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王の末弟が治めるスウェンバック地方は、良質の銅鉱石を産出する銅山と豊富な樹木から収入を得る、富裕な土地だった。
オージェルム北部に横たわる山脈から流れる大型河川に沿っていくつもの町が点在し、枝を掃った大木が筏になって川を流れてくる。そのままランドボルグとの境界近くの市場町まで運ばれ、売られていくのだという。銅鉱石もほとんどが山の麓で精錬され、船に積載されての出荷だ。必然的に、川の上は人と船と丸太で意外なほどの混雑を見せている。
ランドボルグを挟んだ東に位置するファルジートは広大な平野がほとんどで、主に売り物の軍馬や農耕馬と、毛をとるための羊を育てているらしい。起伏に富んだオージェルム王国、特に王都の衛星都市である大公領は、国の財政を語る上で決してはずせない重要な土地だ。
その中でドランヴァイルだけが、特筆すべき売りがないのだとゲランは言った。
領地の七割が峻険な山で占められ、平らな部分の土壌も農作には向いていない。けれど長年国境線を争ってきた敵国と接する場所だけに、軽視することもできない。
「だから若い男は、死ぬほど勉強してどっかで役人になるか、俺みたいな傭兵になるかしかないっつうわけよ」
からりと笑ってゲランは言うが、ヤヨイは返す言葉に困ってしまった。「雇われて戦う人」という言い回しをすんなりと「傭兵」に訳せたことが、少しだけ苦しかった。
ヒロに一般常識を教わっていたとき、国境はまだ不安定で油断はできないと聞かされた。かといって戦争に備え、職業的な兵隊を抱えるほどの危機的状況でもない。いざそのときがきたら、ゲランのような人が大勢戦場へ向かうのだ。それまでは、各地の領主が催すトーナメントに参加して賞金を稼いだり、用心棒の仕事をこなして糊口をしのいでいくのだという。それが「放浪剣士」の実情だった。
お金のために戦う、命を懸ける。それは別に気にならない。『外』にだって、呼び名がちがい、優先順位がちがっても同じことをしている人はたくさんいるし、必要なことなのだろうと思う。
ただなんとなく――暴力や死といったものの生々しさにいまさら気づいて、ヤヨイは久しぶりにひどい閉塞感にとらわれていた。
『外』にいたころは考えもしなかったこと。避けていれば一生触れずにすんだこと。トラブルや諍いや、マイナスの感情を剥き出しにして対立すること。そういうものが自分という存在にぴったりと、素肌の上に張りついたもう一枚の皮膚のようにそこにある。洗ってもこすっても消えることなく。
「…………」
ぼわんと脳が膨れたような現実感のなさを味わいながら、ヤヨイはきりきりと痛み続ける胸をそっと押さえた。『おまえなんぞに惚れたりしたら』――ゲランの言葉が繰り返し繰り返し耳の奥から聞こえてきて、ただでさえ重い足はいまにもとまってしまいそうだ。
自分と一緒にいることが、それほどの大ごとだとは思ってもみなかった。
どうして王子なのに近衛騎士がついていないんですか、と尋ねたとき、ジェイルはけろりとした顔で「僕なんか死んじゃえばいいからじゃない?」と言った。だれがそんなことを、と思ったけれど、重苦しい話になりそうで面倒くさくてそれ以上は詮索しなかった。本当は少しだけ、グレイヴは王子様なのになぜ兄王子の護衛なのか問いたい気持ちがあったのに。
ジェイルにあんなことを言わせるくらいなのだから、グレイヴの立場だってきっと磐石なものではない。
「……わたし、王子と結婚、しないほうがいいのかな……」
だれにともなくつぶやいた。自分で言っておいて、胸を軋ませるその言葉に強く抵抗を覚える。
