新しい匂いってどんな匂いですか?
新しい始まりの匂いがする。なんて感じの匂いが俺みたいな人間に分かるわけがない。
とにかく、新学期だ。あの出来事から1週間ほどが経過した。俺と結月は、変わらない日常を…送っているわけではない。
あの出来事以来、実を言うと結月と一度も話すことができていないのである。おかしい、全て丸く収まったはずなのに…何か、気に触ることを言ってしまったのだろうか
俺はそんなことを考えながら、虹咲さんと学校に向かう。ちなみにこの子は今も俺の家に居候している。実家に戻る気はないそうだ。まあかといってずっと住まれてもお母さんが困るだろうし、この問題もできることなら解決してあげたい。はあ、やることが山積みだ。悩んでる時間が惜しい…
…
悩んでる時間…か。まあ、あの頃に比べたらこんな問題大分マシなのだろうか
「ね、ねえ優」
体調壊してそうなレベルの真っ青な顔で俺に話しかける
「大丈夫?虹咲さん」
「登校するの、怖い...うぐっ」
その場に倒れ込む虹咲さん。俺はとっさに駆け寄って背中をさする
「あらこの感じだと学校行くの難しそうね。今日はもう休んでいいのよ?」
お母さんが桶とタオルを持ってきた
「そうだな、この状態で行ってもいいことなんて何もない。今日はゆっくり家で休んでろ」
そう言いながら俺は虹咲さんをゆっくり持ち上げ、部屋のベッドに寝かせた
「優…ごめん…」
申し訳なさそうな顔で力無い手で握られる
「大丈夫だ、これくらい。じゃ、行ってくる」
「うん、行ってらっしゃい」
微笑みながら見送る虹咲さんに俺は笑みを返しながら部屋を出た




