表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

第九章 選択

翌週の月曜日、咲は退職届を書いていた。もう限界だった。職場の雰囲気は最悪で、多くの同僚が咲を避けるようになっていた。


「咲さん」


香織が現れた。満足そうな表情を浮かべている。


「賢明な判断ですね」


「これで満足ですか?」


「涼介さんのためです」香織は微笑んだ。「彼には私が必要なんです。あなたみたいな過去の亡霊じゃなく」


その時、ドアが開いた。涼介だった。


「香織、君がやったことは知ってる」


涼介の声は氷のように冷たかった。


「何のことかしら」


「咲の悪い噂を広めたこと。職場で孤立させようとしたこと」


香織の表情が変わった。


「涼介さん」


「もう終わりだ、香織」涼介は疲れたように言った。「僕たち、うまくいかない」


「そんな」香織は泣き出した。「私が何をしたって言うの?愛する人を守ろうとしただけよ」


「その方法が間違ってる」


香織は咲を睨んだ。


「やっぱり、この人のせいね」


「誰のせいでもない」涼介は言った。「僕が悪いんだ」


香織は何も言わずに出て行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