でも、ヤヨイをそばに置くことが彼の不利益になるなんて嫌だ。もしもそれが理由で怪我をしたり、命を落とすようなことは絶対にあってはならないと思う。誇りや心を傷つけられることだって。ヤヨイと一緒くたにされて理不尽な憎悪や嫌悪に王子が曝されるなんてことも、考えたくはなかった。
けれどいいも悪いも、その縁談を決めたのは、そもそも王子の父親である王様自身なのである。
ほう、と溜め込んだ憂鬱を吐き出して、土手の上から左手に広がる川を眺める。ゴムボートみたいに幅広で縁の低い舟が、ロープで束ねられた木材を曳いてゆったりと流れに乗っている。数十本の塊になると、それの上に人が立って長い棒で川底を突きながら舵取りをしているようだった。
ゲランの背中から生える剣の持ち手も木製だ。あの中のいくらかは、剣とか槍とか、矢とか、そういう武器に生まれ変わるのかもしれない。
(王子の剣は、どんなだったかな……)
頭の中で写真のように、王様の部屋の前に立つ王子の姿が甦る。左腰に下げたものだけをクローズアップしてみるけれど、うまく思い出せなかった。多分木じゃなくて、もっと長さも短くて……。
散漫になっていく。焦点がぼやけて、具体的なものはなにひとつとしてヤヨイのものにはならない。パーツの一つがわからないなんてどうでもいいことで、これほどまで不安になれる自分がもはや滑稽ですらある。
いや、胸に刻みつけるために見つめたことがなかったから、漫然と受け流してばかりいたから覚えていないのだ。なにもかも。
「…………」
ジェイルは、恋は独りではできないと言った。あたためるにも、壊してしまうにも。
ヤヨイの想いは、このまま箱に詰めて閉じ込めておけばいつか凍えて死んでいく。そうなっても仕方ない、とどこかで思っていた。
でもグレイヴは、ヤヨイが『外』から来たことなど初めからわかっていた。騎士団との板ばさみになっていても、ヤヨイを好きだと言ってくれた。ヤヨイを排斥しようとする人の存在も、知らないわけがなかった。
胸の下のほうが熱くなって、涙が出そうになった。ヤヨイの考えを見通したように、ずっと黙っていたゲランがぽつりとこぼした。
「……おまえを、悩ませようと思ったわけじゃない。ただ、半端な覚悟じゃないっつうことくらいは知っててやれよ」
風に首を振る赤ベこのようにうなずきながら、ずんと重くなった胃をおさえる。それを知ったから余計に、自分のしでかしたことの重大さがのしかかってくるのだ。
――もしも今回のことで王様がとても怒って、やっぱり王子のお嫁さんにこんな娘はふさわしくない、と言われたら?
ありうることだ。というかむしろ、まったく正しい意見だ。
そうなったら逆に、寄り添った二人の気持ちが邪魔になる。わざわざ電気ショックと人工呼吸で息を吹き返させた心を、今度は完全に殺さなくてはならない。自分の気持ちを受け入れたからには、それはヤヨイが自らなさねばならない仕事になるのだ。最初から手の届かない人だったと切り捨てるには、もう彼のことを深く考えすぎていた。
いま名まえを呼んでも会いたいと叫んでも、泣いて手を振り回してもそばに来てはくれないのに、ヤヨイの中に勝手に居座っている。
もういやだ。苦しい。
なんであの人は王子なんだろう、なんでもっと簡単な人を好きにならなかったんだろう。
相手がだれだって、うまくいくばかりでないのはわかっている。でも、少なくとも絶対に逆らえない存在に脅えることはなかったはずだ。
王と王家への畏怖や感謝だけで、この事態を乗り切れるものだろうか。一生を左右する問題なのに、まだ恋人がいたこともないヤヨイが、「王様の命令」というどうにも非現実的な理由に諾々と従わなければならないのか。
「……行きたくない」
さっきより大きな声でつぶやいてみた。絶対に聞こえていたはずなのに、ゲランは聞こえない振りをした。なぜとも、どこへとも、問い返してはこなかった。
