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第七章 対峙

翌日、咲は会社に向かった。香織の提案を断るつもりだった。


「咲!」


エレベーターで涼介と鉢合わせた。


「昨日は来なかったね。体調が悪いって聞いたけど」


「香織さんに会いました」


涼介の表情が曇った。


「何を言われた?」


「プロジェクトを降りてほしいと」


涼介は舌打ちした。


「そんなこと、する必要はない」


「でも、涼介さんを困らせたくありません」


エレベーターが止まった。二人はオフィスに向かった。


「咲」香織が近づいてきた。「お返事は?」


「お断りします」咲はきっぱりと答えた。「私は仕事でここにいるんです」


香織の表情が一瞬凍りついた。


「そうですか。残念です」


その日の午後、咲は屋上庭園にいた。昼食を食べる気になれず、ただベンチに座っていた。


「咲さん」


田中が近づいてきた。


「元気ないですね。何かあったんですか?」


「いえ、大丈夫です」


「実は、噂を聞いたんです」田中は声を潜めた。「香織さんが咲さんについて、いろいろ言ってるって」


咲は田中を見た。


「どんな?」


「桜井さんを誘惑してるとか、そういう」


咲は頭が真っ白になった。


「そんなこと」


「僕は信じてませんよ。でも、他の人たちは」


田中の言葉に、咲は絶望的な気持ちになった。職場で孤立するのは避けたかった。

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