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第三話:旅の途中その1 世界の頂点、順子初陣

旅には、ハプニングも素敵なスパイスな時もあるよね


などと思いつつ

さっきの唯ちゃんの勇姿を思い出す


と、言っても

一瞬で終わってしまって

若干・・・いや、かなり拍子抜けはしている


大差のある感じだったが

一応、相手も女神だったから

少しはと淡い期待も、微塵も感じさせない


そんな、ワンサイドだったからね


『唯ちゃんの戦いを本格的な形でみたいかも・・・』


同じ事を由佳ちゃんも感じているみたいね

まあ、実際にそれを見る機会が来るのは

あたしが相手をしている場合じゃないのかな


『由佳さんが相手してくれるなら、本気でできるかもしれませんよ~♪』


あ・・・あたしじゃなくてもいいんだ

少し、寂しく思ったのはナイショね


『唯さん、私でもお相手しますが・・・どうします??』


科学者モードから、武人モードに・・・

あたしでも手に負えない愛理のバトルスタンス

これを知った時は、本気で死を意識したよ

女神にも絶対的な致死が存在する

次元を空間ごと斬る愛理の必殺技

ジオクロニクル史上で最強の武器【次元刀ディメンションブレード】の継承者だった


『ラインさんに注意されたでしょ・・・唯ちゃん、相手ならあたしがするから・・・愛理はダメよ』


こんなところで愛理の戦いなんて起こされたら・・・

あたしが耐え切れないよ


『順子に免じて、今のはなかったことにします・・・由佳も軽々しく発言しないことです』


『愛理ちゃん、ごめんなさい~!!』


天球の影のリーダーの愛理だからね

あたしも本気で戦うのは、絶対に嫌・・・

唯ちゃんも好奇心で無謀な事はしないと思いたい

目的があるなら、終わるまでは大人しくしてて欲しい


『旅は始まったばかりだから、これから唯ちゃんの勇姿も沢山見れると思うよ』


愛理ちゃんと由佳ちゃんの両方に対して、何であたしが気を使ってるのだろうか

どちらかというと、二人があたしに気を使うのが普通じゃない

あたしの方が立場的に上なんだよ

仕事とかではないから、あまりそのような関係を強要したくないし

折角、お友達な感じで楽しく過ごしてきているのだから

このままを維持できるのが一番だと思うの


『いつから私が影のリーダーとなったのですか・・・順子!?』


『はい?? 何を言ってるの愛理ちゃんがそんな訳ないじゃない・・・』


変なところで、あたしの思っている事を追求してくるよね

パフォーマンス的な冗談じゃない、お茶目なあたしの戯れだと流してくれればいいのに

もう・・・真面目に確認しなくても


『順子さんを動かしているのが愛理さんだったのですか・・・あたし、愛理さんには逆らいません!!』


謎の抑止力が唯ちゃんに作用しているみたいね

あたしが見た目軽い感じだからか


『唯ちゃん、冗談を真面目に捉えないでよ・・・って、何故ニコニコしてるの??』


『・・・あたしは、愛理さんの発言を信じただけです』


ちょっと~!!

何よ、この仕打ちは・・・

唯ちゃんが愛理ちゃんと仲良くなってしまう


『順子ちゃん、嫉妬してるの・・・愛理ちゃんを取られちゃうから』


『そ、そ、そ、そんな事は・・・ないって、あたしが何で嫉妬しないといけないのよ』


由佳ちゃんは、あたしの動揺を楽しんでいるな

これは・・・相当の不利な状況だぞ

早く、スタンプを探しに行こう

威厳を保てなくなる・・・


『順子ちゃんが、親しみやすいだけだと思うよ・・・由佳は順子ちゃんの事、大好きだよ~♪』


これは・・・アメムチ

由佳ちゃんにも踊らされてる??

完全に3:1(愛理&由佳&唯VS順子)な構図だよね

結託していないようで、三人があたしに対して交代で攻めて来るよ


こんな窮地でも、あたしは負ける気はしない

だって、世界の頂点である“沢渡順子”よ!!

