第四話:旅の途中その2 本当の世界の頂点登場
軽い感じで2個のスタンプを獲得したが
目的のために必要な数は・・・今のところ30個くらい
あくまでも最低数だから、予備も含めて50個は欲しいと愛理ちゃんは言ってます
実際に聖域を打破できるスタンプは試さないとわからないみたい
面倒な眠り姫だよね
とは言え、あたしも加担してしまっているから
全面的に責める事は出来ないのよ
『順子・・・お疲れ様です』
『愛理ちゃんのためにこの勝利を捧げます』
よし、決まった・・・
わかりやすく、照れてくれてるね
これだから、愛理ちゃんは可愛い・・・最上級の女性だから
『大好きな相手の行為は無駄にしては、ダメですよ愛理さん』
『わかっています・・・順子の想いは把握していますから、私も好きな相手に捧げられたら嬉しいですから』
うふふ、相思相愛確定ってことね
自他共に認めるラブラブカップルだもん
これ以上・・・いいえ、更に燃え上がる愛を貫こうじゃないの
『あたしの事、本気で恋愛として対象であってくれるのね・・・』
『・・・今のところは、順子を愛しているわ』
今のところ!?
う~ん・・・まだ彼女の繋がりが残っているのかな
永遠を誓った相手を越える事は、あたしにはできないの??
『愛理ちゃんは、あたしとはあくまでも遊び感覚って事なのね・・・ショックだわ』
『順子さんが遊び感覚だと思っていました・・・意外と一途だったりするから』
心外ね、唯ちゃんはたまに毒を突き刺してくるから怖いわ
意外って何よ!!
あたしはいつでも一途なんだから~!!
こういうのは、見た目や行動で判断されてしまうから
あたしって損な感じ・・・
でも、逆に軽く思われているなら
その通りにしてみようかしら
唯ちゃんに対して興味があるから
浮気だと言われようとも、愛理ちゃんも本当の想い人が居るみたいだし
嫉妬するか試す意味合いでも
ちょっとアプローチしてみよっと
『そんな事言うなら、そんな順子を演じてもいいのよ・・・唯ちゃんには興味あるし♥』
さてと、愛理ちゃんと唯ちゃんの反応を楽しみましょうか
あたしって、悪い女ね
ふふふ・・・
『順子さん・・・あまり脱線しますと、わたくしは帰りますわよ~♪』
うわ・・・ニコニコしながら、この威圧感
自重しろと言うのね
恋多き女神な順子を嫉妬しているの??
それとも、早く戻りたいだけ・・・
そうよね、折角のダーリンとの時間を割いて来てくれたんだもん
あたしも長として
抑えるところはしっかりとしないとダメね
『栞さん・・・ごめんなさい、メリハリは付けるわ』
ナビます:トマ「全く、これだから順子は使えないトマ~!!」
ここに来ての暴言
この使えないマスコットに言われたくないわ
旅が終わったら、簀巻きにして黄泉に送ってしまいましょう
トマを少しお気に入りだった由佳ちゃんには悪いけど・・・
『順子、次のスタンプの反応は・・・このあたりです』
ナビますより愛理ちゃんの方が優秀じゃない
何で、こんなのが【L】の技術で存在するのかな
信じられないわ
どうやっても消せないし
聖域崩壊させても復元してくるし
無敵な部分が、更に許せない
『トマよりも使えるパートナーよね・・・愛理ちゃんは“あたしの嫁”的な』
『・・・順子の嫁!? 私がですか??』
あれ、この発言は失敗だったみたい
どうしてだ??
あたしが嫁の方がいいのかしら・・・
『愛理さんは順子さんのお嫁さん的なポジションは不服なんですか??』
直球な質問ね
唯ちゃんが代弁してくれたから・・・これ、愛理ちゃんの答えを待ちましょうか
・・・・・・
珍しく、沈黙の時間が長い
否定も肯定も比較的迅速に行う愛理ちゃんなのに
これは本心の葛藤があるってことだよね
本気であたしとの関係を悩んでくれている??
