第五話:旅の途中その3 沢渡姉妹の攻めと受け
脱線必死な姉様の投入
次の目的地へ向かう途中のこと・・・
沢渡一華の最大の能力を発揮する
『こんなにスタンプが貰えるなんて・・・少し官能的な行為をしただけなのにな~??』
『姉様・・・恥ずかしかったですよ、あたしまで参加させるなんて・・・ううっ~泣くわよ!!』
14個のスタンプを貰ったから・・・その分の苦労を考えれば
かなり、楽なんだろうけど
それでも、見知らぬ男性相手に・・・もう、考えただけで吐きそうになるし
せめて、女性だったらね
やる気も変わってくる・・・ああ、もういいや
『順子・・・ごめんなさい、こうなるなんて思わなかったの』
『あ、愛理ちゃんは悪くないから・・・責任は全て姉様にあるのよ、今度ばかりはあたしもはっきりと言わせてもらうから』
そう、愛理ちゃんに責任は一切ない
こんな純粋な乙女が相手の男性の要望なんて、理解できるはずがないから
姉様が勝手に承諾してきて・・・
(まあ・・・お胸の格差で愛理ちゃんや唯ちゃんは除外だったんだけどね)
とりあえず、あたしと姉様と栞さんがお相手したの
一応、独身なあたしと姉様いいとして
何で既婚者の栞さんを加えるのよ~!!
これは、長として
直談判よ!!!
『姉様!! 一言言わせてもらいます、どうしてあんな要望を受け入れてくるのですか?? あたしはいいとしても、栞さんまで巻き込んで・・・それに、あたしを心配して愛理ちゃんが落ち込んでしまったじゃない・・・どうしてくれるんですか~!!』
多々、姉様には文句や苦情を無数に抱え込んできましたが
流石に・・・今回のは、言わないと気が済みません
しっかりとした言い分、もしくは謝罪を求める所存です!!
『・・・私のやり方が不服か?? ピュアな方法以外は認めないか?? 全く・・・純粋もいいが、もう少し現実的な行動をしたらどうだ・・・順子ももっと打算的な攻めをしないとダメだぞ!!』
・・・これが姉の言い分か
事務的な発言
いや・・・これは、自暴自棄と捉えてもおかしくない方向だぞ??
逆に心配になってきた
姉様の抱える闇が深そうだ・・・
『姉様・・・言い分はわかりましたが、あたし以外に対しては深く介入しないで下さい』
『どうした?? 私の心を見て躊躇したか・・・仕方ないな~順子は、その優しさが弱点となるぞ』
試されてるの??
不安な部分を追求してくるみたいね
唯ちゃんのスペックを把握してのことなのかな・・・
特にあたしに対して強気で押してくる気がする
姉妹であっても、女神同士であっても
覗くことのできる心は限界がある
より・・・
必要以上な介入は姉妹だとしても
一定の距離はある程度、設けていた方が
性格やその時の心境にも偏ることはあると思うけど
それ以上に、二人の親密度がどのくらいあるのかが重要だと感じています
『優しすぎて何が悪いのよ~!! 姉様こそ、冷たすぎなんじゃないの・・・』
会うといつも、喧嘩しているみたいな姉妹だったりする
お互い、性別や身内という距離を超えた好きという感情を相手に抱いているというのに
あたしも姉様も・・・そこだけで言えばツンツンしている
しかもね、それをメンバーに把握されてしまって
お節介な入れ知恵を行ってくる
悪い気はしませんが・・・やはり、二人だけで解決させたい
『そうかもしれないわね・・・女神になって、感情が欠落した部分が特に支障だったりするから』
女神のシステム上
基本的に、天使から覚醒して女神となるから
覚醒に必要な愛の感情が一気に爆発する
あたしもだけど、他者に対しての接し方が変わってきている
しかし、姉様は天使を飛ばして導師の段階から女神に急激に覚醒したためなのだろう
感情に対しての損失が大きく代償としてあって
徐々に取り戻してはいるみたいなんだけど