ラインさんの刺客だろうが、次元最強の武器の保有者だろうが

まとめて、かかってこい・・・なんてね~♥♥


『愛理も由佳も唯も、あたしの配下よ~うふふっ♪』


上機嫌な風を装ってみた

これくらいしないと、あたしの気持ちが折れるわ


『順子の強気な姿勢・・・いつも通りね、少し安心したわ』


『そうだね~順子ちゃんの専売特許みたいだからね』


長い時間を一緒に過ごしてきた、愛理ちゃんに由佳ちゃんは

あたしの事を熟知しているようだから

いつも通りだとアピールしていることも把握してるのかな


『女神の発言には、力が宿るから・・・順子さんは、それを駆使しているから頂点に君臨できるのか??』


『唯ちゃんも同じなんだから、率先して活用するべきよ!!』


先輩として、しっかりとアドバイスを行うことも重要

人生でも女神でも女としてもよ

全てにおいて唯ちゃんをリードしたい


『反応が一番強いエリアに到着しました、順子・・・あれを見て下さい!?』


『あれって?? お、あいつか・・・あのサイズで目立つとか、凄いわ』


例のナビますが踊っていた・・・

しかも、スタンプの上で

無視できないようにしてきたか


『あれが・・・ナビますですか、サイズ感は可愛いですね』


『サイズ感はね、あたしも悪いとは思わないけど・・・ビジュアルは最悪よ』


若干の躊躇をしていた、あたしと唯ちゃん

由佳ちゃんも、好きだと言ってたけど

流石にあれには介入するのは、難しいようね


『あなた・・・一応、仕事は忠実にしてくれましたか』


有無を関係させない愛理ちゃん

死角から、スタンプごとあいつを鷲掴みしていた

完全にネタ潰しだよ

怯えてるし


『愛理ちゃん、スタンプいいかしら??』


無言でスタンプを手渡す愛理ちゃん

そろそろ、握っている手を離してもいいんじゃなのかな


獲得できるスタンプは、様々あり

今回みたいに地面に落ちている場合もあるが

基本的に何かしらのオブジェにあったり

洞窟や塔などのダンジョンの奥地などにあったり

ボス的なドロップとかね

ゲームだし、難易度があるのよ


『ノーマルクラスか・・・活性化アクティベート!!』


レベル12の能力を保有していないスタンプだった

この手のスタンプは、既に使用済みの能力だったりする場合もあり

コレクションには未使用のバージョンで記載できるので

コンプリートを目指す際には、とりあえず活性化アクティベートさせて

一度、自分の保有扱いにしておくことが基本だったりする


まあ、今回のスタンプは既に記載されているようで

データにはNEWが出なかった


『牽制には使えるかしらね・・・でも、ビギナーでもないし必要ないか』


『トマちゃん、相変わらず不発ね・・・でも、由佳が慰めてあげる』


愛理ちゃんから、強引に引き取り由佳ちゃんが自分の谷間にしまっていた

あれをできるのは、あたしと由佳ちゃんだけね

愛理ちゃんは・・・うん、察し

唯ちゃんも可愛いけど、サイズ的に微妙か


ナビます:トマ「由佳の温もりは、癒されるトマ~」


『由佳ちゃんは、よく入れられるよね・・・あたしは、無理!!』


『そう?? 由佳はトマちゃん入れるの楽しいよ、微妙な感触もちょっと興奮するし』


え・・・由佳ちゃんは欲求不満なのかな

真佐夫君と最近、ご無沙汰だったりするのか・・・

一旦、別の誰かと入れ替えて

由佳ちゃんと真佐夫君の時間を設けようか


『由佳ちゃん、入れ替えしようか?? 真佐夫君成分を補充してきていいよ』


『・・・うんっ、順子ちゃんが構わないなら』


戦力的には、唯ちゃんで十分だろうから

温存という形で由佳ちゃんには休憩しててもらいましょう

それで、代わりに誰を入れるかよね


『順子・・・また、勝手に決めてしまって』


『いいじゃない、梢あたりが適任かと思うんだけど・・・』


わかってるのよ、愛理ちゃんが緻密な計画をしっかりと構築してくれている事なんて

でもね・・・由佳ちゃんが、あれで欲求を解消しようとしてるのよ

あたしには、見るに堪えないの


『愛理ちゃん、あたしは由佳ちゃんのために一時的な休息をと思ったの・・・』


『・・・私には出来ませんから、気持ちがわかりません!!』


あたしを見る視線が顔ではなくて、その下の二つの山を睨むように

う~ん、仇じゃないのだから

そんなに怖い顔しないでよ・・・


『じゃあ、由佳ちゃんの代理は愛理ちゃんが決めてよ・・・それなら、いいでしょ??』


渋々承諾してくれるかと、打診してみました

少し考えて


『わかりました、こちらの味方にします』


??