くすんだ白い壁でできたスウェンバック城は、川にせり出すような絶壁の崖の上に建っている。土手の斜面は足場が悪く急で波打ち際まで下りていくことはできず、大きな橋をかけることが難しいらしい。ところどころにいる渡し守に小舟を出してもらって、対岸へ――城下町の中心地へ向かうことになる。
スウェンバック――領地全体でなく都市そのものとして――はランドボルグに次いで古く、拠点となる城は大昔の国境を守っていた砦だ。幾度も改修と増築を重ねた王城と異なり規模は小さく、城内に住んでいるのは役人と警備隊くらいで、一般市民は外の町に居を構えているとゲランは教えてくれた。
「その先の渡し場がいいだろう、ちょうど城の真下に舟をつけてくれる。普段は身分検めが厳しいが、ま、おまえがいれば問題ないだろうな」
緩くカーブを描きながら、森を断ち切って流れる大河。それに沿って踏み固められた街道を行くので、途中からはヤヨイたちも深い森の中を歩いていた。ゲランの指差すほうを見やっても赤い夕日が枝の間から落ちるばかりで、とても土手の下に下りられる道があるようには見えないが、すぐ真横をどうどうと音を立てて水が流れていることはわかる。
もう少し。もうすぐそこでお別れ。
きり、と胸を刺した痛みが、ヤヨイに口を開かせた。
「ゲラン、あの……」
だが、言葉が続かなかった。事情のすべてを打ち明けようにも、なにをどう説明すればいいのか皆目見当もつかない。
「……アルガンダワ、って、行ったことある?」
ヤヨイは誤魔化すように、無理に笑ってみせた。
「おお、あるぜ。去年の春は、あそこの領主が競技会の主催番だったからな」
抑え込んだ葛藤をさらりと流してくれたことに感謝しながら、ヤヨイは首を傾げた。
「主催番?」
「流しの剣士や傭兵団は、競技会で自分らの名を売って歩かなきゃならないだろ。俺たちを召し抱えることはできないが、食い詰めて辞められても困るっつうんで、陛下は各地の領主に定期的な競技会の開催を義務づけて下さってるんだ。中でも年に一度、陛下主催と銘打った大競技会は出場者も観客も桁外れに多い。人が動けば金も動く。ランドボルグばかりが潤っても仕方ないから、名代として領主が持ち回りでそれを仕切って催すわけよ」
「はー……なるほど」
「アルガンダワはここから北西に――そうだな、歩くと三十日ってところか。ドランヴァイルからならなお近い」
故郷の名が出たためか口が滑らかになったゲランは、右を向いても左を向いても延々と畑ばっかりだぜ、とおかしげに笑った。
アルガンダワというとランドボルグからは田舎の代表みたいに言われることもあるが、実際にはそれほど辺鄙な場所でもないという。ただ戦乱末期に併呑した小国の王城を領主の居館としているため、あえて辺境と蔑称しているらしい。
いまはアルガンダワ方面の国境付近も落ち着いているし、なだらかな丘と緑の絨毯が美しい風光明媚な土地だそうだ。もっと昔は、その小国が異民族の襲撃に備えた砦でもある。
「俺も大概あちこち行ったがな、住むならここだっつうのはアルガンダワだ」
どこかうっとりと語っていたゲランの口元が、だらしなく緩んだ。それほど魅力的なところなのか、と感心したのに、女性に目がないゲランの話を真に受けてはいけなかった。
「飯も酒も美味いし、なにより異民族の血が混じってるせいか、女がいい」
「は?」
「顔立ちも独特で色気があるが、なんつうか、腰が張って尻が豊かで……」
思い出し笑いを浮かべながら曲線を再現しようとする大きな手を、ヤヨイは思い切り叩いた。
「ばかっ! ゲランのばかっ! スケベ親父!」
腹を立てて早足で歩き、追ってくるゲランが笑いをこらえる気配を背中で感じる。ここ数日忘れていた、それはヤヨイとゲランが飽きもせず繰り返した戯れの匂いだ。
ここまで、楽しい旅だった。