まだ、完全には戻ってきていない
『姉様のデレを楽しみにしています・・・ふふふ、仲直りはその時に自動的な流れだと思うし』
『あら・・・私の回復待ちなのね、わかったわ・・・それで構わない』
もっと早い段階で仲を接近させたいみたいね
システムのブーストを利用したことは、流れに任せる感じが嫌みたい
う~ん、折角同行するから・・・頑張ってみますか
『わかりました・・・あたしも努力してみます、姉様と早く仲良くしたいですから』
いつになく、喧嘩というか
話が近しい感じで・・・普通に思える間柄だったりします
だからでしょうか、愛理や栞さんが不思議そうに見ている
不安に思っていた唯ちゃんは、まだ戸惑い気味ですね
『導師からの覚醒による反動は一気に能力を開花させるために、異常な生体への影響があります』
『そうですね・・・一華さんが心配で、順子も泣いていますから』
・・・愛理が冗談を言うなんて
これは、姉様が絡んでいると思っていいかな
唯ちゃんまでだもん
『そうか・・・私のために泣いてくれるなんてな、こうして距離が縮まっていくのか~♪』
急に姉様が抱きついてきて
・・・喧嘩する程何とやらと、よく言うけど
もう、何で喧嘩しているのかも不明だったりするくらい
急展開の姉様の行動
これは、既に感情を取り戻している??
あたしへのサプライズを狙っているのかもしれない
バレバレではないけど
心を頑なに隠しているところは
ある程度の変化を知られたくない現れだと思うから
『芸人ではないから、あたしにネタを求めてもだめですよ姉様??』
『・・・何の事だ!? 私は別にお前にネタを求めたりしていないぞ??』
・・・嘘を本気で言うつもりないのかな
明らかに動揺しているし
示唆されたかのように、愛理も唯ちゃんも
そして、あまりこの手の事に介入してこない栞さんまで
姉様を心配するように見つめているし
あたしが全面的に悪い流れにする作戦でも包囲網を張ったのかな
『・・・あたしに対してのサプライズは基本的に不可能だとわかっていて、それで行うのは姉様の悪い嗜好ですよ!!』
『順子!! 一華さんに対して、もう完全な緩和をしてもいいのではないの??』
完全な緩和って、何??
いつ、あたしは姉様に規制をしたっていうのよ~!!
『愛理ちゃんは、姉様の味方なの??』
無言で左右に首を振る
・・・そうなのか、別に姉様側でもいいのに
あくまでもあたし寄りなんだね
『愛理さんは、本当に順子さんと契りを交わさないのですか??』
『多重契約にはしたくないの・・・私は麻里華との契りを大事にしたいから』
愛理ちゃんの中では、あたしは常に2番目なのよね
須賀麻里華という存在が大きく関わるから
あたしも彼女から愛理ちゃんを託されたところがあるから
一概に言えませんけど
『あ・・・でも、今は目の前の順子だけを見ていますよ♥』
・・・ツンデレ愛理にジッと見つめられています
沢山の事象を乗り越えて、あらゆる次元の恋路に介入してきたり
無謀な行動を無数にしましたが
自分に対する事情には、いつまで経っても慣れない
『そろそろ、リーアさんに会いたいですわね・・・順子さん??』
栞さんが、若干のご立腹のようです
現在の目的をそれとなく、あたしにアピールしてくるなんて
『そうだな、ツイールの言う通りだな・・・あ、今は栞だったか、すまん』
見た目は同じなので、栞さんもツイールさんも運命共同体でもあるし
どちらでも一緒だったりしますが
実体を分離して、栞+ツイールで交互に旦那とラブラブしているみたいね
今頃、ツイールさんは旦那と一緒に居る
一時期、同時に迫って旦那を二人でもてなしていたりもしていたらしいが
最近は時間を分けて、交互に楽しむようにしている
だから、そのうちに入れ替わっている可能性もある
