第六話:旅の途中その4 赤い対談 順子とラインの再会
ライン:「久しぶりな感じはしないが、期間は相当空いているな」
順子:「相変わらずで安心しました・・・アイドルを刺客としてきたから、どうしたものかと」
ライン:「ははは、アイドルときたか・・・確かに唯は容姿そんな感じだったが」
順子:「しかも、地球の娘じゃない!? 驚きを隠せなかったわよ~」
ライン:「それに関しては、同意させてもらうぞ私は隠したけどな」
順子:「そういう問題ではないのよ・・・色々と聞きたいことがあって」
ライン:「そうだろうな、私を恋しくて連絡したわけではないと思うから」
順子:「半分は・・・あるかもしれませんよ♥ 一戦して一線を超えた仲じゃない、あたし達」
ライン:「否定はしないが・・・肯定もしにくい言い方だな」
順子:「今回は、あくまでも全年齢対象だから・・・そこは控えないとダメね、ごめんなさい」
ライン:「珍しいな、お前が素直に抑えるなんてな」
順子:「この手の事はちゃんと線引きが必要よ、わざわざ対象を分けているのだから」
ライン:「そうだな・・・私も今回は難しいと思っているから」
順子:「急にで悪いのだけど、今から直接会うことが可能ですか??」
ライン:「お前のスキルを使えば、造作もないだろ・・・時間の概念なんて存在しないのだからな」
順子:「そうですか・・・一応、確認したかっただけです」
ライン:「その辺は、妙に律儀なんだよな順子は・・・」
順子:「あたしはいつだって真面目です!!」
ライン:「冗談は私には通用しないぞ、順子の全てを知ってるのだからな」
・・・ふっ
楽しいのだけど、異常な疲れを感じてしまう
ラインさんは相変わらずで
若干、口調は違うが姉様と話をしている感覚になる
しかし、家族ではないから
姉様とは家族的な意味合いで
ラインさんとは親友的な意味合いで
近しい話をしている
ライン:「何だ、私との話に疲れたか??」
順子:「はい、疲労困憊です」
ライン:「じゃあ、そろそろ直接会うか!!」
姉様以上にサプライズ好きな感じがします
今、目の前にラインさんが姿を現す
あたしを含めたこの場にいるみんなが驚いている
姉様を一回り大きくした感じの長身のラインさん
『面倒だから、私から来てみた~♪』
『姉様~(´。•ω(•ω•。`)ぎゅー♥』
わざと姉様と言いながら抱きついてみた
このギャグがわかるのは愛理ちゃんと栞さんだけなんだけど
唯ちゃんも察したみたいで、特にリアクションがなかった
『おい!! 私を姉と間違えるのはやめてくれ』
『そうですね、再会を戯れでと思っただけですラインさん』
服装以外は身長くらいしか違いがわからないくらいな姉様とラインさんなんだけど
そんな地味にわかりにくいギャグは、長引かせても無意味な気がしたから
『ラインさん、お久しぶりです』
『ラインさん、また制約を無視してくれましたわね・・・』
愛理ちゃんは、普通に挨拶している
栞さんは、分身であるツイールさんと同調しているから
管理者として、少しご立腹のようですね
『順子の顔に免じて、なかった事にしてくれないのか??』
『これからの対応次第です、順子さんが必要とされたのですよね・・・』
栞さんはというかツイールさんは怖いですから
ラインさんもわかっていて、行動を起こしたと思いたいし
あたしも直接会おうと言いましたし
これで、裏切るような発言なんてしたら
それこそ、ラインさんとバトルなんて絶対にしたくない
『勿論です、ラインさんは重要な来賓よ・・・沢渡順子の権限で次元を超えてもらいました』
『わかりました、順子さんの権限でしたら・・・こちらが関与することはありません』
次元干渉に関しての制限は、あたしには存在しない
だから、自分を絡めれば基本的に何でも許される部分があって
頂点と言われる由来となる干渉力だったりする
『あたしが頼るだけの存在なんですから、それにそろそろ同等の権限を所有できるのでは??』
『何だ、やはり把握していたか・・・お前と同じ道を辿ると思わなかったぞ』
こんな無謀な事をするなんて、あたし以外だとあなたくらいですって
簡単に説明出来ない内容だったりします、具体的に何をしているとかも表現が微妙だったりするから
簡潔に話そうとすると・・・
自分の理想に近づくために、同じような時間を何度も繰り返している
あたしの目指す理想には、ほぼ近づいていて
あと数回もすれば、完全な状態になれるかな・・・
ラインさんは、流石あの世界で繰り返しているから
1回の重みが大きいみたいだから
回数で言えば、圧倒的に少ないけど
目標で回数の違いはあまり関係ない
『ラインさん、本題に移行してもいいですか??』
『ああ、そうだな・・・時間が余ったら、続きを雑談したいな』
あたし以上に、喋る事が好きだったりするラインさん
姉様もだけど
火属性は喋る事好きなんだろうか??
