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もっと正直に、素直に
目の前の目標に向かってただひたすらに突っ走るみんなを、私は席から眺める
負けるかもしれない、勝てないかもしれない、それでも、今できる全力を今に注ぐ
「もうすぐだよ?」
「ふぁ!?」
突然声をかけられびっくりして振り向くと、遥乃ちゃんがいた
「あ、なんかごめん」
「いやいや大丈夫大丈夫、ちょっと考え事してただけだから」
私は立ち上がり、地面を見つめる
「あなたはもっと正直になるべきよ」
遥乃ちゃんが腰に手を当てる
「え?」
「好きなんでしょ?あいつのこと」
「あ、う、それは、まあ、そうなんだけど...自分でも自分の気持ちがあれからずっとよく分からなくて」
「他の悪い女に優取られたらどう思う?」
「そんなの嫌に決まってんじゃん!!」
私は胸に手を当て答える
「それが答えじゃないの?」
「...!」
「ま、借り物競走頑張ってね。ゴールで待ってるよ」
そう言って遥乃ちゃんは体育祭の運営本部のテントに戻った
そうだ、そろそろ私もあっちに行かないと