『栞さん、ごめんなさい・・・早く攻略しましょう』
『愛理・・・他のパーティから奪取した方が早いと思うが、どうだ??』
『そうですね・・・先程の方法以外であれば、構いませんが』
同じ方法であたしや唯ちゃんを含めた媚を売る感じには
絶対NOを愛理ちゃんは姉様に強く訴えている
相手が女性だったら・・・あたしは構わない部分も少しあるけど
基本的には、バトルによる取り合いを主体としたゲームだったりするからね
『ゲームの中の出来事ですが・・・仮想ではないから、実際に関係を築く形になります』
これは・・・電脳異空間の文言じゃない
あたしの作り出す能力でも同じことが言えるから
覇者となった唯ちゃんも、くぐり抜けてきた世界を体感したそのままで
スケールの違うゲームだと思うけど
『大きな違いは、世界を借りている事かな・・・あそこは、世界自体でゲームしているから』
他の次元と異質な閉鎖空間を作り出すだけの能力は
1万倍という重力概念を女神不在で確立させた最強の世界となった
だからなんだろうか
あの世界で育った女神の強さは、異常だ
更に覇者は大苦戦をしてきた
新参の次元で、特定の支配を行わない女神が覇者となる場合
天球が力試しの最も有力な世界になってしまうから
常にあたしが対決相手になる
特殊な現状で
覇者と共同中な今、相手は常にあたしではない
少しだけ、楽できる
・・・なんて、言ったら唯ちゃんに怒られるかも
この気持ちが姉様の言う、あたしの弱点となる可能性なんだろうね
でも・・・簡単に変えられる程、軽い心ではない
『私はクエストを地道に行うのが不効率だと思っただけで、既に保有している別のプレイヤーからの奪取もルールとしてあるから・・・必要なスタンプの情報をデータから取得して、最低限の行動で済ませたいと』
『今回のゲームは、中断している間の相当数のスタンプが他のプレイヤーによって採取されていますから一華さんの言い分は当然かと思われますが・・・自力の確保を主体とする順子の意思を尊重したまでです』
姉様の打診を、あたしのためだと躊躇してくれた愛理ちゃん
自力でクエストをクリアするゲームとしての楽しみであって
目的を早く終わらせる意味合いではない
余裕があるわけではなく
でもギリギリでもないから
『あたしは、順子さんの意思を支持します・・・純粋に遊びに来たと思いたいし』
唯ちゃんが、あたしを支持してくれている??
でも、遊び感覚というのが・・・ちょっと微妙なんだけど
『一華さん・・・わたくしは、複数パーティで同時に進行する事をおススメしたいのですが??』
『ん!? 単体で行動しているのか・・・順子、他のメンバーはどうしたんだ??』
不思議そうに、あたしを見る姉様
様子見での先遣隊をとりあえず入れただけで
これから、複数にするかを決めようと思ったから
最初に投入するメンバーを1組分だけ決めただけだった
『期間がかなりあったために再開の際に様子見であたしが来ただけなんだけど・・・』
『お前がそんな慎重だとは思わなかったぞ、もっと大胆に行動してもいいじゃないか??』
自分で生成したゲームであっても
未知な部分は多い
ランダム要素を含めないといけない仕様だったりするから
リーダーとしてではなくて
普通に仲間を思っての様子見だったのに~
『私が別のパーティで組んでもいいんだぞ、早くリーアに合うんだろ??』
『う~ん・・・どうしよう愛理ちゃん、姉様の打診を受け入れるかどうか??』
姉様の質問を愛理ちゃんに聞いてしまった
何だろうこの優柔不断な感じは
でも、愛理ちゃんが即答で返してくれる
『私は、一華さんの言うようにしたらいいと思う』
『な、愛理も言ってるんだ・・・ほら、順子!?』
これは、この流れをそのまま受け入れればいい感じみたいだね
愛理ちゃんは姉様とある程度の疎通を行っているのかもしれない
