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悪役令嬢の役目、立派に勤めさせていただきます!


 起き上がり、鏡の前に走ると、すぐに気づいた。

 腰まで長い淡いプラチナホワイトの髪。水色の瞳ーー。


(ゲームの世界の悪役令嬢……!レオナ・アストレア⁉)


「と、言うことは……」


 すぐに鐘を鳴らし、自然と頭に浮かんだ侍女の名前を呼ぶ。


「シエル!すぐに来て!」


 3回目の鐘を鳴らすより早く、レオナの忠実な侍女。

 シエルが音も立てず部屋の中に入ってきた。


「レオナさま、いかがなさいましたか」

「シエル。この世界に聖女は現れたかしら?」

「はい。先日、聖なる刻印が浮かび上がった女性が聖女として認められたばかりでございます」


(なるほどーー。じゃあ今はちょうどゲームで地上を選んだ分岐点…!)


 これから、アルバートルート、エリオットルートに分かれていくところだ。


 悪役令嬢レオナ・アストレアは、彼女に立ちはだかる壁の1つなのだけれど、それはアルバートルートのみで出てくるキャラクターだった。


(理由はわからないけど、これはきっとエリオットを幸せにしろってことよね?)


 邪魔すればするほど、アルバートとミレイユの距離が近づくのは好都合だ。

 エリオットルートでは、エリオットは幸せにならないし、ミレイユも結局アルバートとくっつく。


(それなら、最初からくっついてもらえばいいじゃない!)


  公爵令嬢が第二皇子に嫁ぐことは、別におかしくないし、エリオットに言われたからといって、さっさとアルバートとくっつくミレイユには任せていられない!


「悪役令嬢として、アルバートとミレイユの邪魔。どんっどんしてやろうじゃないの!」

「レオナさま?」


 どうした?と怪訝そうに私を見るシエルと公爵家の権力総出で、アルバートルートを進めていったのだ。


(エリオット様が脇役で出てくるからも、アルバートルートにも頑張っててよかった!)


 すると、ゲームではわからなかった現実が、だんだん見えてきた。


(帝国統一のために、わざわざアルバートが戦争を起こしに行ってる……。これくらいなら和解でなんとかできたでしょう……)


 隣国と王国の境界線にある貧しい村が、ミレイユの救いを求めて誘拐。そこでアルバートは、話も聞かず村人からミレイユを奪い返し、そこから聖女が安全に暮らすためにと、帝国統一を掲げ始めたのだ。


(誘拐されたミレイユも、怖いのはわかるけど、武器も持たない村人にただ怯えて、叫んで助けを求めるばかり。病に悩まされている村人から話を聞くこともしないなんて)


 ミレイユとアルバートにつけている公爵家の隠密から聞いた話は、ひどいものだった。


 動ける実行犯たちは、城へと連行され、病に侵された子どもや病人たちを置き去りにされた。


結果は、誰にでもわかることなのに、アルバートとミレイユは見向きもしなかったという。


「こんなこと許されないわ。すぐに医師団を送って!」


 境界線にあるからという理由で、下手に手を出すと、隣国にいちゃもんをつけられることがある。


念のため、アストレア家の支援とわからないように、村に近い領地の者の手を借りて、救済措置を取ることにした。


(しんどい時に助けてもらえないことが、どれだけ辛いか……!)


 ところが私たちよりも早く、病人の看病をしていたのはエリオットだった。


「あなたたちは……⁉」

(エリオット様……⁉どうしてここに⁉)

仮にも、第二皇子がなぜここに?


ここまで読んでいただけて、ありがとうございます!

次回、エリオット様とはじめての接触...!?

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