味方って、どういう事かな・・・


『あたしは、サイズとかあまり気にしないようにしてきてるけど・・・順子さんや由佳さんを見ると、やはり大きい方が素敵だと思ってしまいます・・・』


そうか・・・愛理ちゃんは、サイズ的に味方を代理にするつもりね

単純にあたしだけが目立つ状態になるだけだし、それでも問題はないか


『それで、誰を呼ぶの??』


『あくまでも戦力的にです・・・栞さんを呼びます』


梢でもよかったのでは・・・

よりによって、栞さんを呼ぶのね

まあ、いいけど


『わかった、栞さんね・・・今、話してみる』


テレパシー:順子⇔栞


順子:「栞さん、今は平気ですか??」


栞:「・・・順子さん、どうしました!?」


順子:「旅を由佳ちゃんの代理で少しだけ同行をお願いできないかと思って・・・」


栞:「え・・・由佳さん、調子悪いのですか??」


順子:「う~ん、欲求不満みたいなの」


栞:「ご無沙汰とかですか・・・」


順子:「詳しくは、わかりませんが“ナビます”を谷間に入れてしまって」


栞:「あらあら・・・そうですか、では直ぐに向かいますわ」


女神専用のスキルで

特定の対象者と概念的な対話を行えるの

これは、かなり便利よ

時間もほぼ刹那で済まされるし


意識のない場合でも、死んでいなければ対話可能だし

覚醒させるために呼びかけも可能だから

昏睡状態からの目覚めとかね

死の淵から、戻ってくるように語りかける事もできるよ

100%成功するかは、別として


『栞さん、直ぐに来るわ』


と、あたしが言ったと同時に目の前に登場してきた

・・・ちなみに栞さんも女神だったりする

しかも、レジェンドクラスって最上級の女神なのよ


あたしよりは、劣るけど

苦戦は必死かな


『ごきげんよう~』


『ごきげんよう、栞さん』


相変わらず、栞さんの周囲だけ別の時間が流れている感じだ

世界を管理する女神は、それぞれに独自の時間を持っていたりするけど

栞さんに関して言えば

それが、目に見える形で現れている・・・みたいな


『由佳さん・・・わたくしが、代理で頑張りますから・・・そんな愚者は早く手放しなさい!!』


愚者って、優しい顔して妙に毒舌なのよね

愛理ちゃんもだけど

栞さんも敵にはしたくないわ


『トマちゃんは愚者じゃないわよ・・・それに、どうして由佳の代理なのよ~!!』


あらら・・・

由佳ちゃんと少しだけ溝があるんだった

まあ、真佐夫君に色々と慰めてもらって下さい


『由佳ちゃん、あたしが特別に真佐夫君との時間を設けたから・・・少し遊んできていいわよ』


『え!? 真佐夫と由佳で・・・いいの!! デートしてって事だよね??』


『栞さん、ほどではないけど・・・あたしもトマに関しては、いい印象じゃないの』


『順子ちゃんまで~!! 何でよ~!?』


仕方ない・・・今日は特別だぞ

極上のあたしの谷間を一瞬だけ提供しようじゃないか


『お~いトマ!? あたしの谷間においで、特別に許可するわよ』


ナビます:トマ「順子の悪意を感じるトマ・・・」


こいつ・・・危険察知能力は優れてるんだった

仕方ない、唯ちゃんにお願いするか


テレパシー:順子⇔唯


順子:「ごめん、あなたの身体を少し借りてもいい??」


唯:「・・・何ですか!? あたしを掌握する気ですか!!」


順子:「それでも、あたしは構わないけど・・・由佳ちゃんのために少しだけ、トマを誘惑しててくれないかと思ったのだけど」


唯:「あたしのお胸では不十分じゃないの・・・それとも、無邪気な乙女を演出する感じなの??」


順子:「そういうのは、自分から言わないのよ」


唯:「順子さんに言われるとは思いませんでしたが、今後注意します・・・基本的には表に出しませんよ」


順子:「やっぱり唯ちゃん、魔性の小悪魔じゃない・・・」


由佳:「乱入~!! 二人共、栞さんが片付けてくれるってトマちゃんもう栞さんの手の中よ」


順子:「あら、もう用済みか・・・唯ちゃん、ごめんなさいね」


唯:「あたしは何もしてないから、別に問題ありません」


由佳:「順子ちゃん、じゃあ由佳は帰りますね・・・また、旅が出来るように充電してきます」


これか、愛理ちゃんが栞さんを選んだ理由は

ショック状態でトマが栞さんの手の中で収まってる

無駄な気を使ってしまったじゃないか


『愛理ちゃん、またね~』


由佳ちゃんが消えていった

真佐夫君、後は頼んだぞ~!!


