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Don't Touch!  作者: 鳴海 葵
番外編
58/127

「fortune-telling」 side Kana

香奈視点のお遊び小話です。

ちょっと息抜きしたいときに、どうぞ。

「相性的には、良いようです。北原くんは、しおりちゃんの好みに従おうとしてくれたり、しおりちゃんの事を大事に想ってくれる優しさのある方のようです。しおりちゃんの誠実さが伝われば、北原くんとしおりちゃんの仲は更に深まりをみせるでしょう。また、長く付き合えば、しおりちゃんの一番の良き理解者となり、生涯を共に歩むパートナーとなりうる可能性もあるようです」

「香奈、いきなり何よ!?」


 ケータイの占い結果を告げると、思ってたとおりの反応が返ってきて、私は思わず噴出しそうになる。

 お弁当を食べ終わり、眠たそうにしてたしおりちゃんの目が、ばっちりと大きく開かれた。


「何って、恋愛相性姓名判断」


 私はわざとにっこり笑ってしおりちゃんの顔を覗く。

 大きな猫目をますます吊り上げて、だけど口元は笑ってて。

 反論したいくせに、ぐっとこらえてるのがよくわかる。


「いいなー、しおりちゃん、北原くんとケッコンするんだね☆」

「け、け、け、結婚!?」


 表情を一変、思いきり嫌そうな顔をぶるぶると横に振った。

 黒くて長い、きれいな髪が揺れて肩にかかり、すべるように流れていく。

 しおりちゃんと同じクラスになったとき、整った顔で笑えば可愛いと思ったけど、どこか話しかけにくくて、近寄り難くて、まるでしおりちゃん自身が、全てを拒んでる気がしてた。

 だけど、それはただ彼女が不器用なんだってわかった。

 それでいて、たぶん、超鈍感。

 向かい合った机の向こうで、しおりちゃんは顔をしかめて肘をついている。


「だいたい、私のことを『大事に想ってくれる優しさ』なんて、あの北原が持ってるように見える?」

「だって、いつも隣にいるじゃない?」

「それは、むこうが勝手に……」

「だからー」


 そういうことなんだよ?

 もう、じれったくてイライラしちゃうよ。

 私だって北原くんのことが好きだけど。

 だけど、きっと叶わない。


「桜井」


 ほら、来た!

 北原くんの低くて柔らかい声。

 ああ、私も『相沢』って呼んでもらいたいな。

 私だったら喜んで笑顔で振り返るのに、しおりちゃんときたら、眉間に皺を寄せて、怖い顔で身構えてる。

 確かに北原くんの目は冷たいけど、そこまで怯えなくったってよくない?

 正直、しおりちゃんには妬けちゃうけど、そんなにまでびくびくしてるしおりちゃんを見ると笑いそうになっちゃう。


「ダーリンが迎えにきたね」

「だーかーらー、違うってばっ」


 しぶしぶ立ち上がって北原くんのところへ向かうしおりちゃん。

 本当に嫌いだったら、無視しちゃえばいいのに。

 それとも、そうできない理由でもあるのかな?

 でも、しおりちゃん、知ってる?

 北原くんがしおりちゃんを見るとき、彼の表情がふと和らぐのを。

 そして、しおりちゃん自身も、私たちとお喋りする時と違う顔してるんだよ。

 クラスでは愛想笑いが得意なしおりちゃんが、彼の前だと露骨に怒ったり、嫌な顔したり、すごく、素直になれてるように見える。


「お似合いなのになぁ」


 小さい声で独り言を呟くと、同時に溜息が出た。

 この占い、私と北原くんを占っても、それなりにいい結果が出たんだけど、それはしおりちゃんには内緒。

 私からの、ささやかでひねくれた、精一杯の意地悪だ。


占い結果はこちらのサイトを使用させていただきました → http://www.fgrow.net/forname/

一周年アンケートで「香奈視点」というメッセージをいただきまして、参考にさせていただきました!メッセージくださった方、ありがとうございます。

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