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第4話  その4 「聖獣ユニコーンとトキメク⭐︎お嬢さま」

《コケコッコー!朝です。コケコッコー!朝です》


(変なアラームありがとう。おはよう、プラム。おはよう、ルナリア)

(今日はきちんと仕事しなさいよ、ルナリア)

『はーい』


 というわけで今日は通常通りAI制御の可愛いメイドで営業開始です。

 

 といってもルナリア(AI)も、わたし"透香"をラーニングしてあっという間にほぼわたし。さすがAI。だからいまでは余計なことを、口に出すか出さないかくらいの違いしかないのよね。


 着替えて急いでお嬢さまの部屋に到着。ドアを開けると

 

『遅いわよ、ルナリア。さあ行くわよ! いざ、ユニコーン捕獲ですわ!」

すでに起きてる。おまけにハイテンションです。

 

 とは言いましても、お嬢さま育ちだから自分で着替えたりとかの発想自体ないので、青白ストライプのワンピの寝巻きのままベッドに座ってるだけなんだけどね。


 で、早速お嬢さまの準備に取り掛かりです。


 今日は野外に行って走ったり転がったりするんだろうしなるべく動きやすい服装をチョイス。


 白のチュニックに赤染の革の胴ベルトと編み上げブーツ。

 髪も普段のツインテールからハイポニーテールの縦ロールにして、サーコート無しで赤に黒の刺繍の入ったフード付きのマント。


 そう、『赤ずきんちゃん』コーデよ


 整ったお顔につんとすました強気な目、後ろで束ねた黒髪が赤のマントに映える。


 映えるわー!


 さすがわたしのお嬢さま、もうドールよ! ドールの域だわ。可愛すぎて鼻血出そうです。

 

 と姿見に映るお嬢さまをエヘヘと後ろに立って愛でてると、お嬢さまがふいに下からわたしを覗き込んで

 

「ルナリア、鼻血出てるわよ」

あ、本当に出てた。


 それから朝食をさささと済ませ昼食の入ったバスケットをもらい、馬車の御者とお馬さんにご挨拶。お嬢さまを馬車に放り込みいざ出発!

 

「さー、いきますわよ! 我が守護獣「ユニコーン」に会いに!」


 御者が手綱を軽く振ると、ヒヒーンと嘶き馬が軽快に馬車を引き出した。

 

「お嬢さま馬車から顔出しちゃダメですー」


* * * *

 

「ルナリアー、こっちでいいのー?」

「お嬢さまー待ってください。おひとりで進まれては危険ですよー」


《周囲500m魔獣反応はありません。目的地「散華の泉」まで782mあと9分です》

 

 まあ、便利な周囲警戒付きナビゲーションロボ装備なんで安心なんだけどね。

 

 お嬢さまは途中で拾った木の棒を楽しそうに振り回しながら軽快に進んでいく。


 わたしはランチのバスケットと敷物に各種諸々詰め込んだトートバッグ。はっきり言わなくても重いです!


 フーフ言いながらお嬢さまのあとを追いかけ中。さらに今回は護身用に剣も腰に巻いてる。

 

 コレも長くて邪魔なの歩きづらい。アーネスト家の剣って片刃で反りの入った日本刀型なんだよね。

今回ユニコーンってことでセバス様より渡されたのが全長1.8m刃渡り1.3mの刃の肉厚な野太刀。


 いわゆる斬馬刀っていうやつ。


 ユニコーン切ってどうするの? というか重くて扱えません。ルナリアさんは非戦闘用ギフトです。

 

《「散華の泉」周辺に魔獣反応 照合……「ユニコーンタイプ」です》

 おー!目標発見 視界にも泉らしい場所が見えてきた。

 

 先を歩いてたお嬢さまが走って戻ってきて

 

