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カラス

作者: くろかぜ

公園のベンチに腰かけている。いつものだ。

昔の自分に戻れない悲しみから逃れたくて。

学校に通っている時、昼休みによくトランプで大富豪をやった。楽しかった。あの時の事が忘れられないのだ。

「君の番だよ」そう言って貰えないかと思ってしまう。もう一度あの時間をと思ってしまう。

でも戻れない。

年を取ってしまった。時間が流れたのだ。

夢にも破れた。ゲームクリエイターになる夢だ。

毎日ゲームのシナリオや設定を考え、イラストもかじってみた。

図書館へ通い、科学系の本や、推理小説、とんちのような本、心理学の本、様々な本を読んだ。知識の幅を広めるために。

でも今、実になっているものは何一つない。

ただ悔しくて、何ともやりきれない気持ちでいる。

ふと目線をあげると一羽のカラスがブランコを囲う柵に泊まっていた。そこは日陰になっていて涼んでいるらしい。リラックスしているのか時々翼を持ち上げていた。

なぜだろう、それを見ていたら撮影しようという気になり、暗い気持ちを忘れてしまった。

デジカメは充電が切れていたのでスマホを手に戻ったがいなくなっていた。

思えば私の人生はこうだった。

何をやってもうまくいかなかった。

そう思うと何とも言えず悲しかった。

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