少しエッチなゲランとの会話は時に言葉に詰まらされ、それをネタにまたからかわれたりするけれど、どこか空気が抜けたように軽かった。女好きを公言してはばからないのに、触れてくる手はまったく色を匂わせず、上手にヤヨイから人恋しさを取り除いてくれた。
ゲランのおちゃらけた性格がなににも増してありがたかったのは、もよおしたとき「ちょっと待ってて」といえばそれですむことだ。彼自身があっけらかんとしているので、森へ分け入るのを見送られても恥ずかしくなかった。
当然のことではあるが、ここにトイレットペーパーなど存在しない。町ではまだトイレの作法もあるが、旅路では構っていられるはずもなかった。大きくてやわらかい葉っぱって、偉大だと思う。あまり詳しくは語りたくない暗部である。
こんな状況でトイレのことなんか考えたせいか、急に肩の力が抜けてしまった。
ずんずん進むヤヨイの背を、そこを下りるぞとゲランの笑った声が追いかける。立ち止まって彼を待ち、うやうやしく差し出された手を取った。
土手から二の腕のほどの太さの横木で簡単に作られた階段を下りて、渡し場へ向かう。櫂を肩に担いでいた若い渡し守は、ゲランの陰から顔を出したヤヨイを見て目を見開いた。だが興味津々なことを隠し、多くは尋ねずにただ小銭を受け取って舟を出した。
川幅は、ヤヨイの目測でおよそ五十メートルほどか。濃い緑色の水は、ゆったりと操られる櫂の半ばでふっつりと透明度を失う。指先をつけると、透き通った部分の水は思ったよりも温かかった。きっと底のほうと水面近くでは、かなり温度がちがうのだろう。落ちたら即座に体温を奪われ、泳ぐのは難しそうだ。
確か、服を着ていると溺れる確率は高くなるはずだった。体育の授業で習った以上のことはできないから、ヤヨイはぞっとして舟の縁をつかんだ。
上流から流れてくる筏や大きな船を巧みにかわし、小舟はゆっくりと川を横切る。徐々に近づく崖の城を見上げていたら、不意にかさつく指が頬をさすった。振り返ると、川風に煽られて乱れた髪を、ゲランが整えてくれているところだった。
「ちゃんと目が開いてるな」
穏やかな笑みの意味がわからず、ヤヨイはきょとんとした。
「若い娘が物思いに沈んでる図っつうのも悪かないが、好奇心いっぱいにきょろきょろしてるほうが、おまえには似合ってるよ」
まっすぐに見つめてくる目と低い声に、ヤヨイはどぎまぎした。
「そ、そっかな」
「なんだか惜しくなってきたな……。大事大事に護ってきたのに、ただで譲り渡すのもおもしろくない」
よくわからないことを言ってにやりと笑い、ゲランはおもむろに立ち上がった。何事かと目を丸くした瞬間、舟がゴンと音を立てて大きく揺れ、ゲランの長身が目の前を横切って跳んだ。対岸へ着いたのだ。
「まあ、契約はランドボルグに帰るまで続くわけだからな。ゆっくりと楽しむことにしよう、色々と」
「え、それって――」
小さな桟橋から手を伸ばして腕をつかまれ、ヤヨイの身体は易々と引き上げられた。
渡し守にありがとよ、などと気楽な挨拶を放るゲランに背中を押されながら、ヤヨイは声を上げた。
「帰るまでって、どういうこと? ここでお別れじゃないの?」
「どういうことって、最初に言っただろうが。帰りの分までツケにしてやるって」
思わず呆然としてその場に立ち尽くした。
一番最初、ランドボルグの朝の市場で、城を指差して――そうだ、確かにゲランはそう言った。
「忘れてたのか?」
あきれたように苦笑して、ゲランはヤヨイを縦抱きに抱え上げた。軽々と急斜面の簡素な階段を上っていく彼のたくましい首筋にしがみついて、じわじわと喜びが胸を満たすのを感じる。