『あたしが愛理ちゃんの嫁になった方がいいの??』
『・・・え!? 順子が嫁ですか??』
即答できない愛理ちゃんに発破を仕掛けてみたのだけど
あまり意味はなかったみたい
そして、どうやら迷宮入りしてしまったようで
『次のスタンプの場所へ急ぎましょう・・・』
まあいいか・・・どっちでも、あたし的には構わないし
この旅が終わった後でも、二人きりで問い詰めればいいから
順番に片付けていくのみよ
最悪、新たな事象してしまえば
もう一度、考える時間もできるし
本当は勝手にはまずいのだけどね
愛理ちゃんのためになら、使っても問題はないだろう
『そうね・・・愛理ちゃん、行きましょうか』
当面、愛理ちゃん重視で進めていこう
少し悪いけど任せると安心感が一番あるんだもんね
ナビ専門の何かもあったけど・・・まあ、そんな事はどうでもいいの
『順子さんは、本当にトマさんの事を嫌ってますわよね??』
『栞さんもですよね、潰してますし・・・』
あたしもだけど
栞さん・・・形変わってるくらい握り潰してるし
いつの間にか、胸のポケットにしまってるよ
怖いわ
『ラインさんから聞いていた、ツイールさんに関しては追求した方がいいのかな??』
ふぁっ!?
唯ちゃん、というかラインさんめ・・・
全く、あたしだって怖いものは怖いんだぞ
リーアだってツイールだって、危険な存在だってわかってるよね
『・・・唯ちゃん、あたし基本ツイール関連はノータッチなので・・・自分で対処してね~♪』
ニコニコしながら、あたしを見る栞さんの視線が怖すぎる
個人的に唯ちゃんはいいんだけど・・・栞さんと絡みが加わると面倒です
『そうですか、わかりました・・・あたしが勝手にしてもいいんですね、知りませんよ』
なんだろうね・・・
あたしに対しての風当たりが強いよ
特に唯ちゃんは、歩み寄ってくれているのかと思った分
突き放された気持ちになってる
メンタルは弱かったりするから、注意しないとね
愛理ちゃんにも再三再度忠告されているから
『唯ちゃんがどうなろうと、あたしには関係ないし・・・弱った隙を襲うのみよ!!』
『唯さんを襲うなんて・・・順子さんも悪い人ですね』
この話題は、早く変えた方がいいな
あたしだけが不利に作用していく気がしますね
愛理ちゃんは、基本介入してこないし
助けとなる由佳ちゃんはいないし
『栞さんと唯ちゃんで勝手にしてよ・・・本気であたしは別件で忙しいというのに~!!』
『順子は、無駄な考えを捨てるべきです!! 変に気負いすると、頂点の座奪われますよ』
手厳しい愛理ちゃんの言葉
痛感していますから・・・もっと、あたしに優しく微笑んでくれないかな
あの笑顔が、また見たいね
本当に制限しているみたいに、あまり笑わないから
『相変わらず、不安定なんですわね・・・ふふふ、順子さんは遊び甲斐がありますから』
完全に上からな栞さんの発言
実力では、圧倒的にあたしが上なんだから
女神の特性をフルに発揮してくる始まりの女神たちは嫌いよ~!!
