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小学生時代、丑三つ時の記憶

作者: 鈴波 ニナ

これからお話しするのはわたしが実際に体験したちょっと怖い話、いわゆるほんこわというやつです。一応ホラー短編集を別に投稿しており、順次作品を増やしているのですがフィクションとは区別しておいた方がいいかな~、とおもいこのような形で投稿することにしました。リアルの話であるため少し地味でこれといったオチもありませんが楽しんでいただければ幸いです。


皆様は少し前に流行った子どものしつけ用のアプリを覚えていますか?簡単にいうと鬼から電話がかかってきて言うことを聞かない子どもをかわりに叱ってくれる、というやつです。今もあるのかな。

最初は当時幼かったわたしはそりゃあもう怖がっていましたが小学校高学年くらいになるとある程度知恵もついてきてああ、通話ボタン風のボタンをタップするとあらかじめ収録された音が鳴って親はそれに答えるマネをしていたんだな、って分かるようになったんです。そこで生意気なことにわたしは親のスマートフォンを借りてそれで遊びはじめたんです。いくつか状況に応じた音声が収録されてたのでどんなのがあるのかな~、と聞いてみたり電話の声に対して面白おかしく答えてやろうと張り切ったりして自分なりに楽しんでいました。


そんな新しい遊びを発見して数日後の夜の事でした。真夜中に目が覚めました。時計を見てああ、丑三つ時だ、本で読んだことがあるぞ、と思っていた記憶があるのでそのくらいの時間だったのでしょう。横を見ると両親と弟はもちろん寝ています。わたしはなんとなく眠れなくてしばらくぼーっとしていました。するとなにやら音が聞こえるのです。よくよく聞くとあのわたしが遊んでいたアプリの音です。最初はまぁ電話をかけてから数時間後に音声を再生させるなんていくらでもできるでしょ、と思っていましたがそれはよくよく考えると変です。もともとはしつけのために作られたアプリなのですからそんな数時間後にかかってきても本来の目的は達成できないはずです。

さらに音が聞こえてくる位置もなんだか変です。私達の寝室は2階にあって親は寝るときにはスマートフォンを一階のリビングで充電しています。その日も確かに寝る前にいつものところに親のスマートフォンは置いてありました。しかしそのスマートフォンの音はリビングと寝室の丁度中間、階段のほうから聞こえてくるのです。子どもながらにこっちに「来ている」、そう思いました。音はどんどん大きくなっていきます。その後はもう恐ろしくなって布団を頭まですっぽりとかぶって朝が来るのを祈るばかりでした。

親のスマートフォンを持ってこちらに来る何かがいたのか、あの電話にもし答えてしまっていたらどうなっていたのか、今となってはわかりません。ただ、その後わたしは親に泣きついてそのアプリをアンインストールしてもらいました。

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