喧嘩両成敗
僕達は、何故か突然始まった本気の喧嘩を見なければならない羽目になっていた。
完全に被害者である。
もう1人の被害者であるヴィザーム君も死んだ目をして二人を見ている。
「ヴィザーム君、僕達は将来どんな事があってもあんな事しないようにしよう」
「そうだな。俺もあんな事になんないようにするわ」
悲しくも、4歳児に反面教師にされる大人であった。
「まだなんか言い合ってるけど、マジではじめんのかな?」
「どうだろう?流石に大人としてわかってんだろうけど・・・」
僕とヴィザーム君が、不安に思っていると僕たちの後ろから、1人の大柄な男が現れた
「ちょっと失礼。通してもらうよ」
!?
一体いつからそこに?
《すみません、マスター。認識出来ませんでした。魔力が一切感じられません》
遅れて、先程の王女の護衛だった子供も大柄な男の後ろに着いていた。
「ヴァリ。君もここにいなさい。せっかくだから、3人仲良くなってくれると嬉しいな。お父さんは、あのバカ二人を止めてくるから」
そう言うと、あの危険地帯に歩いていった。
2人は、言い合いに夢中なのか、男の魔力隠蔽術が凄いのか、全く気づかない。
「えっとー、とりあえず自己紹介でもする?」
「そうっすね。あとから来たのでオイラから。初めまして。オイラは、ヴァリエンテ・シュッツ・エスコティエって言うっす。みんなからは、ヴァリと呼ばれてるんでそう呼んでくれると嬉しいっす」
そう言ったのは、王女の護衛をしていた子供だ。
ということは、今 2人に向かっている人が四龍英雄の1人。ネオロエ・シュッツ・エスコティエさんか。
髪は茶髪で刈り上げ。体は父より大きく、歴戦の猛者感漂う風貌だ。
「初めまして、ヴァリ。僕はレン・ドル・グラナータだよ。同じ四龍英雄の子供として、仲良くしていこう」
「全くその通りだな。初めまして、ヴァリ。俺はヴィザーム・ハン・ヴァッサーだ」
僕達は、自己紹介をそこそこに自分たちのステータスについての話で盛り上がった。
なんと、ここにいる3人ともユニーク魔法を持っている奇跡が起きたりしていた。
ドゴォォォォォン
キーーーーーン
僕たちが話している間、向こうも喧嘩が進んだみたいだ。
お父さんなんて、炎の大剣をだして攻撃してる始末である。
お父さんとヴィザーム君のお母さんが打ち合っていると、突然二人の間に土の壁が盛り上がってきた。
2人とも一瞬でその場から離れたのだが、離れた先に突然現れた黄金色のゴーレムによって捕獲されてしまった。
「んな!?いつの間に」
「この魔法は、先輩だな?」
2人が大人しく捕まっていると、ネオロエさんが2人の前に現れた。
「やぁ、久しぶり。2人とも会う度に殴りあってない?」
「いや、だって。先輩、このクソババアがレジーナの悪口を言うんですよ!!」
「はっ!何がレジーナ、レジーナだ。私は、間違ったことは言ってないぞボケが」
「はぁ〜。アーヘル、何回も言ってるだろう。人の家族に対して口出しするなと」
また、はじまった口喧嘩にネオロエさんは何回も見たことあるような呆れた顔をしながら言った。
「君たちいつまで学生気分なんだい?もう何十年も前だろ。君たちが王城を破壊するのだとしたら私が相手しないといけないんだけど・・・・いいのかな?」
ネオロエさんは、ニッコリと笑って二人を見た。
次の瞬間
「「すみませんでした!!」」
あの二人が勢いよく謝ったのだ。
なるほど…ネオロエさんは怖いっと。覚えとこ。
「それに、君たちは子供もいるんだ。そんな姿見せたらガッカリするだろうなぁー」
チラリ。ネオロエさんは僕たちを見ながら言った。
予想以上にその言葉が聞いたのか、それ以降2人は大人しくなり、僕たち一行は玉座の間に向かった。
少しのトラブルはあったが、ネオロエさんの抑止力もあって、ようやく玉座の間の扉まで来た。
「いいか、レン。入ったあと、玉座の前まで行って膝を着く。その後──」
「もう、大丈夫だから。何回も聞いたから、完璧だって」
本当にお父さんは、心配性である。
こんなのアカ様にかかれば楽勝だっての。
《マスター?それって私が完璧なだけでマスターは完璧じゃない気が……》
(うるさい。いいんだよ。アカさんは僕の能力だから、僕が完璧なの!)
僕とアカさんが心の中で話していると、突然真面目な顔をしたお父さんが話しかけてきた。
「レン。行く前に… 入って何か言われたとしても無視しろ。お前は何があろうと俺たちの息子だ」
???
急に何を言い出すんだ?
「何言ってるの?僕はお父さんの息子だよ?」
「まぁ、杞憂だったらいいんだが…」
「それでは四龍英雄の方々がお入りになります」
空気が重くなり出したところ、中から大きな声が聞こえた。
やっと、僕たちが入る出番が来たようだ。
門番の人が大きな扉を開ける。
「では、私が先に行くから、その後に続いてくれ」
そう言って、ネオロエさんは先陣を切って行った。
ネオロエさんに続くように、グラナータ家、ヴァッサー家が順番に入っていく。
中に入ると、豪華絢爛な内装に目を奪われた。
目の前にいる沢山の貴族なんか目に入らず、王の前まで来てしまった。
途中、ねえねがいたので軽く手を振ったりもしたが、まるで他の人が目に入らなかった。
王の隣には、さっき一緒に祝福の儀を受けた王女様と、王女様より年上の2人の男性がいた、
僕達は、膝をつき王の言葉を待った。
「面をあげよ。オニピローエとアーヘルライトは、久しぶりじゃな!」
「「お久しぶりで御座います」」
「さて、挨拶もそこそこに。今回みなをここに集めたのは、我が魔道具開発局が魔力量と魔法適性が分かる魔道具を本島の者らとの共同開発のすえ見事完成したのじゃ」
「それはすごい」
「な、なんと!?」
「素晴らしい!!」
「そこでじゃ、ここにはこの国の未来を支えるであろう子供たちがいるのだ。せっかくじゃから、デモンストレーションの意味も含め彼らの力を見せて欲しい」
「御意。して、その魔道具とはどこにあるのですか?」
ネオロエさんが、僕たちの代表として話をしてくれるみたいだ。
「ちょっと待て。おい、局長を呼んで参れ」
近くの衛兵が、扉を出てから数分、大きな物音と共に布が被った台車と髭が立派なおじいちゃんが現れた。
「よく来てくれた。それで、局長。皆にその魔道具を紹介して欲しいのだが」
「ふぉふぉふぉ。了解しました王よ」
そう言うと局長は、台車の前に立ち布を握った。
「それでは、皆さんご覧下さい。我等、魔道具開発局と本島の素晴らしき技術者の方々の共作。魔道具名は、魔道判明機です」
その瞬間、局長は勢いよく布を取った。
【応援よろしくお願いします!】
「面白かった!」
「続きが気になる、読みたい!」
「レンたちはこの後一体どうなるのっ……!?」
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