それに、あたし以上にメンバーを任せられる存在だと思うから
『わかりました、姉様の人選でパーティを任せます・・・』
『順子・・・まだ、完全体になってないのか??』
姉様があたしとオデコを合わせてくる
急接近してくる姉様の顔に、少し恥ずかしくなったが
両腕を鷲掴みにされていたので、逃げようがなく
そのまま接触を許してしまう
『少しだけ、私の能力を預けておくから・・・頑張りなさいよ順子』
こんなに優しい姉様は、久しぶりというか
初めてに近い感じがして
ドキドキしてしまって、頷くことしかできなかった
『一華さん、よろしくお願いします・・・スタンプの情報は常に共有した状態でデバイスで確認して下さい、他の方にも伝えておいてくれますか??』
『ああ、わかったぞ愛理・・・お前には順子を任せたからな、少しの間は使えないから』
『・・・それは、あなたの演出が悪いのですよ』
『たまには、妹とのスキンシップもありだろ・・・ラブラブ姉妹なんだから~♥』
今回の姉様は、今までの事象の中でも最もと言ってもいいくらいに
あたしの事を愛でてくれている気がします
過去にも幾度とあったが
ここまでの接近は、あたしをドキドキさせるだけの破壊力があった
『じゃあ、またな・・・そっちもがんばれよ~!!』
スッと消えた
同時に、柱とした女神が姿を現す
一時的な退場からの復帰
姉様の代理には不足だけど
女神なら、十分な戦力でゲームに役立ってくれるでしょう
それに・・・あたしを倒しに来たのだから
その意味も尋ねたいし
答え次第で、どうするかの対処を決めたい
『順子、やっと戻りましたか・・・そんなに姉のスキンシップが良かったですか??』
『愛理ちゃん・・・もうやめてよ、あんな姉様に対応できなかっただけです』
これは・・・少しの間は言われてしまいそうね
まあ、愛理ちゃんにいぢめられる分には構わないけど
クールな視線で罵られることに関して
う~ん、この話はやめよう・・・自分の嗜好は個人的な部分で勝手にするだけだから
『もう終わってしまったのですか・・・もう少し唯さんと戯れていたかったのですが??』
『あたしは・・・十分です、栞さんの愛撫に翻弄されてしまいました・・・少し休ませて~!!』
ニコニコしている栞さん
その横でグッタリとしている唯ちゃん
一体、何をされたのよ~!!
後で、デバイスで探ってみよう~ふふふ
あたしも姉様のスキンシップを受けたいかも
今度、お願いしてみようかしら
何か、今回の姉様なら・・・なんでもしてくれそう~♥
『・・・沢渡順子!?』
『ん?? どうしたの・・・』
急にあたしに抱きついてくる
そういえば彼女の名前まだ聞いてなかった
『あたしの身体を魅力的に感じてしまったの・・・』
『覚悟!!』
下腹部に微かな違和感がある
どうやら、ゼロ距離であたしへ攻撃してきたみたいです
これには・・・正直、驚きがありましたね
『頂点だとしても、聖域中和スキルなら確実に攻撃が可能です・・・沢渡順子に勝てました!!』
『( °ω°):∵グハッ!!』
手刀があたしの身体を貫き
鮮血が溜り
更に、口から噴いてしまった
『順子!!』
『順子さん!?』
愛理ちゃんと唯ちゃんが駆け寄ってくる
それぞれ、愛理ちゃんはあたしに治癒スキルを施し
唯ちゃんは攻撃してきた女神をあたしから引き離して羽交い締めにしている
『・・・愛理ちゃん、心配してくれたの??』
『当たり前じゃない・・・急に攻撃されて、血を噴いたら当然です!!』
泣きそうな感じであたしを治癒してくれる愛理ちゃん
擬似だとしても、嬉しいよね
仲間としてなんだろうけど
『ありがとうね・・・』
『順子!?』
無敵で不死な女神でも、大量に失血すると
一時的に仮死状態のような感じとなり
急速に回復する仕様で