唯ちゃんも、好きそうな気もするし
由佳ちゃんとも、よく喋ってるから
基本好きで括ってもいいかもしれない
『まずは、彼女を紹介しますね・・・霜月 みさきさんよ!!』
『はじめましてラインさん、霜月 みさきと申します』
律儀にお辞儀をしている
古風なシキタリというものかな
あたしも取り入れてみようかしら
『霜月!? そういう事か、私の率いている部隊に同じ苗字の武人がいるぞ』
『先ほど、お聞きしました・・・五祝さんと六花さんでしたよね??』
ラインさんも、ある程度の意味合いを理解してくれているだろうか
これに関しては、あたしの興味本位な部分もあるから
しっかりと情報と意図を伝える必要はありますね
姉様もラインさんも似た部分があって
求めている以上な返しをしてくれたりします
ある程度は、嬉しい感じもあるが
間違った方向に進む可能性も高かったりするので
『物凄く近い存在を姉に持っています、ラインさんには確実な行動をお願いしたいのです』
『・・・一華の事を言っているのか、まああいつと違って私は自覚しているから、しかもそれに関してコンプレックスがあるんだぞ・・・』
これが姉様との似て非なる部分だろうか
特に姉様は自分の欲望により忠実に動く傾向があるために
他者(あたしも含む)を軽視することがあるから
それに対して、ラインさんは自分を抑えてでも他者を優先することを
比較的当たり前に行ってくるから
『ごめんなさい、あたし・・・この手の察しに疎くて、本当にごめんなさい』
『・・・あまり、気にするな お前は特別だと思っているから、少しくらいの踏み込みに関しては』
真面目な話をしているのに・・・
どうしてだろうか、ラインさんは・・・
『ラインさん!? このサプライズは、必要ですか??』
『これは、自分の欲望のはけ口に使わせてもらっただけだ・・・こちらの世界にはエリアくらいしかフカフカがなくてな、ふふふ』
この流れは、お互いをスキンシップで仲を深める感じだったりする??
基本、真面目でどんな方向に対しても実直に行動しようとするラインさんは
照れ隠しな感じで、ギャグや過度なスキンシップを行ってくる
今も、真剣な表情で会話している最中に
あたしの両胸を徐に掴み、モミモミしている
『すまん・・・私の胸も揉んでお互いの感触を確かめ合うのもいいかと思うが』
『・・・あっ♥』
思わず、変な声が出てしまった
頂点をリズミカルに触れてくるから
『ラインさん・・・あたしを感じさせて、どうするのよ~♥』
『何だ、相変わらず敏感だな・・・世界の頂点の弱点が山の頂きだと、公表してしまうぞ!!』
何だろう、凄く殺意を感じてしまうのは・・・
現段階であれば、まだ・・・あたしの方が上だよね
仕方ない、少し力の差を感じてもらいましょうか
『パワーランク10を超えた絶望的な感覚を少し味わってもらいます~♪』
あたしが女神の中で頂点だと言われる意味を少しだけ、ラインさんを使って表現します
“親しき仲に礼儀あり”と言いますし
このスキンシップは、また別の機会に楽しむとして
今回はね
『ぐふぅ・・・お前、私を消す気か!? うっ、ここまでする必要・・・』
言葉途中で倒れ、気を失うラインさん
女神の中で最も高い攻撃、防御力を持つが
時間と空間を掌握した状態では
そんな最強な力も“風の前の塵に同じ”
確実に、死の概念が無い女神だから
『すぐに戻ってくるから、多分泣きながら・・・あたしを攻撃してくると思うけど、そっと抱きしめてやる・・・ああ~ラインさんには、使いたくなかったのに~!!』
女神は人と違い、死ぬことはない
例えるなら、ゲームのキャラクターのように
ある程度の時間で復帰する
復帰までの時間は
