いつかの君とイルカショー
あんなにガヤガヤと騒いでいた人達は、たった一度の
ブザーで静まりかえる。静かになったと思うと
次には陽気なBGMが流れてくる。飼育員が出てくる
イルカの紹介を始める。その名前は文字数こそ
少ないものの、とても馴染みやすい名前だった。
発音しやすい名前だった。しっかりと考えたのだ
というのが伝わってきた。イルカは芸をし始める。
バブリング?という物だ。泡で円を作る。
とても難しそうなものを軽々とこなすイルカに
歓声が沸く。君は幸せそうに笑って言う
「イルカって凄いね!こんなこともさらっとやって
のけちゃうんだから。いっぱい失敗してきたんだろう
なぁ。それでも頑張ったんだろうね。その結果が
この歓声なんだから。きっとイルカも嬉しいね!」
この舞台の裏は分からない。分かれない。
エサの目的にやっているかもしれない。
嫌でもやらなければいけないからやっているだけかも
しれない。
でも僕達は、そんなこと考えずにこの表面の、陽気な
BGMが流れているこの舞台を、すごい。という感情
で見ているだけでいいのだ。それが最適解で。
水族館も望んでいることだろう。きっと。
次々と芸を成功させて。歓声を受けて。エサを
もらって。あのイルカは僕達よりも幸せかもしれない
一つを成功させても、その先をさらに求められる。
成功させてもエサにありつけるのか分からない。
成功させても当たり前だろという言葉と表情しか
もらえない。僕達はイルカより不幸せかもしれない。
はは。デート中に考えることじゃないや。
もう最後の大技?早いな。まぁ。成功するんだろうな
イルカだし。
ほら。やっぱり成功だ。
今日の芸で一番大きい歓声があがった。ついでに拍手
も。
「それでは、ありがとうごさいました!
またいつか!ばいばーい!」
イルカと飼育員さんが手を振っている。いや。イルカ
はヒレか?
ちっちゃい子供が手を振り返しているのがちらほら
見える。かわいらしい。
…隣の彼女も手を振っている。もう子供じゃないのに
「いやぁ!凄かったね!イルカさん全員すごかった!
イルカって手振れるんだね。あ、ヒレか(笑)」
彼女が手を振るのをやめてこっちに話しかけてくる
「そうだなぁ。僕もそう思う。イルカショー。
来て良かったよ。」
「私もっ!また来ようね!」
こんにちは、こんばんは、もしくはおはようございます
秋餅と申します。
長文になってしまい申し訳ごさいません。終わらせ方
が分からずに非常に長くなってしまいました。
今後もこんなことがあるかもしれませんが。
ご理解お願いします。
それでは。さようなら。