眠るように、あたしは目を閉じていた
知識は把握しているから、愛理ちゃんも心配はしているけど
あたしが本当に死ぬとかはないので瞬間的な睡眠と同等だと思ってくれているかな
『中和からの攻撃では、致死させることは出来ませんか・・・勝てると思いましたのに~!!』
『あなたは、単独ではなくてコンビで順子さんを倒しに来るべきでしたね・・・更に言うと、中和はあたしに通用しませんよ』
羽交い締めにされている最中でも唯ちゃんに対して聖域を中和して攻撃を仕掛けようとしていたみたい
でも、唯ちゃんの聖域には干渉できないみたいで
一番対戦してはいけない相手だったようね
『くっ・・・こちらの完敗ですわ、あなたには絶対勝てませんね、ふふふ』
『順子さんの意思で、あなたを倒すことはしませんよ・・・束縛か魅了か好きな方を選ばせてあげます、どうしますか??』
あたしの寝ている間に、唯ちゃんったら・・・ちゃんと、あたしの伝えたようにしてくれたみたいね
このあたりは律儀な娘って思うわ
『可愛い顔して、怖い事するのですわね・・・でも、あなたみたいな方なら魅了されたい』
『わかりました・・・では、あたしの目を見て下さい!!』
火属性の操作系のスキルは・・・特に効力が高いのよ
あたしもだけど、唯ちゃんも魅力的なルビー保有者だから
しかも、ラインさん直伝だとしたら・・・あたしよりも凄い事になってるかもね
あの姉様の類似品のようなラインさんは
あたし以上に姉様と双子みたいな感じで
嫉妬してしまうくらいに、姉様と意気投合してましたし
あの二人のコンビでの戦いは、あたしが負けるくらいの強力な協力だったし
何よりも、無制限のスキルコピーできる能力は本当に無敵な存在へとなっている気がします
『あなたの名前をあたしに聞かせて、それで目を閉じて下さい・・・それ以降はあたしの虜になります』
『・・・』
唯ちゃん・・・恐ろしい娘
普通にしてても、ファンが出来そうな容姿なのに
確実なスキルで心を奪うなんて
ルビーでの魅了は、強制的な始めりではあるけど
接して日々を過ごすと、心が本当に相手を求めるようになって
本気になってしまうのよ
だから、あたしは基本的に使わないの
性格的な部分もあるけど、自分の魅力を全面に推して
好きになってもらう方がいいと思ってるからね
特に愛理ちゃんには使いたくなかった
既に想い人が居るから、余計に強制はしたくなかった
あれ??
そう言えば、彼女の名前・・・聞き取れなかったわね
あたしが完全な状態ではなかったからかな
後でしっかりと自己紹介してもらいましょう
従順な唯ちゃんの虜と化した彼女には
しばらく、旅を共にするから
あたしに対しての行為は、別の機会にしっかりと償ってもらうとして
今回はあくまでも旅の仲間として扱ってあげるわ
『・・・まったく、乙女をキズモノにしようなんて』
『順子・・・誤解するような表現はやめて』
少しして、あたしが目覚めて
冗談っぽく彼女を見ながら言ったのだけど
愛理ちゃんが恥ずかしそうにしてる
『順子さん・・・乙女というのは無理がありますわよ』
『栞さんはあたしに対して風当たり強いよね・・・一応、リーダーなのよ』
いいじゃないの、あたしだって乙女でも
性格的に難しいことはわかってるし
女性ということでも微妙だとか、たまに姉様も言ってくるくらいだし
自覚は少しだけ、少しだけね・・・あるから
万歩譲って、あったとしても
容姿だけでも女性としては魅力あると思ってるのよ
身長は子供みたいに小さいけど
それ以外は、顔だって姉様に似て素敵だと思うし
胸だって愛理ちゃんの顔を埋めるくらいあるのよ
クビレだってしっかりとあるし
お尻も弛みのないアスリートのようなきれいな形です
って、言い訳しているみたいね
そんな事は、今どうでもいいじゃない~!!
