第56話【オチ】
前回のあらすじ
雑木林の中で戦う二人
禍蜻蛉の素早い突きを躱す夢宮。
禍蜻蛉は夢宮よりも圧倒的に速いが動作がぎこちない。
それが思う様に攻撃が当たらない要因になっているのだ。
『チィ!!』
舌打ちをして夢宮の周りを跳ね回る禍蜻蛉、羽は未だに回復せず
周囲を跳ね回る事で夢宮を攪乱するつもりの様だ。
何度か攻撃をするも、躱されたりいなされたりして思ったような効果は出なかった。
反撃をされたがそちらも躱した、手詰まりになって来たのだった。
『くっそ・・・』
苛立ちを覚え始めた禍蜻蛉、ふざけんな、何故有能な小説家の自分が
こんな小説のイロハも知らない様な怪人に言いたい放題言われて殺せずに居るのだと。
『喰らえええ!!』
勝負に出た禍蜻蛉、後ろから思い切り突撃する。
ガキン!!と針が激突する!!
『良し当たった!!』
一気に血を吸いつくし・・・とそこまで考えた時点で禍蜻蛉の動きが止まった。
『・・・・・?』
血が吸えない、何故!?と困惑する禍蜻蛉。
実は夢宮は前方の攻撃に集中する為に後ろの外殻を分厚くして攻撃に備えていたのだった。
そして夢宮に針を掴まれる禍蜻蛉。
『う・・・わ!?』
そのまま持ち上げられる禍蜻蛉。
そして思い切り頭から地面に叩きつけられる!!
べきょ、と頭蓋が割れる音が響く。
『ぐ・・・がが・・・』
どさり、と倒れ込む禍蜻蛉、馬乗りになって剣を突き立てる夢宮。
『ま、待て!!』
禍蜻蛉の懇願を無視して剣を何度も突き刺す夢宮。
何度目かの刺突で禍蜻蛉は絶命し爆散したのだった。
雑木林は滅茶苦茶になり夢宮自身も吹き飛ばされたが無事だった。
翌日、禍蜻蛉は病室から突如行方不明になった事が報じられた。
禍蜻蛉のファンは嘆き悲しんだが、多くの人々に取っては左程重要なニュースでは無かった。
禍蜻蛉ファンクラブも人が離れて行った、元々ファンクラブの中心人物が死亡した為
求心力が落ちていたのだった。
その離れた人の中にはドリーマーと言う将来有望な少年も居たのだった。
禍蜻蛉の行方不明は禍蜻蛉が残した最大のミステリーと言われ
様々な考察がネット上に上がっては消えて行った、その中には禍蜻蛉が怪人だと言う
荒唐無稽な論も上がっていたが、陰謀論として消えて行った。
結局の所この話のオチは小説家とそのファンクラブの人々が消えたと言う事だけであった。
次回【岩】




