幼馴染に彼氏ができた?てか、もう別れたの⁈
オレには、美華という幼馴染がいる。
今日は、土曜日でお互いヒマ人だ。
なので、決まって美華はやってくる。
…はずだった。
なんで今日は、来ないのだろう?
風邪でもひいたのかな?
最近若いのに胸焼けがすごいとか、腹痛いとか言ってたもんな。
電話をしてみると、夢が叶ってしまったから、家から出れないとのことだった。
?
夢…
どういうことだ⁉︎
美華の夢って…
お嫁さんになることじゃなかった⁉︎
まさか、彼氏できたのかよ⁉︎
だから、オレと遊べない…ってこと?
…
次の日の日曜日。
美華は、やっぱりやってこなかった。
彼氏…できたんですね。
オレたちは、別々の高校に通っているので、お互いのことを知っているようで、なんにも知らない。
てか、好きな人いるなんてきいてない‼︎
聞きもしなかったけどさ…
いや、そんなことこわくて聞けないって…
…
落ち込んで一週間を過ごした。
落ち込むと、オレの胃袋も落ち込むシステムなんだということを、はじめて知った。
最近じゃ、食事すらまともにいただけない。
水すら、あまり飲みたくない。
しかし、水不足になるとくちびるがカサカサと騒ぎ立て、少しでも口をひらくと、ビリッとちぎれて、水をくれと騒ぎ立てる。
なんて厄介なくちびる。
なんなら、流血騒ぎまで起こしてきやがるから、とても厄介だ。
仕方なく、水を胃袋に流し込む。
うわ、なんてみずみずしいのだろう。
面白いくらい、すーっと流れ込みやがった。
ウォーター滑り台が、喉で完成した。
水と戯れていると、美華がやってきた。
⁉︎
え?
もう彼氏と別れたん⁉︎
「あれ⁉︎いいの?うちにきても…」
「うん、魔法は溶けたの。ドロドロに」
解けたじゃないのか?
とろけたとは…?
「わたしさ、常日頃プルプルのくちびるが欲しいって言ってたでしょ?」
「うん…」
「それが、先週叶いまして…呪われました」
⁉︎
「どういうこと?」
「あのね、エビの寿司を食べていたわけよ。うる艶くちびる動画みながらさ、、そしたらよ?お母さんがいきなり、あんたどうしたのよ⁉︎って、大きな目をふたつ見開いて言ってきたの。いや、お母さんこそ、その眼球どうしたのよ⁉︎ってなったの。でね、鏡を渡されたから、お母さんを鏡でうつしたわけよ。そしたら、お母さんじゃなくて自分をみなさいって言われて…みたらくちびるぷっくりよ」
…
「え、なにしてそうなったの?」
「わたしもわからなくてさ、でもくちびるぷっくり大成功じゃん‼︎ってなったと同時に、まぶたもぷっくりよ」
…
「え、それって…蜂?虫刺され?」
「アレルギーという名の魔法…」
「あー…そういうこと…ね。大変だったね。寿司大好きなのに、もう食べられないってこと?」
「まぁ…特定のやつ以外なら大丈夫かな」
「そっか。なんにも知らなくてごめんな。なら、他のやつ今度いっぱい食べに行こうぜ」
「うん…そうだね!もうくちびるぷっくりの夢は、叶ったし、諦める。それより隼汰は、先週なにしてたの?」
「まぁ、軽いダイエット…かな?」
「へぇ」
「なぁ、美華…」
「なに?」
「美華はさ、そのままのくちびるでも全然かわいいとオレは思うよ」
「えっ?ほんと⁉︎」
「うん。」
「ありがとう。でさ…わたしさ…あのっねっ…あのっ…」
⁉︎
いきなり美華の目からポロポロと涙が溢れ出した。
「えっ、美華⁈どうした⁉︎」
「実は…わたし…そう長くないの。」
…
「はあ⁉︎なんでだよ…」
ただのアレルギーじゃなかったってのかよ⁉︎
いきなりそんなのって…
お嫁さんの夢叶ってないだろ⁉︎
ぷっくりくちびるが叶ったからって…そんなのあんまりすぎるだろ…
「結婚しよう。美華」
…
「できないじゃん。まだわたしたち若すぎだって。」
「いいよ、若くてもなんでもいい。結婚式やろうぜ」
…
「隼汰、目立つのきらいでしょ?」
「そんなの全然だよ。オレは美華の笑顔が見られるんなら、きらいも好きになる」
「隼汰…」
美華は、救われたように少し微笑んだ。
「病気…そんなによくないの?」
…
「あと、数日かな…携帯ではね」
数日…⁉︎
早すぎるって…
てか…
えっ?
携帯?
「え、携帯の寿命?」
「違うよ。わたしだよ」
なんだ…
携帯の寿命であってほしかった。
「今、携帯がどうって言わなかった?」
「あー、うん。…携帯で調べたら、そうでたの。」
…
「ちなみに、病名って…聞いていい?」
「ないよ?」
⁈
ない…だと⁉︎
「アレルギーとの関係性は?」
「ないよ」
…
「ん?え?携帯で調べて判断したの?病院行かないで?」
「うん。だって、これみてよ」
携帯の写真をみせてもらうと、赤く丸く囲まれた文字には、ほぼもたないとかかれていた。
しかし、よくよくみてみると検索の部分に
みかん弱る腹痛いとあった。
え?
「これって…なんでみかん?」
って聞いてみたら、美華は目を見開いて
「あ、みかって入れたつもりがみかんになってる‼︎」
と、驚いていた。
…
おいおい…
これは、みかんの日持ちのはなしだよな…?
「てことは、美華はまだ健在⁉︎」
「待って、調べてみる!」
…
「暴飲暴食ってでた…」
「そうかよ‼︎そうかよ‼︎みかんじゃなくてよかったな‼︎」
「うん‼︎よかった。隼汰に相談してよかった‼︎わたし、まだまだ生きるよ‼︎じゃあ、お祝いに早速爆食いいく⁈」
…
「ほどほどなら、奢ってもいいぞ?爆食いは、しばらくお預けだな」
「えー、じゃあ結婚式も?」
…
「うーん…結婚式は…そうだな…必ずやろうぜ!とりあえず、予行練習としてドレスきて写真とる?何事も練習って大事だもんな」
「うん!その前に、うちらってまだ付き合ってないよね?」
「たしかに‼︎では、改めまして、ボクと結婚してくれますか?」
「はい、喜んで。」
「では、誓いのキスをします」
「はい」
⁇
いいんだ⁇
「では、失礼いたします」
オレは、ベールのかわりに美華の前髪をオープンした。
「ちょ‼︎おでこ全開‼︎」
「あー、ベールがなかったもんで。」
「もう、びっくりした!おでこチューかと思ったじゃん‼︎」
「ごめん、じゃあするよ?」
「はい♡」
チュー♡
その数年後、二人は結婚してきちんと式をあげました。
その際、誓いのキスのときに、おでこ全開事件を思い出して、クスクスと笑いあうのでありました。
おしまい♡