とりあえず、栞さんに交代した状態で

旅の再開です

計画的には、攻撃と速度を重視したメンバーとしたかったようで

愛理ちゃんが別ルートを再構築していた


ナビます:トマ「ナビゲーションはお任せトマ~!!」


自慢げに、立ち直ったトマが愛理ちゃんに向かって話しているが

一切無視した感じで黙々とデータ入力を行っている


『トマよ・・・愛理ちゃんに今は関わらないほうがいいぞ、刀で斬られるぞ』


冗談な感じで言ったが

本当の怖さを知っているかのように

大人しくなった


『トマさんは、本当の持ち主が使っている威力を知っているからですわね~♪』


栞さんがまた・・・トマを握り締めている

地味にお気に入りみたいね

制服の胸ポケットに優しく入れていた

まあ、とりあえず居場所GETできたな・・・


『順子・・・次の目的地は、ここでいいかしら??』


『どこにしたの??』


愛理ちゃんが新たに構築したルートで次の場所

そこへは、エメラルドの力を有した存在が必須なのね


『うん、あたしが頑張る感じね・・・いいわよ、愛理ちゃんがあたしを頼ってくれるなら頑張るだけ』


『順子さんのお手並みを拝見ですわね・・・楽しみにしてますわ~♪』


『あたしも順子さんの能力楽しみにしてますね』


栞さんと唯ちゃんも、あたしに期待しているな

よ~し・・・久しぶりにルビーからエメラルドにスイッチするわよ


『オペレーション:チェンジ・エメラルドシステム オープン~!!』


あたしの体内のメインはルビーなんだけど

ある方の形見として、エメラルドを頂いたのだけど

愛理ちゃんが両方を使えるように、双方のシステムを個々に構築してくれてね

火属性を主体とするルビーシステムと

風属性を主体とするエメラルドシステムがあって


『唯さん、順子さんの風属性は圧倒的なですわよ・・・特に速度は惚れ惚れですわ』


うふふ・・・栞さんに凄い感じで褒められた

唯ちゃんは、多重属性に関してはどのくらい把握してるのかな

ラインさんの旦那が六属性保有している方だったから

もしかしたら、話はしているかもしれない


『緑の順子さんも素敵ですね・・・あたしも似たような感じはできるけど、ここまで完全な違いはできない』


えっ!?

似たような・・・

冗談ではないみたいね

六色の悪魔シックスカラーのシステムかな??