単純な力比べでは勝敗を決められないし
すぐに心を揺さぶってくるし
折角、女性同士でラブラブとかゆりゆりとか楽しめると思ったのに・・・
無駄に真面目だから、比較的に同期じゃないと理解してくれないし
強引なアプローチをして、その気にさせるしかないかな
『あたしは、女神同士で楽しく遊びたいだけよ!! 愛理ちゃんも栞さんも唯ちゃんも、あたしと遊びたくなるようにしてやるんだから~♥♥』
欲望を完全解放
これも女神の特権なんだから
色々な制約があって、大変な分
より自分を自由に出来るのよ
しかもね・・・ほぼ限界は皆無に近い状態で無尽蔵な力を発揮できる
身も心もその力に飲まれない限りは、永遠な存在として君臨可能なの
これが女神の真骨頂とも言える部分かな
わかりにくいと思う方は、あたしたちの旅を見守ってくれれば
順に説明をしてくれる美少女が沢山出てくるよ
素敵な魅力を振りまきながら、あたしの心を満たしてくれる
何て素晴らしい世界なんだろうって思う
作り上げた幻想なんだけどね
今のあたしたちにとってはこれが現実であるから
全力で生きるのみ・・・なのよ
『聞いていた順子さん、そのままです・・・少し、疑問な部分もありましたが安心しました』
『ラインさん、何を吹き込んだのかしら・・・唯ちゃん、どんな風だと聞いたのよ!?』
双子のようだと、不思議な感覚だったラインさんとの対峙
あたしが電脳異空間に侵攻した際と
ラインさんが、リーアと共に様子見しに来た際と
直接的な接触は2度だったけど
それ以外でも、何度かすれ違い気味で遭遇しそうな場面もあった
情報のみのやり取りは無数に行っているから
色々と唯ちゃんに提供したのだろう
『素敵な女性だと言ってましたよ、襲われないように注意しろって忠告してました』
『ふ~ん・・・そう、ラインさんに仕返しを考えないとダメね』
そろそろ、愛理ちゃんが武闘派に変貌してしまいそうだから
スタンプ回収を急ぎましょう
自動で集まる装置とかないのかな・・・
何て、愛理ちゃんに以前話したら
全力で頬を叩かれました
あの痛みは今でも忘れないよ
『何ですか!? 私をジッと見つめて??』
『え?! 愛理ちゃんが可愛いなって、思って見とれてた・・・のよ』
あ・・・っと、つい本音を言ってしまった
愛理ちゃん、恥ずかしそうにしてるし
あまり、責めると逆効果だろうから・・・注意しておかないと
『ごめんね、愛理ちゃん・・・あたし、変な事ばかりで不快に思うならはっきり言って構わないから』
『順子の事は把握しているつもりです、別に不快には思いませんし変だとしたら自分を否定する事になるでしょ・・・あなたは私を本気で好きなんですよね??』
『当然です、愛理ちゃんは世界で一番素敵な女性です・・・あたしの中で最も上位な相手なのよ』
『・・・でしたら、自分を貫いて下さい!!』
よし!!
誠意伝わったみたいね
察してくれているだけでは、ここまでの感じではないよ
絶対にないよ
『愛理ちゃん・・・大好きです!!』
勢いで愛理ちゃんにキスしてしまいました・・・
どうしよう、流石にまずかったかもしれない
折角、傾きがいい感じに向いてきたかと思ったのに~
どうも、欲望を抑える事は難しいね
『今回は・・・私も気持ち的に、順子の想いを把握したと言った以上流れであっても受け入れる気でいました』
嘘じゃないよね??
愛理ちゃんが、あたしのキスを受け入れる気持ちだったなんて
偽物とかじゃいよね??
眼鏡デバイス越しで愛理ちゃんを見る
普段から、見てる姿と同じだった
幼少期より視力矯正をしている
コンタクトは、姉様にあたしに合わないと止められていました
だから、眼鏡をずっと着用していました
後に判明した事実があって
姉様の嗜好であたしをモデルに眼鏡姿な感じにしたかったらしい
愛理ちゃんもだけど、二人して眼鏡を愛でるために
メンバー全員に眼鏡をするようになった
更に別の世界から来ている唯ちゃんも眼鏡をしている
ジオクロニクルの基本データに眼鏡デバイスがあり
古の時代から、眼鏡がこよなく愛されていたのかな
単なる矯正のアイテムではなくて
情報ツールとしての最大ギミックだったりする
『順子さん、愛理さん・・・二人の愛は、あたしが見守っています!!』
どうした、唯ちゃん!?
