桜と流れる水の如く
桜(山下 桜 やました さくら)と自己紹介を済ませた僕(神野 陽 かみの ひなた)
早速次の日に呼ばれるのだった……
今日は猛暑日になると朝のニュースを見ている時桜から今日は川に行くからコンビニ集合という連絡が来た
「いきなり川って……」
そう呟きながら正直心の中では桜の水着を見ることが出来るのでは?とワクワクしたしながら水着の準備を済ませ自転車で颯爽と走り出した
コンビニに着いた時には桜は仁王立ちで待っていた
「遅い!」
「これでも早く来たんだけど……」
怒られながら早く水着を早くみたい感情をバレないように必死に押さえつけた
「早く行くよ!」
と桜は川とは別方向に自転車で走り出した
「ちょっと待ってよ!川はそっちじゃないよ!」
と停めようとしても桜は止まらず走っていった
僕は見失わないように着いていくのだった
到着したのは駅
僕はポカーンとしていると桜から切符を渡された
「早くしないと電車が出ちゃう!」
そう言いながら駅にダッシュした桜をまた追いかける
追いかけながら切符を見ると波川駅
「まじか……」
まさかの高知県の仁淀川まで行こうとしていた
停めようとしてももう遅い電車は出発してしまった
もう諦めた……桜を見るとやってやった見たいな顔でニヤニヤしていた
やはり可愛かった
波川駅に着くまで約3時間僕は桜に理想の溺死やどんな死に方が綺麗だと思うかなど話された
かなりリアルに話をするのでとてもグロッキーになってしまった
桜曰く、溺死は静かにうつ伏せで流されて行くのが良いらしい
桜はとても目がキラキラとしていた
波川駅に着くととても綺麗な仁淀ブルーを見ることが出来た
それを見ると僕達はワクワクしてしまい一直線に向かって仁淀川をとても楽しんだ
正直川遊びはこんなに楽しいものだとは思っていなかったのでついついはしゃぎ過ぎてしまっていた
13時頃流石にお腹が空いたので近くの道の駅で弁当を買い川の近くで食べた
お腹が膨れたせいで少しうとうとしていると桜がいつの間にか隣から居なくなっており嫌な気がしてサーっと血の気が引いた
川を見ると彼女は電車の中で語ったように静かにうつ伏せで川を流されて行っている
今何秒うとうとしていた?自分の中で幾つも嫌な考えが浮かびながら全力でダッシュしつつ僕は川に飛び込んだ
トラックに轢かれそうになっていた時と同じように時間が伸びていく感覚に囚われる
何とか桜まで辿り着くと息をしていなかった
とてもさっきまでのうとうとしていた僕を殴り飛ばしたい!そんな気持ちでいっぱいだった
川岸まで辿り着くと学校で習った通りの応急処置をした
脈拍はある。よし。息はしていないから肩を何度も叩き桜を呼ぶ
「桜!桜!さくら!!!」
意識は戻らない
人工呼吸をするしかない
無我夢中で何回も何回も人工呼吸をしながら桜を呼んだその時、ゲホッっと桜は水を吐き息をし始めた
僕はホッとした瞬間涙が止まらなくなり久しぶりに大泣きした
少し落ち着いたら桜もだいぶ回復していて救急車を呼ぼうとしたら止められた
僕達は1時間ほど休憩して帰ることにした
休憩している間ほとんど会話をしなかった
僕はとても後悔していた
桜はとても怒っているようだった
1時間経って着替えて帰ろうとした時
「なんで陽君はそんなに必死に私を死なせないようにするの?」
桜から小さな声で聞いてきた
僕はこの気持ちを伝えると何故かもう会えなくなると思い「死にたがってる人を放置出来ないから。」とだけ伝えた
また帰りの電車の3時間はほとんどが沈黙だった
桜は少し変な咳をしていたが「今日は久しぶりに川で遊べて楽しかった。昔パパと来た以来だったから……。着いてきてくれてありがとう。」
そう言うとまた静かに何かを考えてしまった
宇多津駅に着くと僕達は「またね。」と言うと解散してしまった
帰っている最中も涙が溢れてきて大変だった
家に着くと母親は泣いている僕を見てびっくりしてどうしたのかものすごく聞いてきたが「疲れたから寝る。」とだけいいベットへ倒れ込んで枕に顔を疼くめまた少し泣いた
いつの間にか次の日の朝になっていた
朝、携帯の連絡で目が覚めた
「しばらく入院する」
とだけ書かれていた
僕は昨日のたった1日で桜が本当に死にたがっていて死のうとしている事を知った
溺死は辛いと聞くが桜の顔はしんどそうには見えなかったのがその証拠だった……
桜の本気を知った1日になりました。
今更ですがこの物語の舞台は香川県ですが出来れば四国の色んな所を回って行きたいです(笑)