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合成魔法!?

「それじゃあ、あの皇子様は任せるからね」

「おう。ボコボコにしてやんぜ。お前もあの女に負けんなよ?」

「フッ、誰に言ってるの?僕は邪人を倒したことがあるんだよ?フフン」

「チッ!うぜぇ」


「──親善試合、開始!!」


 審判の合図と同時に、僕とヴィザーム君は走り出した。


 ヴィザーム君とちょうど離れた直後。

 僕の元に、強烈な竜巻が襲いかかった。

 油断したら風に巻き込まれしまい、そのまま揺られながら風の刃で全身をズタズタに切り刻まれてしまう程の強力な魔法だ。


(初っ端から、本気だね)


 僕は、自分の周りを即座に結界で囲んだ。

 強力と言っても、この程度の威力ならば、僕の結界は破られない。

 ヴィザーム君の方を見てみると、皇子様のスピードに翻弄されて、防戦一方のヴィザーム君の姿があった。



 それから数分…

 結界で耐えながら、どう切り返そうかと考えていると、段々と辺り一面が寒くなってきた。


(これ、どっかで見たような…)


氷山アイスベルク()一角インパクト


 次の瞬間、僕に大きな影がかかる。

 いや、僕と言うよりステージ全体にだ。


(ちょっ、マジかよ。いくらなんでも大きすぎんだろ)


 僕の真上に、ステージを覆う程の先の尖った氷の塊が現れた。

 まるで、崩れかけた氷山の一角が落ちてくるような…


「え?ちょっとちょっと待って!!あれ落とすの?いいの、いいのそれ?」


 竜巻の中、叫んだ僕の言葉にアイシュさんはニコッと笑った。


(あっ、可愛い……じゃなくて、ズルくないあれ!どこにも逃げれないじゃん!!ほらっ、皇子様も怒ってるよ!!)


 皇子様の説得(文句)も虚しく、氷は落ちてくる。


(やばい、やばい、やば───)


 ズドン!!!


 巨大な氷がステージに大きな音を立てて落ちた。




 ステージ上では、砂煙が舞い何が起こったのか分からない。

 すると、突然砂煙が勢いよく無くなっていき、ステージ上に2人の人影が出てきた。


「おい、アイシュ。我まで巻き込むとはどういう了見だ!ことと次第によっては貴様と言えど反逆罪で、極刑だぞ!」

「はぁ、何を言ってるんですか?カルヴァ皇子」

「なっ…!!何をとはなんだ!!!我は、未来のアリアン皇国、皇帝であるぞ!」

「ふむ、なるほど…。では、未来の皇帝様はあんな魔法すら避けきれないと…。なるほどなるほど。」

「なにぃぃぃぃぃぃぃ!?貴様、言わせておけば!あんな、魔法など、我にかかれば赤子に叩かれたと同じレベルよ!分かっておるのか、アイシュ!!」


 ステージ上では、アリアン皇国の2人が立っている。

 その時、ステージ上に散らばった瓦礫の山のひとつが勢いよく崩れた。


「あぁぁー!クソがぁ!!あんなの卑怯だろ!!」

「あら。まだ、生きてたんですね」

「ほう。やるなぁ。生命力は、ゴブリン並ってことか。あとのもう1人はどうした?」

「皇子。私の最大級の魔法ですよ?無事な方がおかしいです。きっと彼も何処かの瓦礫に埋もれているはずです」


 アイシュは、自分の魔法を信じきっているのか絶対の自信が瞳から伺える。

 カルヴァ皇子は、少し嘲笑った感じだ。

 それもそうだろう。

 アリアン皇国側は、無傷で2人ともたっているのだ。


「フンッ。俺たちより年上だからって警戒していたが所詮はこんなものか」

「「!?」」


 アリアン皇国の2人が、もう勝った気になっていたところ、ヴィザームが、呆れたような態度をとった。


「なんだ。負け犬の負け惜しみか?」

「そうです。私の最大級の魔法なんです。カルヴァ皇子がおかしいだけで、普通は防げるはずがありません」


 2人は、ムキになって言い返す。

 アイシュは、今まで自分の魔法が聞かなかったなんてことはなかったのだろう。


「馬鹿どもが。あいつがこの程度の魔法で倒れるはずがねぇだろ。お前らも無い頭でよく考えろ」

「な、私の魔法をこの程度…!?」

「そうだ。現にこの場にはお前しか残ってないじゃないか!!」


 2人がヴィザームに噛み付くと、ヴィザームは呆れた様に首を振り上を指さした。


「はぁ〜。上を見ろ馬鹿ども。世界はお前らが思ってるより広いんだよ」

「はぁ?上って何言ってんだ?負け惜しみはや──」

「な!?はぁぁぁぁー!?皇子!!上見てください!!早く今すぐ!」

「なんだ?上に何が…はぁ!?」


 2人が見た先には、瓦礫に埋もれたかに思われたレンの姿が。

 白い箱の上に乗っており、その白い箱をステージ上空に溢れんばかりに量産している。


「もうぉー、ヴィザーム君!!なんでバラしちゃうのさ!せっかくギャフンと言わせるチャンスだったのに!!」

「お前、このままだったらこいつら気づかずに倒れてるぞ!みろ、あのアホ面。むしろ、気づかせたんだから感謝しろ」


 アイシュとカルヴァの2人は、現実が信じれないのか唖然としている。


「ていうかお前、それそのまま落とす気か?」

「まぁ、そうだね。あっ、でも安心して!ヴィザーム君には結界付けるから」

「な、なんで君が上空に!?あの時、確かに私の魔法で地上に留めておいたはず…!!」


 アイシュは、我慢できず叫ぶように言った。


「まぁ、空間魔法でちょちょいのちょいってね!あっ、でもアイシュさんの魔法も凄かったですよ?」

「空間魔法だと…!?」


 両者が話しているうちに、レンの方も準備が整ったようだ。


「よしっ!準備完了。ヴィザーム君、今から落とすから一応気をつけてね」

「お前、それ言ってもいいのか?」

「大丈夫!その程度じゃ防がれないから。じゃあ、行っきまーす!!」


 ズドドドドーン!!


 空中に浮かんでいた大量の透明な柱が勢いよく落ちていった。

 落ちた結界は、ゆうに1000を超え約1分近く降り続けた。

 音が止むと、そこには原型を保ってないボロボロのステージに、空中に立つ2人の人影が現れた。


「おいおい、お前ちょっとやりすぎじゃね?」

  「大丈夫!!どうせ、死なないんだし。ボコボコにした方が良かったんでしょ?」

「いや…まぁ、そうだけど…。はぁ…」




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