『変身の途中で、サラリと凄い事を言わないで欲しいわ・・・唯ちゃん、少し黙ってて下さい』


思わず、強い口調で言ってしまった

あたし以上に、赤の魅力に満ちた唯ちゃんは

完全に主人公気質じゃないかなって思う

これは、本気で主役を奪いに来たって事でいいのよね


『思っている通りの仕様ですよ・・・あと、黙るつもりはありませんから~♪』


なんて恐ろしい娘なの

この世界であたしの座を狙おうだなんて

泣いてみたら、多少は動揺してくれたりは・・・無いかな


『こうなったら、全力で唯ちゃんを掌握する方向で本気勝負させてもらいます!!』


事実上の宣戦布告

この世界で火属性の主人公メインヒロインは、あたしだけでいいのよ

それでなくても、同じ血筋のライバルがいるんだから・・・


『順子、換装中に私語はしないで!!』


もう~愛理ちゃんに怒られたじゃない・・・

って、あたしが悪いのか

完全に唯ちゃんのペースで飲まれつつあるな


『愛理ちゃん、ごめんなさい・・・もう、完了したから』


よし、エントリーして

エメラルドアタックを開始しなくちゃ

宝石限定のアタックチャレンジって事は

レアスタンプを獲得できるチャンスじゃない

眠り姫の聖域に大きく近づけるわ


『リーア・・・待ってなさい、あたしがあなたを解放してあげるから~!!』


今いる大地は

ゲームの設定で作った世界ですが

実際のエルラウンドだったりします

あくまでも場所を勝手に借りている状態なのです


ですから、この地に眠る幻想を創造した女神リーアを救うべく

手立てとして能力を最大限発揮しての、あたしが頑張っているのよ


『順子、緑の輝きを超えてエメラルドチャレンジは久しぶりなのですから・・・慎重にですよ!!』


『うふふ、あたしを心配してくれるのね・・・嬉しいわ~♥』


色々とあるけど、やっぱり愛理ちゃんは・・・あたしの事が大好きなんだよね

社交辞令だとしても、そんな事であたしが萎えるとは思わないだろうと把握しているからの言葉だと

勝手に感じてしまっています


『このイベントは何をするの??』


『唯さん、わたくしが説明しますわ・・・』


う~ん、何で栞さんは耳打ちをしてるのかな

それも唯ちゃんが悶えてる感じだし

もしかして、栞さんも唯ちゃんの魅力にやられたか??