「ルナリア、泉よ!それにほとりに馬っぽい生き物がいますわ。きっとユニコーンですわ。ねえ、どうやって捕まえますの?」


 しまった!まだ考えてないや。


「とっ、とりあえずここは刺激せぬよう隠れて近づきましょう」


 まっすぐ見渡せる位置から横の泉の近くまで続く林の中をこっそりと進み。途中で荷物を下ろして木に隠れながら泉のそばまで抜き足差し足、隠密行動。


 ただ2人とも潜伏スキルとか持ってるわけじゃないからね。

 

《ユニコーンに反応あり、こちらの接近を感知されました》


 プラムからのインフォメーションは、チョット前から出てるけどとりあえず向こうも様子見らしい。

 現在、木陰からお嬢さまと中腰でユニコーン観察中。

 

 ポニー程度を想像してたけど結構大きいです。競走馬並みだね。蹴られた死んじゃうかもと冷静な観察をしているのに対して、お嬢さまはもう目を奪われてる始末。

 

「すごく綺麗で優雅ですわ。煌めく白い馬体に虹のような7色のタテガミと尾。そして額に細く長く伸びるツノは螺旋を刻み真珠のように輝いておりますわ」


「美しくゴージャス!」


「あれこそ,あのユニコーンこそわたしの召喚獣いえ守護獣に相応しいわ」

 

 頬まで少し赤らめてキラキラした目でユニコーンを見つめるお嬢さまを見てなんかモヤモヤしてきた。


 お嬢さまあなたのギフトは横にいる馬なんかより美しく優雅な駄メイドですよー 忘れないで! 捨てないでー 


ユニコーンなんてどうせ駄馬に決まってますよー


「で、あの美しいあの子をどうやって捕獲するのかしら?」


 あなたのギフト安全安心のルナリアが今お教えしますよ。

 

 (どう捕まえればいいの)

 わたしもお嬢さまに負けず劣らずプラムとルナリアに丸っと放り投げ。ネコ耳ルナリアが、いつものどうぶつ図鑑のページを開いてくれた。


 フムフム。やっぱり伝承どおり純潔の乙女には懐きやすいのね。フムフムとか作戦考えてると


 《ユニコーンの性質には問題が……》

 

「大丈夫そうですわよね。もう我慢できませんわ いざユニコーンゲットですわ!」


 そう言い残して、お嬢さまが木陰から立ち上がってユニコーンの方に駆け寄っていっちゃた。

 

「ノォー!」

 

 なんて無鉄砲なのうちのお嬢さま。やめてー 思わずあとを追いかける。


「さあ、ドウドウですわ。高貴な私のものになれるのよ。喜びなさいユニコーン」

 

 なんて言いながらユニコーンに手を伸ばしてるし。噛まれたらどうするのですか?


 アレ意外とおとなしい小さく(いなな)くとお嬢さまにゆっくりと近づき鼻先を手に近づける。


 コレいける。お嬢さまいけるんじゃないですか?

 

《ユニコーンより精神属性波スキャン:対象:セシリア・フォン・アーネスト》

 

「プギュ――」

「ヒヒーン!」


 お嬢さまが転がって、ユニコーンは前足を高く上げ(いなな)いた。

 

《セシリア様のナノマシン抗体によりユニコーンのナノマシン消失を確認》

 

「何するのです。この駄馬!」

立ち上がってユニコーンを睨みつけてる。

 

 ブッ!お嬢さま手のひら返し早すぎ。

 

《ユニコーンの性質に問題あると提言しておりました》

(そういえば、なんか言ってたわね。なーに?)


《緊急事態認定:データダイレクトリンク開始》

(うわっ頭になんか入ってきた!)


 と思った瞬間には、まるっと理解できてユニコーン博士誕生! わたし便利!


 

 ……でもコレマズイですわ 。緊急事態てす、お嬢さま!



 次回

 転がるお嬢さま、嘶く雄叫び!

 そして明かされる、ユニコーンの真実

 その時、ルナリアが飛ぶ!


 乞うご期待!

 


 

 

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