#2 いつも通りじゃないもの
今日も学校だ。
つまんないな、やっぱり。
本当に面白いことが起きてほしいものだけど。
【――20分前】
そんな言葉が頭の中に響く。
何て言ったんだろう?この声。いや、声じゃないな。
「聞き間違いだ。」
そう言って、強制的にその考えをシャットダウンする。
「え、なんだって?」
友達のアベリアが言った。
いつもいいやつだから困らない。何かあったらいつも譲ってくれるし、なんかこっちが申し訳なってくるぐらいだ。
いつも通りの道をいつも通り話しながら歩いて行く。
なんの代わり映えしない毎日。こんなことやっているより、ほかのことやっている方がよっぽど楽しいのに。ほんと不思議だな、、
――やっと学校についた。家から意外と遠いんだよな学校って、、
【1分前】
またそんな音声が頭の中に響く。
もうここまでしっかりと聞こえてしまったなら、もう聞き間違えじゃない。けど何て言ってるのかはやっぱり良く分からなくなっちゃうし。どうしたものか。
【――30秒前】
まただ。ほんとに何が起こっているのか分からなくて、恐ろしい。どうなっているのか。
【――10秒前】
やっとしっかり聞こえた。十秒前だって?何が起きるのか、、
【5秒前、4,3,2,1】
本当に何が起きてるのか理解が追い付かない。お願いだから何も起こらないでくれ。
――どうか、―――――どうか!
【0、プログラムを作動します。】
目の前が暗転する。意識が、 やみ、の 中に 沈んで い く
それは、霧散した。ただ、それだけ。
――あかるい。 眩しい、手で顔を覆う。 何か見える。一筋の光が見える。
――路地なんだと思う。ここは。
空は暗いのに、周りは明るい。街路灯が変な形をしている。絶対これはロウソクで出せる明るさじゃない。
面白いな。
知らないものが見切れないほどたくさんある。この建物の素材だって変だ、レンガに似てるけど、レンガじゃない。
感触は似たようなものだけどレンガよりもなめらかなんじゃないかな、これは。
いろいろまだ気になるところがたくさんあるし、もうちょっと動いてみよう。
なんだあれ。見上げられないほど高い建物がある。あの建物の下まで行ってみよう。けどなあ、少し見えるだけだから、遠いと思うんだよな。
――どうしたものか、、
――すごい、ガラスがとてもきれいだ。透明度が高い。他にも何かの塊が空を飛んでいる。浮遊魔法でも使っているのかな。でも下で何か回っているし、その下にいると少しだけ風を感じる。
「変だな、これ。」
あっちの方に、物凄く輝いているものが見える…… あれはなんだろうか?
「――わぁ、、」思わず声が出る。
綺麗だ、、何かに焼き付けておきたいぐらいには。
何かが垂れ下がっているところとまっすぐ立っているところが光っている。橋だろうか、、、
あっちには回っている円盤がある。それも光っている。キラキラしているし、高い。
あれは乗れるのだろうか、乗れるようなところがある。乗ってみたいものだ。夜だけど乗れるだろうし近くまで行ってみよう。
――近くまでこれた。だいぶ時間がかかってしまったが、遠くで見るよりやっぱりずっときれいだ。光っていて、華やかだ。しかし、この回っているものは、乗れるのだろうか?どう見ても、乗れなさそうだ。けど、この柵を越えたら乗ることができそうだ。『柵は越えてはいけません』みたいな、表示があるけど、そんなもの知ったこっちゃない。
「よいしょっと。」そう言いながら柵を越える。
やっぱりあれには、人が乗れるような空間がある。乗っていいのかわからないな、人だっていないし。
―――だけど、せっかくこんな変な世界に来てしまったんだ。それを満喫しない手はないだろう?
「わっ⁉」
乗ろうとしたら、躓いて転んでしまった。手さえ出せなかったから、ちょっと鼻が痛い。
今度こそは足元を見ながら慎重に、、
――よし、乗れた。
その中にある長椅子に座ってみる。
ちょっと待って、、今気づいた。 足元が透明なんですけど。
すごい怖いすごい怖いすごい怖い。
こんな高いところ登ったことないし、見たこともないし、しょうがないしょうがない。
恐怖心に耐えながら、あたりを見回してみる。
「――っ」
言葉が、、出ない。 出るわけがない。
綺麗すぎる。こんなものは今まで見たことがない。見れるわけがない。
無数の街明かりが瞬いて、一つ一つが、星のように輝いている。
この感動を言い表せないことに、途轍もない惜しさを感じる。これを言い表せる言葉が見つからない。
そんなことを考えていたら、降りてきてしまっていたらしい。まだ乗っていたい。しかし、これに乗っている間に気になるものがたくさん見えてしまった。もう一つの今乗っているようなものや、軌道のようなものが見える。あそこには何が通るのだろうか?
――あちこち見て回っていたら、空が明るくなってきてしまった。
朝だ。
寝ていないせいでとても長く感じた。それだけじゃない。目に入るものが全て新鮮で興味がそそられるものばかりだった。そのせいだ。
【1分前】
そんな音声が頭の中に響く。この楽しい時間もあと少しらしい。
少し周りを見渡す。公園が見えた。
【30秒前】
公園のベンチに座った。まだ夜の冷たさが残っていてひんやりとしていた。
しかし、太陽は昇る。夜という想い出を塗りつぶすように。
【10秒前】
カウントは進む。人々が道を歩いていく。自分を不思議そうな目で見ている人もいた。
【5,4,3,2,1】
空を見上げる、見事な朝焼けだ。少し赤紫らしい空が見える。
――意識は、沈む月のように、静かに、確実に沈んでいった。
空が半分に割れていた。昼と夜で