と、思ったが・・・どうやら、また敵みたいね
巨大な事象の集約を強引に行おうとする際
常に抗おうとする存在が出るのよ
特に女神は、その状況に敏感に反応してしまうから
『唯ちゃんは、他人思いの優しい少女だったのね・・・そのまま成長してきて、純粋な心が強さになった感じみたい・・・これは、本気で女神の柵を打ち壊す事できるのかもしれない』
何て、思ったりして
まあ・・・今度こそ唯ちゃんの力を見る事ができるかな??
『覇者としての役割もあると思いますが、心から素直に行動する事を忘れないで下さい!!』
『愛理さん、ありがとうございます・・・優しさだけでは、全てを終わらせる事はできませんから』
これは・・・あたしを超える力を発揮する瞬間も見れるかもしれない
信じたくはないけど、常に女神も更新が存在するってことかな
でも、頂点として楽しく遊べる相手だから
余裕を持って見学させてね~♪
『それにしても・・・始まりの女神たちはやはり好きになれないわ』
基本的に古参な女神はわかりやすく無駄に戦闘力を放出している
制御というものを知らないのか
必要としないのか
無尽蔵な力を誇示させるかのようね
『沢渡順子~!! あなたの時代はここで終わるのよ・・・』
あらら、あたし目当てだったか
ふふふ・・・残念ね、新参女神にあっさり倒されてしまうなんて
あたしだけが常に目標だから、痛い目を見るのよ
更新される頂点じゃなかったから、ある程度は仕方ないけど
『あなた!! 新時代の女神をご存知ないのかしら、あたしなんかよりもそっちを目標にした方がいいわよ・・・まあ、既に遅いかもしれないけどね~♪』
少し挑発的な感じで、煽りを入れてみる
特にプライドの高い存在だと
この手の挑発は牽制として若干の効果がある
『・・・何よ、沢渡順子よりも強いと証明すれば~そんな新人なんてゴミ同然じゃない!!』
あはは・・・ある程度の効果はあったみたい
後は唯ちゃんにお任せね
『唯ちゃん・・・楽しみにしてるわ、沢渡順子の御前試合的な感じでいいかしら??』
『そうですね、一応そのように思ってみます・・・順子さま♥』
うわ~、完全にバトルモードじゃない唯ちゃん
あたしに対しても、そんな風に言ってくるのね
ふふふ、直接対決の時は・・・楽しみにしてなさいよ~!!
『ゴミ同然な相手に倒される気持ちを体感できるわよ・・・あなたはあたしに触ることすらできずに消えてしまうから、会話だけでも楽しめればね』
『そんな事あるはずないじゃない・・・』
移動速度に自信があったみたいね
話の最中に急接近して、不意打ちを狙ってあたしに攻撃を仕掛けようとしてきた
あたしの聖域に触れることのできるのは・・・
能力を超えた存在か、あたしの許した相手だけ
だから、何もしなくても基本的に触れることはできません~♪
でも・・・唯ちゃんが更に速度を超えてあたしの前に立ちはだかっていた
『くっ!! 邪魔よ、あなた・・・』
『うふふ、あたし相手じゃ不満みたいだけど・・・あたしだって、あなたが相手なんて不満よ!!』
思ったよりも好戦的じゃないの唯ちゃん
あの世界で過ごすと、戦い好きになってしまうのかな
それとも、ラインさんのが伝染したのかな
こんなピュアな唯ちゃんを・・・これは文句を言ってやる
一段落したら・・・絶対にラインさんに直接会って話をしないとダメだな
色々知りたい情報もあるし
いい意味でも悪い意味でも会いたい存在でもあるし
覇者が唯ちゃんになっているのにも関わらず・・・
そのまま電脳異空間の管理者を継続している謎もあるし
それに、小さな旦那にも挨拶したいし
まあ、とりあえずは・・・ゲームの攻略を優先してかな
余裕に構えている前で二人の女神が、あたしを取り合う戦いを行おうとしている
わけではないのだけど・・・そんな気持ちでこれから始まる様子を楽しもうかと思う
