抱える。
「なあ、あとどれくらいなんだ?」
唐突にディエルが問う。
「アンタのせい...ではないけど、予定より30時間ほど遅れてるんだって!
だからまだ...あと2日はかかると思ったほうがいいわ。」
「2日って...どれくらいだ?」
「ああ、もう...!」
再びバーランドが頭を抱える。
「それより私、喉が渇いたんだけど...」
リアンが水を求めている。
「...水なら向こうにあるじゃないか!」
そう言って道から外れた森のほうを指すディエル。
そこには綺麗な透明の滝と、森の中にピッタリの小さな湖があった。
「まあそこまで離れていないみたいだし、あと2日水がないのも厳しいわね...」
フィアラの許可も出た。
...そんなわけで森の中の湖までやってきた4人。
ついでに馬さんにも水浴びさせる。
「馬さんごめんねー、大丈夫だった?」
バーランドが馬さんを撫でる。
確かにここ最近、馬さんのことはほったらかしだった。
すると森の中から何かの気配がして、
「ここで何をしているの?!」
突然現れた小さな体の妖精に声をかけられたのであった...
続く...
はじめまして、ルルンです。
クスッと笑える作品を作りたくて文章を書きはじめました。
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