表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

上履き忘れ・冬

作者: 車男

 今日は、12月のある週の月曜日。さやかは、友達と楽しそうに話しながら、小学校へ通っている。さやかは、小学4年生。フリースに分厚いコート、厚手のジーンズに薄いピンク色の、薄手の靴下に、スニーカーをはいている。この日の最高気温は-2℃と、とても寒い。靴箱につき、自分の靴箱を見たとき、さやかはあることにきづいた。

「あ、上履きこの前もって帰ったんだ!どうしよ、忘れた!」

「え~、今日すごく寒いよ!先生にスリッパ貸してっていったら?」

「いや、この学校、忘れても、スリッパ貸してくれないんだよ~。もう、靴下で過ごそう・・・。」

かくして、さやかの靴下生活が始まった。

真冬ということもあり、廊下の床はとても冷たい。さやかは、爪先立ちと普通に歩くのとを繰り返しながら、4階の自分の教室へ。途中で渡り廊下をわたったが、前日の雨で床がぬれていた。

「あ~、冷たい。足が凍りそう!」

途中で止まり、足の裏を見てみる。予想通り、すでに足型に黒くなってきている。はたいてみたが、汚れを吸っており、まったく効果がない。

 教室につき、友達と話をしていると、先生が来た。

「おはよ~う!今日は寒いな~。」

今日の時間割の確認と、出欠を取り、ホームルームを終える。1、2時間目は家庭科。家庭科室へ移動する。家庭科室は、旧校舎の2階。さやかの教室は新校舎にある。渡り廊下を通り、旧校舎へ。旧校舎の床は、よくお店で使われているような、タイル張り。もちろん、掃除をしても埃がどこからか出てくる。さやかの靴下はより黒くなっていく

家庭科室へ到着すると、たまたま先生と目が合ったさやかは、先生に、職員室から道具を持ってくるよう頼まれた。

「あ、はい。わかりました・・・。」

「さやかちゃん、一緒にいこ!」

再び濡れた渡り廊下を渡り、職員室へ行き、道具を持ってくる。

「もう、足がまた冷たい!」

靴下の裏は、もっと汚くなってきた。

家庭科ではミシンで刺繍をする、という授業をし、教室へ戻ってきた。次の授業は、国語。さやかは、普通に授業を終え、次は体育だ。

 女子は体育館の下にある、女子更衣室で着替えをする。更衣室へはまた違う渡り廊下を通るが、そこも雨で濡れていた。さやかは、爪先立ちで通ったが、やはり、濡れてしまった。

「うわ~、また濡れた!代えもってきたらよかったな~。」

「もう、脱いじゃえば?」

「いや、素足はちょっと・・・。」

体育館に着き、階段で地下の更衣室へ。階段も更衣室も、床はコンクリートのたたきで、ホコリもすごい。着替え終わり、体育が始まった。

 今日の体育は、バスケットボール。更衣室から体育館へあがり、まずは準備体操。その次に体育館を3週走り、いよいよゲームスタート。さやかはバスケの腕はなかなかよく、靴下で活発に走り回っている。体育はさやかの班の圧勝で終わり、再び更衣室で着替える。また靴下の裏を見てみると、体育館を走り回ったことで、土踏まずのところまで灰色になり、ほかのところは真っ黒。

「もうつかえないな~。帰りどうしよう・・・。」

 給食を終え、次は昼休みと掃除。昼休み、さやかはいつも友達と教室でおしゃべりをして過ごす。いすに正座して座っていたため、足の裏が丸見え。友達から、真っ黒だといわれ、恥ずかしがりながら、足を下ろした。昼休みも終わり、次は掃除。さやかの掃除場所は、理科室。しかしそこは、教室から遠く、水をつけたモップで掃除をする。また、旧校舎にあるため、ホコリがすごい。そんなことはかまわず、さやかは一生懸命掃除をし、靴下はぐしょぐしょ。気持ち悪く、冷たいと思いながらも、それを履き続けている。もう、足裏全体が真っ黒だ。

 5時間目は算数。眠気と戦いながら授業を終えた。つぎは、もうすぐ行われる、合宿の説明会。体育館に4年生全員を集めてだ。さやかも、足を震わせ、再び体育館へ。外はいつしか雨が降り出し、渡り廊下はまたびしょぬれ。もうさやかは気にせず、そのまま歩いていった。ながいながいせんせいの話が終わり、教室へ。やっと一日も終わりだ。帰りの挨拶をし、解散。さやかの学校は、今日はクラブはない。友達と靴箱へ行き、靴を履こうとしたところで、さやかは靴下は脱いでいこうか考えた。しかし、あまりの寒さに、無理そうだ。

「う~ん、靴の中が汚れるけど、寒いもんね。」

家に帰り着き、靴を脱ぎ、靴下の裏を見てみると、もうもとの色はわからず、真っ黒。脱いで見ると、素足にもごみがびっしり。さやかは、二度とこんなことがないように!と決心した。


おわり


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