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代表作 エッセイ

とっても簡単! 麻婆豆腐

 私の周りの人はどうやら麻婆豆腐とは凝った料理だと思っているふしがある。


 確かに、素材にこだわり、ちゃんと豆鼓を使い、なんだかんだ私のよくわからないこだわりを駆使するなら、そういう料理であるのかもしれない。


 しかし、簡単に作ろうと思うなら、これほど簡単な料理もないのである!


「今日は簡単に麻婆豆腐でいっかぁ〜」という呟きは、私にとって当たり前にも程がありすぎるほどのものである。


 きっと料理好きな皆様はこんなことは既にご存知だと思うので、このエッセイは料理が苦手だという方にこそ読んでいただきたい。




 麻婆豆腐はほぼインスタント感覚で作れる。

 しかも美味しい。

 しかも一度に大量に作れる。

 ごはんにかけたり、中華麺にかけたり、夏の余ったそうめんにかけたりしてもいいので、少なくとも私は「また麻婆かよ」みたいに飽きることがない。

 ちなみに私はこれがカレーだと飽きるタイプだ。


 しかも作り方を覚えておくと麻婆茄子や麻婆春雨など、応用が効く。

 こんな便利なものがこんなに簡単に作れてしまっていいのかよと思ってしまったりもする。



 さて、麻婆豆腐を作るのに何が何でも必要なものは、たったの3つである。


 豆腐、挽肉、そして豆板醤だ。


 これ以外にあったほうがいいものとしてはニンニク系の何か、鶏ガラスープ、ネギ等であるが、なければこれらは代用が利く。


 豆腐、挽肉、豆板醤だけは代用が利かないので、何が何でも必要なのだ。




 さて、では、この炎の簡単料理人であり謎の中国人、シー・ココが作り方を伝授いたそう。


 生のニンニクを使うならまずフライパンに火をつける前に油をひき、そこに微塵切りなり細切りにしたニンニクを入れるのだが、

 簡単にするため今回はチューブの生おろしにんにくを使う。この場合、ニンニクを入れるのは後でいい。しかも言うなら、チューブの生おろしにんにくがなければ買って来る必要もなく、焼肉のタレ等、他のもので代用してもよい。


 さあ、では調理を始めよう。

 フライパンに火をつける。

 油をひき、熱くなったら、そこに豆板醤をぶち込み、炒めるのだ。


 麻婆豆腐を作るにおいて、最も重要なのがここと、一番最後のほうの片栗粉投入である。

 ここをミスったらその麻婆豆腐は失敗作確定であるので、豆板醤を炒める際には最も集中し、気を抜かぬようになッ!


 豆板醤を油に絡め、炒めていると、鼻を刺す香りが立ち昇って来る。

 これが充分に出ていないうちに挽肉を投入すると、そこでThe End である。辛味も香りもない、のっぺらぼうの如き麻婆豆腐もどきが出来ることが確定してしまう。

 逆に香りを出しすぎると焦げた匂いのするゴミの如き麻婆豆腐しか未来に見出だせなくなる。

 その中間を狙うのである。鼻を刺す香りが立ち昇り始めてから、素早く5回菜箸で混ぜた後、そこに挽肉を叩き込むのが私のやり方だ。


 ここさえ成功したら、味に関しては確約されたも同然。ニヤリとほくそ笑んで構わない。


 挽肉はしっかり火が通るまで炒める。合い挽きでもよいが、私の好みとしては豚ミンチだ。コロコロした食感に仕上がるので面白いからでもあるが、一番の理由としては私が好きだからである。


 挽肉にしっかり火が通ったら水なりお湯なりを挽肉が浸かりきるほどの量を加え、鶏ガラスープの素を小さじ一杯入れる。挽肉を何グラム使おうと、鶏ガラスープの素は小さじ一杯だ。理由は聞かぬように。(←

 鶏ガラスープがなければ何でもいい。中華だしでも、○ちゃんのやきそば弁当についているスープでも。ラーメンスープが余っていればそれでもいいし、鶏肉を煮込んだ余り汁があればそれに塩コショウをすればイケる。

 何もなければなくてもいい。豆板醤さえあれば麻婆豆腐の味になるからだ。


 鶏ガラスープを入れたら、チューブのおろしにんにくを好みの量投入し、あとはお好みで好きな調味料を入れる。お勧めはオイスターソース、焼肉のタレ、醤油あたりだが、まぁ豆板醤さえあれば何を入れても麻婆豆腐にはなるので、こだわる必要はない。テキトーでいい。ちなみに焼肉のタレを使う場合、コイツにニンニクが入っているのでにんにくすら要らない。


 沸騰したら豆腐を投入する。昔は私は賽の目に切って入れていたが、そのうち気づいた。切る必要などはまったくなく、そのまんまの四角い形で投入すればいいということに。

 3回だけ包丁を入れれば煮込み時間を多少短縮できるが、包丁を洗うのが面倒臭いので私はまんまぶち込む。ここまで包丁を使うものがなかったのだ。なぜ豆腐ごときを切るためにのみ包丁を使い、洗わねばならんのか。それではインスタント感覚で作れることにはならぬッ!