受けたダメージの回復までに要する時間がかかる
より高い戦闘力を保有している場合は
本来、復帰までの時間は長い
回復する数値が一定であるから
これは、あくまでも女神同士の通常の戦いで負ったダメージだったりします
しかし今は、あたしが特殊なスキルで戦闘力を奪っただけで
実際のダメージではないから
刷新させるための一時的な退場なので
すぐに戻ってきますよ
『順子さん・・・相変わらず、合理的な方法ですわね』
『栞さんに言われたくないわ~!! あなたの方は、超合理的じゃないですか??』
この栞さん
見た目や普段の言動では、わからない部分があります
あたしや姉様なんかよりも深い闇を持っているようで
光属性の最大の魅力ともいえる
闇を照らす輝き
自分に対しても適応され
完全な光を貫く、圧倒的な合理的な形となるの
『栞さんには、色々と助けられいますから・・・合理的な方法は素敵なことです』
愛理ちゃんは、特に栞さんの恩恵を受けているから
あたしの曖昧な采配以上に、重要だと思っているみたい
でも、最終的には・・・あたしを一番に頼ってくれるよね
『愛理ちゃんは栞さんのこと好きだよね~あたしなんかよりも・・・』
少し皮肉っぽく愛理ちゃんに言ってみた
無視されても、構わないくらいだったけど
思った以上な反応をしてくれたから
あたしは、ニヤニヤしてしまう
『順子、私は別に栞さんが好きとか・・・そういう意味で言ったのではありませんから、それに順子がダメとかそういうことでもありませんから~!!』
基本的にはクールな愛理ちゃんだけど
たまに、慌てる感じが可愛いのよね
大体、あたしがスキンシップを行うときだけどね~♪
『順子さん、よかったですわね~うふふ♥』
『栞さん、それは言葉にしない感じですって・・・それに、あたしは正直に言っただけだからね』
顔を赤くしている愛理ちゃんは、あたしを睨んでいる
ある意味ツンデレ気質だったりするから
悪い印象にはなっていないとは思うけど
喜怒哀楽、どの愛理ちゃんも可愛いですよ
『ラインさんが戻ってくるみたいです・・・』
『唯ちゃん!? そんな事わかるんだ~すごいね』
『覇者のスキルのひとつみたいです、女神と覇者の両方のスキルを保有していますから』
そんな唯ちゃんをジーッと見つめる、みさきさん
恋する乙女な熱い視線を感じる
『みさきさん、どうしたのですか??』
『・・・いえ、唯さんに見とれていただけです』
半分、冗談で思ったことが本当だったみたい
魅了恐るべし・・・
『・・・順子のバカ~!!』
『うっぐっ・・・苦しいです、ラインさん!!』
戻るなり、背後から羽交い締めされる
攻撃ではなかったが、相当苦しい
『何なんですか~!! 私を退場させる必要あったの??』
やはり、泣いている
気丈な性格は、穏やかで優しい心を隠すための偽装であって
本当のラインさんは、お淑やかな可愛らしい乙女だからね
これにさせたかったから、やったんだよ
なんて、本人には絶対に言えません
勿論、栞さんや唯ちゃんや愛理ちゃんには黙っててもらうようにしてあります
『・・・ふ~、ラインさんが悪いのですよ自分に正直でないから』
『むっ~!! 順子の意地悪・・・』
ここまで性格が違うと、怖いくらいですけど
かなり可愛い・・・愛理ちゃんと比べるくらいかもしれない
あたしの中では
愛理ちゃんが特別枠で常に一番好きな部類なんだけど
それ以外は、ほぼ一律に愛を振りまくようにしている
その牙城を崩させるだけの破壊力はあるかもしれない
これだな・・・あのレッド君が陥落したのは
だから、魅力的な周囲の存在を仲間で囲っていても平気なんだろう
そんなラインさんの恋愛事情は、置いといて