栞さんには、今度しっかりと言っておかないとダメかもしれない
それとも旦那に頼もうかしら
『順子さん、反省しているから・・・これ以上は責めないで下さい、泣いてしまいますよ』
『唯ちゃんが言うなら、そうします・・・それに、償いは別件でしっかりとしてもらうつもりだし』
普段は大人しい方なんだろうね
女神は極端な部分が出るから
あたしが視線を向ける度に震えているくらいだし
それが愛おしいって思える感じに可愛い女性だと思うよ
『だからね、今回は旅のメンバーとして仲間扱いだから安心してね~♪』
『・・・はい、順子さん』
本当にあたしを攻撃したとは思えない落差ね
密かな闘争本能だったのか
不思議な感覚だと
『姉様が別動隊を編成してくれているから、改めて行動を確認しましょうか』
『そうね・・・一華さんから2組で行動を開始したと連絡がありましたし、こちらも1名加わりましたから』
あたしと愛理ちゃん、栞さんに唯ちゃんと侵攻してきた新たな女神の5名での旅になる
そうだ、自己紹介してもらわないと・・・進行しやすい意味合いもあるし
『今更な感じで悪いと思うけど、あたしのために自己紹介をお願いしてもいいかな??』
う~ん、なんだろう・・・この劣勢感は一体!?
少しは思ってはいたけど
ここまでとは思わなかった
『だって~あたし、あなたに攻撃されて気を失ってたのよ・・・そのくらいいいじゃない』
『・・・あ、そうですよね・・・わかりました』
あまり使いたくなかった
相手の情けに語りかける技法は嫌いなんだよね
後味が悪いじゃない、あたしは特にダメ
でも、この空気には耐え切れなかったの
『では、順子さんのために自己紹介させてもらいます・・・これくらいは別に構いませんから』
そうか、唯ちゃんの許可を必要とするのね
二人を見るとアイドルとマネージャーみたいに見えるのは
あたしだけだろうか・・・唯ちゃんが異常な可愛さを放ってるから
『霜月みさきと申します、風の霜月流の継承者ですが・・・土属性の女神としてトパーズを保有しております、詳しい理由については割愛させてもらいます』
『霜月って・・・ラインさんのところに家族がいるんじゃないのかな、唯ちゃん??』
霜月みさきさん、いかにも大人の女性って名前ね
しかも、霜月は・・・確かラインさんの部隊のメンバーに在籍していたと思うのだけど
『六花さんと五祝さんですね・・・霜月の苗字です』
『子孫に当たる家系の末裔でしょうか・・・五と六の名だとすると相当未来だと思われますが??』
未来ね~
確かに、あそこは二万年先の話をしているから
そうなんだろう
『そうだ、ちょっとラインさんとコンタクトしてみようかしら・・・色々聞きたいこともあるし』
『そんな事可能なんですか、順子さんは!?』
女神でも出来る事と出来ない事があって
他次元干渉を可能とする、高い能力を保有する存在であれば
過去に接触のあった女神との対話ができたりする
でも、基本的にそんな事をする女神は・・・
多分だけど、あたしと姉様とラインさんくらいでしょうね
レジェンドクラスの方々は、超越した能力を保有するから
その辺は簡単に可能みたいだけど
色々と制限があるみたいだから、出来ない場合の方が多いようで
そんな制限とかを無視しているのは
さっきも言ったけど、あたしと姉様とラインさんくらいだと思う
『女神でも制限を無視できる存在は、ほとんどいませんから・・・順子を知った時は驚愕しました』
『愛理ちゃんの言い方だと、あたしが怖いみたいじゃない・・・少し悲しいよ~』
まあ、愛理ちゃんのあたしへの初見は散々聞いたから
今更悲しむことはないけどね
で、早速ラインさんにコンタクトしてみるよ
強い繋がりのある相手に対しては
場所が例え、あそこであっても
あたしとラインさんの友情を超えた愛でどうとでもなる
(まあ、本当は特殊な方法を使っているだけなんだけど・・・表現的にそれっぽいから言ってみただけ)
次元干渉の際に使用する女神のスキルを応用してあるのだけど
これに関しては、あたしとラインさんだけの秘密なので
ここでは、愛の力だと思って下さいね♥
対話相手:ライン=ルビー
コネクションホスト:沢渡順子
イグニッションスタート・・・