 豆腐は柔らかい。煮込みながら菜箸で切れる。最後にオタマで混ぜる時にどうせ崩れるので、切る必要などないのだ。


 豆腐に火が通ったら、一旦火を止める。片栗粉を水で溶いたものを回し入れ、とろ火にかけて、とろみをつける。

 前述した通り、ここが第2の山場である。失敗すると片栗粉がダマになったり、まったくとろみのないシャバシャバな麻婆豆腐になってしまう。

 ダマはまだ面白いからいい。シャバシャバだけは避けたい。

 そのためには片栗粉をどんぶりに入れる際(どんぶりに入れて水で溶こう。そのままそのどんぶりで麻婆豆腐を食べられる)、フライパンの中の麻婆豆腐とどんぶりの中の片栗粉を見比べて、イメージするのだ。何と言おうか、ココアを作る時の粉とお湯の割合に似ている。このへんは何度も失敗して慣れるしかない。まぁ、私が言えることとしては、少ないよりは多すぎてぷるんぷるんになったほうがまだマシということぐらいだ。


 片栗粉を溶いたものを入れて、オタマでかき混ぜればとろみがついて、豆腐もいい具合に崩れる。これで完成である。

 好みでここにネギを入れてもいいし、ネギなんか後から薬味として加えてもよい。山椒をかけるなり、流行りの花椒でピリピリさせるなり、後は人それぞれ好み次第だ。


 ここまで調理時間は大体5分ぐらいである。


 文章はやたら長くなってしまったが!


 おさらいしよう。

 ついでにどれだけ簡単な料理であるかも証明しよう。


 フライパンに火をつけたら、油をひいて、豆板醤を炒める。

 挽肉を炒め、水を張り、スープなりテキトーな調味料で味つけをする。

 沸騰したら豆腐をそのまま入れ、煮ながら菜箸で崩す。

 豆腐に火が通ったら火を一旦止め、片栗水でとろみをつける。


 もっと簡単に言おう。


 豆板醤を炒めたら挽肉を入れ、水を張ってテキトーに味をつけ、沸騰するまで洗い物でもスマホゲームでも好きなことをする。

 沸騰したら豆腐を入れ、洗い物でもスマホゲームでも好きなことをする。たまに豆腐をいじくれば勝手に崩れてくれる。

 豆腐が柔らかくなったら片栗水を回し入れ、とろみをつけて終わり。


 はっきり言おう。インスタントラーメンを作るより簡単だ。


 ちなみにネットで見かけた最も簡単な作り方は鶏ガラスープと焼肉のタレのみで作る方法だが、私がやってみたところ、これは美味しくなかった。麻婆豆腐というより焼肉のタレ味煮込み豆腐になってしまった。


 やはり豆板醤は絶対に必要なのである。

 豆板醤さえあれば、麻婆豆腐になるのだ!


 私がここで紹介したのはあくまでも『簡単に麻婆豆腐を作る方法』であり、美味しく作る方法は別にある。ただ、私は本格的に豆鼓なども使って作ってみたことがあるが、正直簡単に作ったやつとそこまでは変わらない。


 美味しくて、簡単。これこそ至高の家庭料理ではなかろうか。


 文章では伝えきれなかったように思うが、本当に簡単なので、是非作ってみてニャー







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― 新着の感想 ―
[良い点] 納得! 自分もよく作ります。 そうなのですか、切らずに菜箸で。 なるほど。包丁要らずの簡単料理ですね! 逆にこれ以上の、楽な料理はあまりなさそう!
[一言] あれ……この人、ガチの料理人じゃね? 最近、なぜかライバル心が芽生えてきたたらこ。 ううむ、負けてられない!
[良い点] 深夜に見ちゃいけないやつだった……。お腹空いたよう。食べたくなったよう(/ω\)。麻婆豆腐の素でしか作った事ないけどね……笑。でも、読んでみて作ってみようかなと思えたのは奇跡だと思う。なん…
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