さり気なく腰に手を回してるし

これが、栞さんのリードの仕方か・・・

相方も苦労するだろうな

ぎこちない感じだったのに、今は一番ラブラブカップルだもん

全く困ったものだ


『はぁ・・・順子さん、頑張って下さい』


唯ちゃん、少し疲れてるな

愛理ちゃんはもしかして、ここまで含めた感じだったのか

ナチュラルに栞さんは年下に対してスキンシップをしてくるから

一番下の唯ちゃんが標的になっている


これは、あたしが主力で働かせる作戦だな

もう・・・愛理ちゃんったら、サディスティックなんだから~♥

この愛をしっかりと受け入れて、完全なる恋愛を継続しようじゃないか


『二組のカップルなテイストで・・・あたしは愛理ちゃんと栞さんは唯ちゃんを愛でる作戦ね』


『・・・私はそんなつもりではありません』


ふふふ、恥ずかしがってる

なんて可愛いのかしら、愛理ちゃん~♥

思い切り抱きしめてしまった・・・


『この流れは、わたくしもですわね・・・唯さん、よろしくお願いします』


その時は、存在自体を忘れていたから

栞さんの制服の胸ポケットに・・・アイツがいた事を

抱き合うと同時に、ぎゅ~って軽い断末魔のような声を上げていた

しかし、栞さんも唯ちゃんも無視なのか気付いていないのか

そのまま抱き合った状態だった


『順子・・・時間です、準備して下さい』


あたしに抱きしめられて、頬を赤く染めている愛理ちゃん

その気になってくれているみたいだね


よ~し・・・気力十分


精神的に影響する、宝石系のチャレンジだから

愛理ちゃんもあたしを駆使させるための愛を振りまいてくれたのね


『エルラウンドの周回軌道コースで風になってくるわ~♪』


空を翔る特設ステージよ

ワーム状の亜空間内を誰よりも速く駆け抜けるのみ

エメラルド保有者によるワンメイクレース

攻撃スキル不可のエリアだから

ひたすら加速のスキルを使い

コース上の障害物をパスする


あたしは生粋の風属性じゃないから

このあたりは、他に対するハンデでいいかな


負ける気は一切しないから

緑の世界を最速で駆け抜けるのみ

このあたしに勝てるのは光くらいだろう


『エメラルドシステム オーバードライブ~!!!』


空間を緑に染める大きな力

戦闘力の制限を撤廃して、この世界を超えるだけの数値を放出させる


あたしの魅力パワーランク最大~!!』


空のステージは、あたしのために輝いてくれる

エルラウンドの上空の周回軌道のコース

ほぼ参加者は揃っているみたいね


『主役は最後に登場するものよね・・・ふふふ、このレースも完全勝利のみ!!』


空間に浮かぶスタートライン

マラソンのような一斉に開始を待つ参加者

この世界の住人ではなくて、あたし監修のゲームプレイヤーで

同じようにスタンプを狙うためにレースに出場している


常に同じではなくて

報酬として、個数限定で上位に配布される


『ふふふ、常に1位なら確実にスタンプは貰えるから・・・作り手だとしても全力よ!!』


今回のスタンプラリーを終わらせるには

リーアにたどり着くこと

ゲーム的には、そこで終了になるのだけど


あたしたちの目的は、そこからになるの

聖域に居るリーアとの対峙をする

聞きたい事が山のようにあるのよ


唯ちゃんも女神の解放を覇者として行うために同行してくれるから

あたしやリーアなど、全ての女神の束縛から解放して

自由な選択を可能とさせたいのかな

個人的には、少しだけ待って欲しい

理想郷と言われる、ジオクロニクルの叡智を集約した【L】


この【L】と呼ばれる銀河にある楽園に行ってみたい


女神となった存在だけが

この銀河への移住を許されるとか

完全なる世界として

思い切り興味があるの・・・


カーレースのような、シグナルが登場する

5個の赤い光が点灯して1個ずつに消えてゆく

全て消えた瞬間がレースのスタートになる


どのくらいの能力を保有しているか、不明ですが

そんなことは、あたしに関係ない


スキルをキャンセルで発動させる

ジェットストリームを準備しているの

これ・・・実は攻撃スキルなんだけどね

後方に放出することで、加速スキルとして使えるのよ


これ、失格スレスレで

攻撃対象を空間に設定して登録してあるから

(愛理ちゃんの工作ね)

他にも同じ登録をしている参加者はいると思う

でも、圧倒的に違うのは

これを同時に6回分放出させる

単純に6倍の加速を実現可能としている


普通に身体が耐え切れないらしいね


あたしの自慢の身体には、不可能はありません

世界の頂点と呼ばれるだけのことはあるのよ

何と言っても【沢渡順子】は女神最強だから


自信だけでは、過信で終わるよね

実力を伴わないと

最強とは言えないよ


レッドシグナルが全て消えて

ブラックアウトとなり、レースが始まる


『ジェットストリーム、シックスアタック~!!!!!!』


ジャンプスタート扱いギリギリだった

演算を無視できる愛理ちゃんの開発したシステムを使用しているのだけど

スタートの際、規定の演算後の移動を最低値としているから

この最低値未満のスタートをすると

フライングで失格となる


この最低値を確実にできるように設定されているから

常にこのタイミングでスタートできる


これは愛理ちゃん以外の開発したシステムでは、相当難しいみたいで

今までにこのタイミングで同時スタートをしてきた相手はいない

居たとしても、シックスの加速に耐え切れる身体は存在しないだろう


まあ、ラインさんとか唯ちゃんあたりが参加してきて

戦いとなれば・・・わからないけど


先の事は、わからない

姉様なら知っているのかもしれないけどね

(あたしの姉である沢渡一華は未来の女神だったりするから予知的な事がわかるらしい)


直接の敵で戦わない限りは、味方の方を計算に入れてはいないだろうね

そんな状況になったら、あたしの自我が崩壊してしまいそうだけど


出力と速度の表示

愛理ちゃんの開発した眼鏡デバイスは

眼鏡越しに見える視野に計器類の数値が表示される


ゲームの画面に表示されるような感じで

様々なデータなども色々見れる


エメラルドエディション:バージョン10


出力:10万

使用スキル:ジェットストリーム×6(攻撃スキル)

     :オートバランサー(補助スキル)

     :グラビティアウト(補助スキル)

     :フライング(飛行スキル)


速度:1500km/h


まあ、軽くこんな感じよ~♪

生身でこれを制御するのは、流石にあたしでも難しいから

システムに依存しているけどね

でも、速度に対する耐久性は他じゃ真似できないわよ!!


トラフィックデータでも・・・この速度に追いついてくる感じもないし

圧勝のようね、当然だけど


はっきり言って、出来レースだもの


あくまでもゲームのルール上で仕方なく行っているだけであって

面倒な方法だけど、このやり方じゃないと他の世界に干渉できないから

特にリーアの聖域には、単独で突入も不可能だし

色々と制約とかね、縛りが無数にあるのよ


それを一斉に突破するための、あたしの能力でもあるからね

難しい手順を省略した感じかな


『さてと・・・最大加速で一気にトップチェッカーよ』


ジェットストリームはあくまでもスタートダッシュのための起爆剤でしかない

現段階で最高時速に到達するまでのラストアタック


『エメラルドシステム ファイナルアウト~!!』


第7の仕様

最終段階のシステムドライブよ


出力:30万

速度:3000km/h


言うまでもないのだけど

スタートから、終始1位での独走でした


『うふふ、あたしの優勝よ~♪』


面白みでゲームをしているわけではないけど

やはり・・・対等くらいな相手は欲しいかな

完全な目標とかを無視して、単純に旅を楽しみたいと思うからね


リーアに着実に近づいている

次のスタンプを愛理ちゃんに探してもらおう・・・

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