自分で勝手に妄想するだけなら、別に被害もないし・・・いいよね
『沢渡順子~!! どうして、戦おうとしない~!?』
『よそ見してると、あたしに倒されちゃいますよ~♪』
圧倒的な差があるね・・・
唯ちゃんが次元の覇者だって、知ったら
辞退するかな・・・それとも、率先して戦おうとするかな
あたしに挑戦してこようとしてるなら、唯ちゃんにも興味が出るだろう
『ジオクロニクルの最新情報で彼女の項目を見てみたら・・・あなたの興味が沸いてくるわよ??』
『こいつの情報・・・ん!? 美紅唯?! 次元の覇者となった存在だと~!!』
ふふふ、何か思い通りに反応するのね
凄く可愛いじゃない
簡単に終わらせるのは・・・惜しいかな
上手く、旅に同行するような仕組みを考えてみようかしら
スタンプ集めには、もう少し仲間を増やしても愛理ちゃんも文句は言わないと思うから
面白い作戦でもあるといいんだけど
それとなく、愛理ちゃんに聞いてみよう
デバイスの通信機能で愛理ちゃんに尋ねてみた
個人通話:デバイスチャット(順子⇔愛理)
順子:「愛理ちゃん、あの娘を味方に出来ないかな~??」
愛理:「順子、またですか・・・と、既に使えそうな方だと思いまして行動を仕掛けておきました」
順子:「あらっ!! 珍しいわね、いい能力でも持ってるの??」
愛理:「移動に関するスキルを豊富に使えるようですから、彼女を酷使させてしまいますが」
順子:「相変わらず、サディスティックね・・・あたしにもキツく当たるし~♥」
愛理:「・・・順子には任せられませんから、私の専属の使用人にします」
順子:「え~!? あたしじゃ不満なの・・・!!」
愛理:「順子は別に役目があるでしょ・・・私以上に忙しいのよ、自覚あるの!!」
順子:「わかってますって~愛理ちゃんに嫉妬してみただけよ」
愛理:「唯さんにもっと集中して下さい・・・彼女が一番危険なんですよ!!」
順子:「栞さんがある程度の抑制を行ってくれてますよね・・・」
愛理:「あなたが直接の対峙をするのですよ・・・私では情報を引き出せません、強すぎます」
そろそろ、愛理ちゃんが泣きそうになってきている
自分の許容外の出来事に対して、意外と脆い部分があるのよね
もう、やめておこう
順子:「ごめんなさい、あたしがしっかりとしないといけなかったのよね・・・愛理ちゃんに負担なんてかけさせないから~!!」
真面目過ぎる愛理ちゃんだから
こんなあたしに対してでも、全力で助けてくれるの
冗談のような話であっても、本気で対峙してくれるの
ここまであたしを本気にさせてくれた存在は・・・愛理ちゃんだけなの
世界の頂点を目指した時期も、愛理ちゃんと二人三脚で頑張って来たんだもん
でも、愛理ちゃんの比重が大きかったから
そんな愛理ちゃんを当たり前のように頼ってきて
だから・・・これからは、あたしが率先して頑張るって決めたのに~!!
『愛理ちゃん・・・もう、抑える必要ないよね?? あたしが本気で動くから』
『唯さんと対等にするのね・・・いいわよ、世界はもう完成していますから』
既に唯ちゃんが戦いを始めるでもなく
羽交い締めにして、終息な感じとなっていた
『これが次元の覇者の実力か・・・美紅唯~!! 負けだ、潔く消してくれ・・・』
そう言えば、愛理ちゃんが行った工作って何だろう??
このまま唯ちゃんが消してしまいそうな勢いだよ・・・
あれれ、ちょっと~どうなってるの
『あたしの勝ちなんだよね・・・だったら、勝手に決めても構わない??』
『ああ、構わないです・・・あなたの好きになさい』
相当プライドの高い方みたいね
ここまできても、まだ心が完全に折れていない
『あなたの身体を媒介に使わせてね・・・愛理さん、準備できましたよ』
『唯さん、ありがとうございます・・・座標固定、転移:沢渡一華』
━━━━姉様!?