『順子・・・私に同調までして、やりたい事って何ですか??』
・・・無駄な会話がない
こんなラインさん、嫌いじゃないけど
やはり、ワイワイできる方がいいかもしれないね
『本気でリーアを倒そうかと思って・・・』
『リーアを倒す??』
『創造主を消す事は御法度なのは知ってるのよ、でもね・・・新しい世界を、あたしは作りたいと思ってるから・・・唯ちゃんは、多分協力してくれると思うのだけど』
横目で唯ちゃんを見る
覇者になって、叶える願い事が
“全ての女神を救う”だから
その根元的な存在であるリーアも救う対象になる
柵に囚われた女神の解放は、容易ではない
ましてや、自ら女神への覚醒を選択したリーアを救うなんて
ラインさんの刺客としてだろうけど
多分、率先して
あたしのところへ来たと思う
重要な意味合いを持つあたしとの邂逅を必要と感じたから
『そうですね、順子さんが言った事は間違っていないです』
『私が話をしたら、唯は拒否しなかった・・・意図は把握しているだろうな』
『ラインさんも唯ちゃんもあたしを都合の良いアイテム的な感じと思ってるでしょ??』
若干、悲しみを示すような感じで
愛理ちゃんにすがってみた
しかし、ラインさんの発言に
事態は一変してしまう
この事象に関して、ある程度把握していましたが
どうしても電脳異空間だけは、内情を見れないために
不明な部分がある
『順子の行動に関しては、いつも通りですから・・・あまり気にしませんが』
『愛理は順子ではなくて、こちらの新メンバーに興味があると思うぞ!!』
新メンバー!?
誰だろうか・・・
しかも、愛理ちゃんが興味を持てる存在って
該当する人物が一人しか思いつかないのだけど
『あたしがこちらへ来た後の話みたいですね・・・別の事象ですか??』
『そうだな、新たに構築した世界で次元を超えて来た女神なんだけど・・・須賀麻里華という名前の』
思いついた名前をラインさんが言った
愛理ちゃんが興味というか、あたし以上の存在なんて
“須賀麻里華”しかいない
『麻里華!? ラインさん、それは本当ですか??』
『ああ、お前を探していると言ってたが・・・麻里子の存在を感じたみたいだったな』
須賀という双子の姉妹がいる
姉の麻里子と妹の麻里華
あたしと姉様のように姉妹の女神は、特に能力が高い
『ラインさんのサプライズで最も驚きましたよ・・・あたしの計画を頓挫させるつもりなんですか~!!』
苛立ちを現わにしてしまった
愛理ちゃんは、どの女神も必要とする存在だったりする
現在、あたしが麻里華から一時的に借りている状態になるが
まだ・・・返還するつもりも予定もないので
今、こんな話をされると
『そうですか、帰った際に天球へ来るようお伝え下さい・・・私は順子と麻里華を同時にしますから』
『・・・そうきたか、順子は愛理に愛されているみたいだな』
愛理ちゃんは、電脳異空間に行く事はしたくないみたい
だったら、麻里華をこちらに呼ぶ方がいいから
『別に順子を好きとかではありません、電脳異空間が苦手なだけです』
うわ~
悲しい・・・
“麻里華>順子”の関係は揺らがないのね
頑張って愛理ちゃんの心を変える流れを構築させていましたが
それ以上の出来事があったのだろう
『愛理ちゃんに振られました・・・あたし、傷心です』
『麻里華には伝えておこう、だが・・・時間は少しかかるぞ』
『わかっています、それだから順子と共にいるのです』
う~ん、やはり便利アイテムな感じになってる
あたしをみんな過ぎていくのね
過去の旅のメンバーは・・・
『順子さんを救うのは、相当難しいかもしれませんね・・・あたし、全力で挑まないとダメかもしれない』
唯ちゃんが急にあたしの手を取って
少し涙ぐんでいる!?
