第143話【惨劇の跡】
前回のあらすじ
気絶してしまった夢宮
「う・・・ん・・・」
目を覚ます夢宮。
「・・・・・ここは」
目を覚ますとさっきのコンテナの中だった。
しかしそこには誰も居なかった。
「・・・逃げられたのか、 糞!!」
「逃げてねぇよ」
タオルを持って現れた拳銃男。
「!!」
「待て・・・もう戦うつもりは無い・・・」
拳銃男は土下座をした。
「頼む、 美鈴を止めてくれ」
「・・・は? さっきは守っていたのに止めてくれ? どういう事だ?」
「お前が気絶した後、 美鈴が暴れて仲間が俺以外全部喰われた」
「喰われた!?」
「そうだ、 そして美鈴は出て行った」
「ちょっと色々聞かせてくれよ、 一体何なんだお前達は
怪人を守ったりと意味が良く分からない」
「そうだな・・・まず、 俺の名前は茲野 味醂
怪人となったのは俺の妹の美鈴、 俺達の親は所謂屑でな
ネグレクトを受けて飢えていた、 それで俺はチーマーを作って
何とか暮らしていたんだが・・・・・お前は信じてくれないだろうが
妹が何故か怪人になってしまったんだ」
「・・・・・」
「信じられないだろうな、 人間が怪人になるなんて」
味醂は俯く。
「いや、 信じるよ、 それで如何なったんだ?」
「・・・妹は怪人になって両親を喰い殺したんだ
食い千切ったんじゃない、 丸呑みにしたんだ」
「丸呑み・・・」
「そうだ、 美鈴は蛙の怪人なんだ、 舌で絡め取って食う
そういう奴なんだ」
「・・・・・それで何で君達も襲われたんだ?」
「美鈴は怪人になってからどんどん食欲が増して行った
本当にどんどん食う様になった、 人を喰う事すら厭わなくなって来て
最近は意志疎通すら困難になった、 俺達は元の街を捨てて
別の街で暴力団とか悪い奴を美鈴に喰わせる事にしたんだ」
「なるほど・・・暴力団を殺したのはそういう事だったのか・・・」
「そうだ・・・だが妹はもう我慢の限界だったらしい・・・
さっき香を喰いながらアンタをのして仲間を皆食って出て行ったよ
このがらんどうとしたこの状況はそう言う事だ」
「こんなにも綺麗な惨劇の跡は珍しいだろうね・・・」
コンテナの中を見渡す夢宮。
色んな物が置いて有り生活環が有った。
チーマー達がかつてここで暮らしていたのだろうと言う事が
容易に想像できた。
「美鈴はもう怪人というよりも巨大な蛙みたいになっている
頼む、 俺ではもう美鈴を止められない、 助けてくれ」
「・・・・・分かった」
次回【準備】