愛理ちゃん、何をしているの・・・
どうして??
『愛理・・・サンクス~♪ 順子、サプライズよ・・・驚いた??』
あたしの姉である沢渡一華が召喚されてきた
女神の存在があれば、フラッシュゲートを使えなくても自在に意図的な空間転移を可能とできる
姉様を召喚した理由は・・・あたしの抑制だろう
真面目な愛理ちゃんの事だから
あたしの管理を姉様に任せようとしたのかもしれない
『姉様、別にサプライズで登場する意味無いと思うのですが・・・あたしは驚きませんよ』
『妹の行く末を隣で見守るのは姉の基本的な想いだと考えるが・・・違うか!!』
深く追求するのは、面倒です
単純にあたしの演算では姉を論破する事はできませんから
素直にシスコンな姉を慕っていれば、あたしも嫌いではありませんし
昔はあたしも姉様を大好きだった時期もあるし
今でも少しは好きな部分もあるかな・・・
『一華さん!? ラインさんにそっくりな・・・おお~!!』
下から舐めるように姉様を見る唯ちゃん
確かに、ラインさんと姉の一華はあたし以上の双子みたいだった
対峙した時は・・・初めてなくらい、姉に対して疎外感を覚えた
くらいに見た目と、性格や行動などが似ていた
『順子・・・誰だ、この可愛い娘は??』
『ラインさんの刺客の美紅唯ちゃんよ・・・』
今度は、お返しとばかりに
姉様が唯ちゃんを食い入るように見ている
更に身体中を触ったり、突いたり、揉んだりしている
『一華さん・・・やめて下さい』
唯ちゃん、悶えてクネクネしている
わぁ~、あたしも同じ事したい・・・もしくは、姉様にして欲しい
う~ん・・・欲求不満かな
愛理ちゃんの見ていないところで、試してみよう
『・・・女神になってから、スキンシップだけでほぼ相手の事がわかるようになってな・・・唯はアクアという存在を探しているのか??』
『アクア!? はい、消息不明なんです・・・一華さんは何か情報ありませんか??』
これは・・・時間がかかるパターンじゃないのかな
愛理ちゃん、何で姉様を呼んだのよ!!
これも作戦のひとつなのか??
『愛理ちゃん、こうなるってわかっていたよね?? 意図的・・・なの??』
『あなたではなくて、唯さんを監視してもらうために呼んだので・・・このあたりは予定調和です』
あたしじゃなくて、唯ちゃんを姉様に任せるのか・・・
これは、唯ちゃんも苦労するだろうな
ラインさんも、流石に姉様の対処法は教えてないだろうし
『より、順子・・・あなたと更に親密になりたいと思っただけです』
ふぉっ!?
何ですと・・・これ以上親密にって
完全にラブラブモードじゃない
ここまで愛理ちゃんが、歩み寄ってくるなんて
確実に親密度を稼ぐ行動を率先していこう
この流れで栞さんを由佳ちゃんと交代させた意図もわかってきたし
愛理ちゃんがあたしに対して本気だと思っていいみたい
栞さんは、あたしと愛理ちゃんがキューピット的に今の旦那との仲を取り持った恩義を感じてくれて
特にあたしと愛理ちゃんに関しての行動は察して上手く流れるようにしてくれるから
『・・・栞さんと姉様を踏み台にあたしとの愛を頂点まで進めたいなんて、愛理ちゃんも可愛いじゃない』
パシッ!!!
ううっ~愛理ちゃんに平手打ちされた
『ごめん、愛理ちゃん・・・』
『愛情の平手です!!』
嘘!?
愛理ちゃん、壊れちゃった??