どうしたんだろう・・・察してしまったのかしら
『あたしをどうしたいの?? 何か、怖いのだけど・・・』
『唯は、単純にお前を心配しているだけだと思うが・・・愛理も特別な存在と認めているだろう??』
ラインさんが、あたしに気を使っている??
何だろう、主人公の特権かしら・・・
幾度と事象を繰り返してきて
やっと、自分の操作で世界を掌握できるだけの
能力が伴ってきたのだけど
電脳異空間だけは
その干渉外だったりする
『世界はあたしの中にあるのよ・・・みんなが愛で満たされる時まで、繰り返すの!!』
『愛で満たされた世界は・・・素敵だな、私もその順子の夢に賛同してもいいぞ』
いつの間にか、通常のラインさんに戻っていて
上からな視点であたしを見ている
身長差もあって、実際に上から見ているけど
威圧的な意味合いで
『専用スキルが使えないのは、不利かもしれない・・・お互いにな』
『専用スキルね・・・あたしもラインさんも官能的なスキルが上位だからか~!?』
愛し合う力が特に女神の糧になる
宝石が原動力で永久的に稼働しているけど
常に愛の感情を吸収しているらしい
更に欲望という官能的な意味合いの心の思いが強い能力を発揮する際
大量に消費するために
戦いではよりエッチな気持ちになりやすい
でも、今回全年齢対象としているから
ラインさんの方でも、苦戦しているのでしょうね
そして、火属性がそれを最も左右させる属性だとわかっているから
あたしに聞いてきたのかもしれない
同意ではないけど、理解してくれる相手としての愚痴みたいなものかな
『女神もたまには、制限のある戦いをしても楽しめるのではないかしらね~♪』
『順子は、この状況を楽しむ方向で挑んでいるのか・・・私もそこは見習うべきだな』
逆に違和感です
ラインさんの方が、率先して楽しんでいるかと思ったのに
欲望を制御する事がラインさんには難しいのだろう
『ルビーは特に欲望に忠実に反応するから・・・あたしも女神になってからは苦労しています』
『唯ちゃんが・・・官能的な女神とか、嫌だ!! 純粋な少女を永遠に貫いてよ~??』
懇願しても、あたしやラインさんと同じルビーを保有する唯ちゃんに
それを強要するのは、不可能だと思っている
でも、それだけ・・・
それだけ、唯ちゃんは純粋無垢な存在であって欲しいのよ
『順子・・・唯に変な幻想を抱きすぎじゃないのか??』
『だって~こんなにも可愛いのだから、あたしが色々と教えたいじゃない~♥』
ただの変態だと言われても、唯ちゃんの魅力には変わりないから
あたしは全力で汚していきたい
『順子さんは、あたしを狙っても無駄ですよ~!!』
『うん、知ってる』
同系の属性とは、仲良くする程度で
深い関係となると・・・今後に影響してしまう
ラインさんや姉様とは、影響を考慮した上での関係を構築しているからいいのだけど
唯ちゃんとは、まだ浅い付き合いだから
もう少し旅をして見極めないとダメかもしれない
『順子さん、そろそろ・・・』
『あ、ごめんなさい・・・霜月の家系に対しての話でしたね』
『そうだな・・・順子、旅に影響ないのなら・・・連れて行こうと思うが??』
『う~ん、愛理ちゃん・・・どうかな??』
唯ちゃんがいれば、問題はないのかもしれないけど
折角の名門の一族だし
愛理ちゃん的に、情報として欲しいのではないかと・・・
『麻里華がこちらに来てくれるなら、構いません・・・』
ああ~そうね
そうだった・・・
やっぱり麻里華か
『だそうです、ラインさん』
『じゃあ、みさきはこちらで預かる・・・で、本題はどうするんだ??』
『実際にラインさんがここに居る必要はないから・・・いいのだけど』
『悲しい事言うんだな・・・折角の再会だったんだぞ』
『リーアにまだ遭遇できていない時点で、今ラインさんの存在を有する意味合いはないのよ』
『リーア絡み・・・そうだな、その時に来ればいいのか』
単純な友達としての再会だけで終わらせたいくらいだし
もっと色々と話はしたいけど
栞さんが、ジーッとあたしを見てるの
これは、ラインさんを返せと訴えている
『精神的にも肉体的にも関係のある、あたしとラインさんですよ・・・それに、また会えますから』
『恥ずかしい言い方だな、まあ否定はしないが・・・それにツイールの視線もあるし』
ラインさんも把握しているみたいね
レジェンドの女神はどうして、真面目なんだろう
もっと融通させてくれてもいいじゃない
『私だって、本当は・・・いえ、何でもありません』
あれ??
