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第3話  その1 「ワンダフル モーニング」

  朝のお屋敷、お嬢さまを起こしにお部屋に向かっていると

 

「おっルナリア 今日も元気だね!」

「おはようございます 早くから大変ですね!」

 

「あっルナリアちゃん、後で食堂においでクッキーあげるよ」

「わーありがとうございますぅ!」

 

 (ヤバい! わたしが爽やかよー!)


 このままクルッと回って手を伸ばしたら小鳥が指先に止まるの

「おはよう、小鳥さん。素敵な朝ね」

 

 朝の陽光を浴びながら素敵な笑顔で軽くターン

 合わせるように軽快なイントロが流れてきて

 

「♪お嬢さまを起こすの―― 素敵な朝に――」

 

 歌い踊れそうよー

 

 《透香プロセスにダンススキルのインストールが必要ですか?》

 (……要りません。この雰囲気台無しロボめ)

 

 どうしてこんな浮かれポンチなのかといえば、ここに来てからそろそろ1ヶ月が過ぎるんだけども何を隠そう、わたし優秀なのよ

そう超有能!

イヤ正しくはね。ルナリアが優秀なんだけどね。


 ゲーム的にならここはドジっ娘メイドで正解なんだけど、いかんせんメイド検定特級を自称するだけあってメイドに関しては実に優秀なのよ。あっという間にお屋敷の皆様からの評価も爆上がり。好感度もバッチこーい状態!

で、はっきり言って舞い上がってます


 だって前世では、ほぼ引きこもり同然でゲーム作ってただけだし。

お外、怖い怖いな人だったのに、そんなわたしが、みんなに笑顔で挨拶されてるのよ。

 

 こんな奇跡、まさにこれ転生物のカタルシスよね。

生きててよかった

イヤ死んでよかったか

イヤ死ぬのダメ、絶対!

 

『まだ眠いのに―― 透香、朝からテンション高すぎてうるさい』

《精神抑制プログラムで駆除しますか》

『プシューってやっちゃって』

やめて害虫扱いは

 

 さあ仕事 仕事っと


「お嬢さま。朝ですよ。起きてください」

カーテンを開けてっと

 

「うん おはようルナリア」

 

 セシリア様 意外と寝起きがいいのよね。

寝る時もベッドに入ったら5分かからないで寝ちゃうし、朝もスッキリ。

 

 ガウンをかけてあげて水差しから洗面器に水を注ぎながら

 

「今日は庭師さんからバラのお花をいただきましたので」

 注いだ水にバラの花びらを浮かべてあげる

 

「いい香りね」

 

 お嬢さまの洗顔が終わったら、ハーブティーを一杯お入れします。

もうすぐ給仕が運んでくる朝食のためのテーブルセットの準備してと

 

「お嬢さま今日はいかがなさいます」

「今日の予定は? 」

「午後からダンスとマナー。あと、地政学の先生がいらっしゃる予定です」

「じゃあそうね午前中は少し書き物をしてその後蔵書庫で調べ物をするわ」

「はい かしこまりました」

 

 給仕のノックの音が聞こえてきた――


 

 うん実に優雅、エクセレント アンド エレガント!

これぞ貴族だよね。


 で驚いたことにセシリアお嬢さま意外と常識人、ちゃんとお嬢さましてる。習い事だけでなく自主的に書き物したり蔵書庫で本を読んだりと、ほんと勉強家なのよね

そんな子に育てた覚えないのにってね。

 

 『でも透香が作ったんでしょう』

ルナリアAIの素朴な質問

 (それはそうなんだけどいくら自分で作ったゲームキャラだって、サブの「悪役令嬢」の設定なんて雑にしか決めないものよ)

 『ふーん、でも推しキャラだったんでしょう』

 

「推しキャラ」とかルナリアAIの語彙が上がってる

ちょっと偏り多い気がするけど……

わたしがラーニング元だから仕方ないよね


 (うーん、それはそうなんだけどね推しキャラだとしても、ゲーム開始前のサブキャラの日常設定なんて、作ってたらそっちの方が愛が重すぎて怖いって)

 《この世界のセシリアが透香のゲームキャラと、同一であるとの証明も検証不可能です》

 

 そう その可能性もあるのよね。


 (でもね、ここまでいい子なら意外とこのまま破滅ルートとか無いんじゃない)


 ええそうです。まさに今、フラグ踏みました。


 セシリア様がまともなんて思ってた、そんな時期がわたしにもありました。

 

 

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