控え室に現る謎の美少女!?
スラム観光から時は経ち、現在僕は王城にいる。
「いいか、レン。お父さんたちはこの後少し会議があるから、控え室で待機しておくんだ。他の四龍英雄の子供たちも一緒の部屋だから仲良くするようにな」
「分かったー」
今日は、これから玉座の間にて王からお祝いの言葉をもらい、その後パーティーをする流れだ。
「着いたぞ。じゃあ、お父さんは会議に行ってくるから、部屋の中で待っててくれ」
「了解」
僕は、お父さんを見送った後、控え室の扉を開いた。
扉を開くと、1番にヴァリを見つけた。
流石は、王女の護衛をしているヴァリだ。
中央の椅子に、姿勢を正しくして座っている。
「久しぶり。ヴァ───」
「ああああああ!!君が噂のレンだね!」
誰かが、僕の挨拶を遮って、前に出てきた。
僕と同じ位の身長の綺麗なドレスを着た、緑髪の女の子が目の前に現れた。
「聞いたよ!邪人を相手にまさかまさかの劇的勝利を掴み取ったって?凄い、凄い!!同じ四龍英雄の子供として鼻が高いよ!!」
「あ…う、うん。まぁ、ありがとう」
あまりの勢いに、気圧されてしまった。
どうやら、彼女が最後の1人。
北を守っている四龍英雄プロトアス・パル・エレウモスの娘、パルダリス・パル・エレウモスさんらしい。
彼らは、獣人達を収めており、自由気ままな性格だ。
そのため、友達と一緒に祝うという理由で、僕たちの祝儀の際も参加をしなかったらしい。
エレウモス1家は、そんな獣人達のリーダーをしており、幻獣種:麒麟の獣人だ。
「えっ…と、君はパルダリスさんって事でいいんだよね?」
「うん!でも、パルって呼んで欲しいな。パルダリスって男の人の名前っぽいでしょ?」
「わかった。じゃあパル、僕はレンだ。お互い仲良くしよう」
僕は、パルと握手を交わした。
それにしても、娘にパルダリスって…。
「レン殿も久しぶりっす」
「久しぶり、ヴァリ!元気にしてた?」
「まぁ、ぼちぼちっすね。王女様に置いてかれないようにおいらは必死ッスよ」
どうやら、相当王女に苦労しているようだ。
「この前だって、おいらが見ていない隙に抜け出されてしまって…スラム街まで行っていたみたいなんですよ!」
「それは、それは。大変だなぁ」
なんか、ついこの間もそんな感じの女の子に会ったような…?
「それはそうと、どうしてヴィザーム君はずっと端っこにいるんだ?」
「あー…、そうっすね。おいらが入った時にはあんな感じになってました」
ヴィザーム君は、僕が部屋に入ってから今まで、部屋の奥にある1人がけのソファーに座り、いかにも関わらないでくださいオーラを撒き散らしている。
「えっ…、なんであんな事になっちゃってるの?」
「えーとっすね、おいらの予想っすけど、ヴィザーム殿の家系って、守護龍も関係して女性の方が強い傾向にあるじゃないですか」
「へ、へぇー」
「えぇ、そうね!確か、守護龍が女性だからだっけ?」
え…、これ分かってないの僕だけ?
いやいや、何それ?
守護龍ってそもそも何?
「そんなんです。でも、ヴィザーム殿ってユニーク魔法使えるじゃないですか。それもあって、最初は期待が凄かったらしいんですが────」
簡潔に言うと、ヴィザーム君は荒んでしまったのだ。
ヴィザーム君には2人の姉がおり、ヴィザーム君がユニーク魔法を、使えるということで、常に比較の対象にされたのだとか。
上の姉と常に比較され、嫌味を言われ続ける毎日。
それに加え、頼みのユニーク魔法も全く強力なものでは無かったのも組み合わさって、ヴィザーム君の心は荒れていった。
「なるほどね。それは、可哀想に」
「ほんとね。私なら、家出するわね」
(あれ?ヴィザーム君のユニーク魔法って強かったイメージなんだけど……)
「まぁ、そんな───」
「うるせぇんだよ!!勝手に人の話してんじゃねぇよ」
僕達が入口付近でコソコソ話していると、話の当事者であるヴィザーム君に気づかれてしまった。
「まぁまぁ、荒んだ心を落ち着かせ給えよ」
「あはははは、荒ヴィザームだ、荒ヴィザームー!!」
「うるせぇぇぇーーー!」
「「うわぁぁぁぁぁ!!」」
「はぁ、皆さん静かに。暴れないで」
僕とパルがヴィザーム君を弄って逃げ回っていると、突然扉が開いた。
「おいおい、なんの騒ぎだ?」
「あれ?お父さん?」
お父さんに続いて、ネオロエさんや、アーヘルライトさんが続いて入ってきた。
「あっ、パパ!」
1番最後に入って来たのは、四龍英雄最後の1人、自由をこよなく愛すプロトアス・パル・エレウモスだ。
パルと同じ緑色の髪を無造作に伸ばしており、パッと見は仙人かなにかに見える。
「それで?どうしてこんなことになってるんですか?」
僕たちの挨拶をそこそこに、ネオロエさんが僕たちに聞いてきた。
後ろに、なにかいるような…
「父上、パル殿とレン殿がヴィザーム殿を弄ったため、それに怒ったヴィザーム殿が追いかけ回していたのであります」
「あっヴァリ、お前僕たちを売ったな?」
「酷いです、ヴァリ。パル達は、楽しくじゃれあっていただけです!!そうですよね?」
「うん!!その通りだよ、パル。ほら、お父さん達もなにかあったじゃないの?」
「そうだよ、そうだよ。何があったの?」
「・・・んー、まぁいいだろう」
僕とパルの必死の回避によって、ネオロエさんから許されたらしい。
「それでだ。誰かさんのせいで色々あったが、本題を話そう」
(ふむ、誰かさんとは誰なのだろう?やはりヴィザーム君かな?)
「先程の私たちの会議で、レン君。君が、今回招待している同盟国から来た2人の学生と戦うことが決定した!」
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