自分は大勢に迷惑をかけ、悪いことをしたのだからきちんと謝らなくては、というプレッシャーは増していくばかりだが、いまはその重たい気持ちの扱い方がわかる。スカートの陰に隠して見ないフリするのではなく、そのまま差し出して潔く審判を仰ぐほかないのだ。かけっこは嫌いだけど、合図が鳴って走り出したならゴールしなければ終わらない。
だれにどんな言葉をぶつけられても受け止めよう、という覚悟はしたつもりだが、心細さは消せるものではなかった。ゲランが一緒に、そばにいてくれるというのは心強いし、単純に嬉しかった。
(そうだった……帰るまでって約束だった。うん、そうだ)
なんだか涙が出そうだ。嬉し泣きするほど俺が好きか、などとからかわれてはたまらないので、唇をかんでこらえた。
平坦な場所で道に下ろされそうになっても、ヤヨイはぐずる子どものように抵抗した。ゲランは小さく笑い、ヤヨイを抱えたままリュックを背負いなおして歩き出す。
ゲランの肩を肘掛にして振り返り、もうその威容をすぐそこに晒す、夕焼けを背負ったスウェンバック城を見上げた。紫色に暮れゆく空が、ものすごく遠く見えた。
せっかくここまで来たのだから、アサヌマにはちゃんと会おう。
自分が混乱し、愚かな行動で周囲に迷惑をかけたことを、全部話してしまおう。伝え聞いた限りでも、アサヌマはそれを受け止めてくれる人だ。聴罪は職務のうちではなかろうが、甘えさせてもらうのだ。
「こっちは城の裏手で、町は反対側だ。ここらからじゃあ無理だが、この坂を上りきれば見えてくるぜ」
ゲランが示したのは、白い城壁の向こうに望む丘。ぱっと見た感じが軽石に似た、ぼこぼこした石を積んだ壁には、ヤヨイの掌より大きな鋲の打たれた木の扉が取り付けられていた。内側に向かって開け放たれているが、そこにはちゃんと門番がいる。
まばらに木の生えた小山の上に、お城がどんと載っている感じだ。なるほど、これは城内に住む人も少なかろうとヤヨイは納得した。あまりの急勾配に、家を建てるのがひどく難しそうだったからだ。
ランドボルグの兵隊さんより軽装の門番が、瞳の色まで判別できるくらい近づいたとき、坂の上から転がるようにして数人の男性が駆け下りてくるのが見えた。
革鎧で武装した人や、ランドボルグでは見ない色だけれど、文官とおぼしき服装の人。下り坂でついた勢いのまま脚を回すようにして城門を飛び出し、ヤヨイたちの前を走り去っていく。通行人をよける余裕もない様子に、ゲランは道の端まで退いた。
「なんだ……?」
訝しげに落とされた呟きは、平素よりさらに低い。ただ事でない気配を察して、ヤヨイはゲランの腕から下りた。
一団から遅れて城門を抜けてきた農夫風のおじさんをつかまえて、ゲランがなにがあったと問いただした。
口の端から泡を飛ばし、おじさんは叫んだ。
「なにってあんた大変だよあんた! ご、ご領主様が、ご領主様があんた、お亡くなりになったんだよ!」
ヤヨイは大きく目を瞠り、咄嗟に口を手で覆った。
領主とはすなわちスウェンバック大公を指し、それは現国王の末弟、グレイヴら三王子の叔父だ。確かヒロやロアード王子と同じ、三十二歳。突然の死を迎えるには早すぎる。
無言のままおじさんの腕を放したゲランは、厳しい顔つきで城門を睨むばかりで、ヤヨイのほうを見ようとはしなかった。
終わりました、第六章! かなり駆け足になってしまいましたが、
とにかく終わりました!
次から少しalongの更新になると思います。
ヤヨイの知らないところで起きた事件の顛末になります。あくまで
ヤヨイから見た物語だけを知りたい、という方は、第七章までしばし
お待ち下さい。あの人と再会します。
拍手小話を更新しました。
去年の6月から放置されていて、さすがにマズいと思っていたので・・・。
とりあえず五話完結の第一話を。またしてもお題サイト様からネタを
いただいて参りました。完全脇役視点になっていく予定です。