いつかの君に恋をしていた。
開いたトーク画面。そこには自分がただただ相手に向かって話している言葉ばかりで、彼女からの返信は一つもなかった。自分が今まで見ていたのは、何?
彼女は、?アカウントはあるんだ。実在する人物のはずなんだ。でも、今までのトーク画面は存在していない。消した?消された?嫌われた?何かいけないことをした?迷子にさせたから?どうして?なんで?変。
おかしい。あいつはこんなことしない。あいつじゃない。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。おかしい。変。あいつはいる。あいつはいる?おかしい。
あいつはいない…?嘘。嘘。でも、あれ…俺、あいつのこと、見たことない…?今まで、会ってたはず。でも、え?
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家の呼び鈴を鳴らす。女の人が出てくる。よく見たことがある。
「どちらさまでしょうか…?」
「佐藤光って名前なんですけれど、覚えていますか?」
彼女は目を見開いて驚く。
「光くん!?よく来たね〜!上がって上がって!」
「お邪魔します…」
リビングに案内される。よく見た景色だ。
「どうしたの?急に来て…」
「ちょっと、桜の事を思い出して、悲しくなって。」
「…そう。お線香上げに来たの?」
「まあ、そんな所ですね。」
「案内するね、仏壇こっち。」
そう案内されて来たのは、仏壇。桜の遺影が飾ってある。
今まで、信じられなかった。ずっと心の奥底で封をしていたんだ。きっと。どうしても、信じたくなかった。
桜が消えたと思ってからは、案外早くて。あのメールを見て違和感を覚えてよく考えたら、いつの間にか思い出していた。という感じだろう。思い出した直後は吐き気が酷かった。帰れないんじゃないかと不安になるくらいだった。
どうして吐き気がしたのか、もうはっきりと分かる。未だに自分はあの時のことに罪悪感を感じているんだ。あの時のことに。
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昔、あいつと二人で公園でボール遊びをして遊んでいた。他の子も誘ってみたりはしたんだけれど、皆別々のコミュニティを作っていて、「他の子と遊ぶから」と断られた。だからあいつと二人で遊んでいた。
ボール遊びなんてのは自分の方がやっぱり慣れていて、本当は僕が少し弱く投げてあげなければ行けなかったんだろうけれど、小学生の時の僕はそんなことを考えられなかった。
でもやっぱり小学一年生のボールをコントロールする技術なんてたかが知れていて、コントロールをミスって道路側に飛び出してしまった。
もちろん自分で取ろうとして動いたんだけれども、桜が先に動いて取ろうとしていたから僕は止まって、ただただ桜にボールを取りに行かせているという罪悪感を感じながらその場に突っ立っていた。
桜はちゃんとしていたから、もちろん道路を渡るときは右と左を確認してから渡っていた。
その時も同じように少し確認して道路を渡っていた。でも、遊んでいる公園があるところは、曲がり角がすぐ近くにあって、しかもかなり視認性が悪くて、事故が起こるかなり前から危ない危ないと騒がれていた。危ないと言われていたのは本当にそのとおりで、その曲がり角から急にトラックが飛び出してきて、横断歩道を渡っていた桜を轢いた。
運転手はブレーキをかけていたのだけれども、そんな急ブレーキでなんんとかなるような距離じゃないところを桜は渡っていてた。
それをずっと見ていた僕は、すぐさま桜に駆け寄った。心配だったっから。それで走っていって、桜を見たとき、桜はもう原型をとどめていなかった。真っ赤に染まった道路やタイヤ、真っ赤な飛び散った肉片。相当スピードが速かったんだろうな。それを見た僕はわんわん泣いた。それを見た運転手が、スマホを耳に当てて誰かと話ながらこっちに来て、なんとか慰めようとしていた。
時期に警察の人が来て、僕が家の住所もなにも分からなかったから、とても困っていたのを今でも覚えている。結局はパトカーに乗って、僕が道案内をする形でなんとか家に帰った。
でもそっからかなり精神的に参ってしまって、しばらく学校に行けなかったのを覚えている。何回親に「お前は悪くない」と言われても、でも自分がちゃんとできていればとばかり考えてしまった。
自分がそれから学校に行けるようになったのは、五ヶ月ほどたってからだった。カウンセリングなどを受けて、なんとか復帰した。
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今思い出しても、少し具合が悪くなる。でも、僕はこの話と向き合って生きていくことになる。
苦しいかもしれないし、辛いかもしれないけれど、生きれなかったあいつのために、僕は生きていく。
さようなら。僕が初めて恋をした、いつかの君よ。
いつかの君に恋をした。完結とさせていただきます。紆余曲折ありましたが、ここまで読んでいただいて本当にありがとうございました。秋餅の次回作にご期待ください。次の作品にはもうすでに少し手をつけている状態ですので、すぐにとは言わずとも早めには投稿できると思われます。2026/01/20
繰り返しますが、ここまで読んでくださり、本当にありがとうございました!




