崩れる日常
「兄貴さ、もう少し健全な教育しないと」
健がため息をつきながら言う
「でも喜んでくれるんだからいいじゃない」
「だとしてもいいことと悪いことが」
「はいはい、分かったから。じゃ」
食い込むように俺は返事をし、十字路で健と別れた
…健全に、か。今更難しい気がするけどな。いや無理だ。佳奈が嫌がるだろうし
俺はいつも通り授業を受けていた。このままなんの変哲もない、なんてことない日常がまた繰り返されるんだと思った。それを望んでいた
「橋元つかささん、ちょっと来てくれる?」
教室の扉が開かれると、普段関わりのない先生が俺に声をかける。でもなんか、血相を変えたような表情をしているな。一体なんだろう。俺、なんかやらかしたっけ。俺は言われるがままに立ち上がり、教室の外へと出た。すると、俺を呼び出した教師の隣に、教頭が立っていた。なんだ、なんでお偉いさんが
「つ、つかさ君落ち着いて聞いてほしい」
教頭の震えた声に、俺は息を呑んだ
「お母さんが、交通事故に遭った」
その衝撃的な事実に俺は頭の中に色んな疑問が一気に浮かんだ
お母さんが、事故?いつ?どこで?轢いたのは誰?容態は?
死んだりしないよね?
「はぁはぁ」
俺はパニックで息が苦しくなって、その場で胸を掴み倒れた
「つかささん大丈夫!?」
教師がしゃがみ、俺の背中をさする
「と、とりあえず私が病院まで送るから。荷物だけまとめてもらって…」
「…はい」
俺は教師に支えられながら立ち上がる。