どうしよう~逆にやりにくいよ・・・
ここで躊躇はしない
折角、愛理ちゃんが本気になっているんだもん
あたしがそれに応えなくて、どうするのって感じよ
『愛理!! スタンプの目星はどうなってる??』
おっと・・・急にあたしの横に姉様いるし
唯ちゃんを愛でていたはずじゃなかった??
あ・・・唯ちゃん、ぐったりしている
うわぁ、怖すぎるな・・・あたしの姉は
ほぼ初見で次元の覇者を瞬殺だもん
『一華さん・・・再開後に二個獲得しました、三個目の場所は把握しています』
『そうか、相変わらず仕事早いな~でも、ペース上げて行かないと間に合わないぞ』
あたしをスルーして、愛理ちゃんの背後に移動している
これは・・・また、あれをする気だな
コンプレックスなんだから、姉様やめてあげてよ~!!
『おい、順子!! そんな怖い顔するな・・・もうしないから安心しろって』
『言いながら、愛理ちゃんの胸を揉むのはやめて下さい!! あたし本気で怒りますよ・・・』
珍しく、無表情で姉様の愛撫を自分で払っている
これはあたしに対しての何かしらのアピールかな??
ずっと、あたしを睨んでいるし
『姉様、揉むなら・・・あたしの胸にして下さい、あたしは拒みませんから』
って、何を言い出したんだろう・・・
欲望が丸出しじゃないか、あたし
しかし、思っていた反応ではない風に進む事になる
『順子・・・別に私をかばう事はしなくてもいいですよ、お姉さんに悪いですし』
『これ私が一方的に悪いようになってるじゃないか~順子も愛理も私の事嫌いだろ!!』
う~ん・・・どちらにも答えにくい
中途半端な状態が一番、面倒になるからはっきりと答えた方がいいわ
『愛理ちゃん・・・かばうつもりはないの、単純にあたしが姉様の愛撫を受けたいだけです』
『自分をもう少し美化してもいいのでは・・・順子は、変に正直なところありますよね』
うっすらだけど、笑ってくれた
冗談として捉えてくれたみたい
普段の行いが悪い分、良質に見えたのかな
『姉様の事を嫌っている存在なんて・・・あ、無数にいますね』
『おい順子・・・誘ってるのか、私がそんな簡単に動くと思っているのか~!!』
あっさりと誘いに乗る姉様だった
皮肉を言った際は、姉は妹であるあたしをほぼ100%の確率で襲ってくる
そして、案の定その行為が発動した
『順子!?』
『愛理ちゃん、平気だから・・・少し目を閉じてて』
流石に目の前で姉様に胸を揉まれている姿を愛理ちゃんに見られるのは
かなり嫌だったりする
行為自体は・・・姉様のテクニックが、って何を言わせるのよ~!!
色々と言われるだろうけど、気にしない方向で言います
昔から、姉様からよく愛撫を受けていましたが
本人曰く、スキンシップだからと軽い気持ちで男女関係なく身体を触って
更に・・・女神に覚醒した後は、特に初見の相手の情報を得るために行っています
されるままに、姉様の両手を胸に感じつつ
漏れそうになる声を我慢して
『何だ、そういう事か・・・順子、かなり不安みたいだな』
『これだから、姉様のスキンシップは苦手です・・・全てお見通しなんだもん~!!』
他にも居るのでしょうが、姉様の触診は的確に情報を引き出すから
心境とかも、筒抜けになるのよ
『家族なんだから、悩みとか打ち明けてくれてもいいんだぞ・・・寂しいじゃないか』
そんな事言われても
話がややこしい方向に、いつもなるから
絶対にこちらから話すのはしない
発覚してしまったから、確実に親身になって相談をしてくるよ・・・
『今は、スタンプだけに集中して下さい・・・愛理ちゃんからも釘刺して~!!』
『・・・あ、終わりましたか?? 妹想いもいいですが、終わってから束縛して下さいね』
うう~愛理ちゃん・・・その言い方だと
姉様が怖い感じになるよ~
別の意味で不安になってくるじゃない・・・