栞さん、どうしたんだろう
急に自分を責めるようになってるけど
『順子・・・察してやれ、ツイールも人の心を持つ女神だから』
『ラインさん・・・いいのです』
『そうか・・・お前もたまには解放したほうがいいぞ』
『旦那がおりますわ・・・♥』
『ふ~ん・・・』
珍しく、不思議そうな表情で栞さんを見るラインさん
この栞さんというかツイールさんは初見に近いのかな
旦那の存在は、相当のストレスの解消になっているみたいで
今回のラインさんの件も、多分だけど不問にしてくれるでしょうね
『ラインさん、また要件ができましたら連絡しますね・・・わざわざ来てくれて感謝しておきます』
身長の高い相手に対して、難しいのだけど
お礼も兼ねてのキスを・・・勿論、口にね
ラインさんにしました
『順子・・・♥ 名残惜しい事するなよ、私は思っている以上に心が弱いのだから』
『ふふふ、これが順子流のスキンシップです!! もう、他人ではないくらいの間柄なんですから』
『そうだな・・・今度は一華にも会って話をしたいし、特にお前とは語り尽くしたいから』
今までとこれからで、無数な出会いと別れを繰り返す
あたしとラインさんは、深い縁で結ばれているようだし
お互い、必要とする事もあるだろうから
今度は・・・あたしが電脳異空間に呼ばれるかもしれないわね
『唯と同行していた、エメラルドの冒険家の話もしたかったし・・・今度は順子を招待するからな』
『エメラルドの冒険家・・・彩ちゃん??』
『記憶を失っていて、断片的だったけど・・・多分、お前の探す存在だぞ』
『・・・頭の整理が済むまでは、保留させてくれませんか??』
『だろうな、死んだと思っている相手が生きていた・・・というか女神になっているんだからな』
あたしが持つ、もう一つの宝石
複数の宝石を保有する存在は別の珍しくない
相殺することは、ほとんどないから
どんな宝石の組合せでも
でも、本来の持ち主である相手を失い
代行で保有している場合は
その持ち主へ返す
『まあ、整理が出来たら私に連絡してくれ・・・じゃあ、戻るからな』
『順子さん、ありがとうございました・・・また、お会いしましょう~』
一応、彩ちゃんの話は保留しておきましょうか
ラインさんとみさきさんが消えていく
フラッシュゲートと呼ばれる女神の空間転移スキルを使用している
自分以外の存在を移動させるのに用いる
自分を含めた指定された空間の存在を呼ぶことも可能だし
次元と次元を容易に移動可能とする
しかし、電脳異空間は例外で
その使用は制限されている
全く使えないわけではないみたいだけどね
使用の意味を持つ場合に限られる
『麻里華に彩さんに、やはり電脳異空間は嫌いです』
『色々と呼び寄せる仕様みたいだし、あたしも好きじゃないよ・・・あそこの世界は、でもラインさんは好きだよ・・・姉様に似ているし、モデルさんみたいでかっこいいし、お話も合うから』
短い時間だったけど
ラインさんと会えて嬉しかったです
しかし、愛理ちゃんを探す麻里華と形見の持ち主の情報が得られるとは思わなかった
『一度、あちらへ行く必要がありそうね・・・愛理ちゃんも覚悟してるんでしょ??』
『来るようにと伝言を頼みましたが・・・待つのは、比較的苦手です』
あたしと愛理ちゃんだけでも電脳異空間に顔出ししてこようかしら
なんて、思っていると・・・