アカさんの行方
「なるほどなるほど。しゅんちゃんは、暇だったから、サチェル爺に修行をお願いしていたと...僕の心配をせずに...」
「いやいや、大将。それは違うでしょう!わしと、大将は前世からの付き合い!あんなことで、大将は死んだりしません。前世では、マグマにダイブしても死ななかった人ですよ?大将は」
しゅんちゃんが壁にめり込んだ時から1時間後。
僕達は、応接間に移動していた。
僕は、セルティカがいれてくれたハーブティーを飲みながら、
これまでの話を聞いた。
とりあえず、チェル爺とロイ兄にはしゅんちゃんは大丈夫だと言うことを伝えた。
(それにしてもこのバカは。また前世のことを)
「あ、そうだそうだ。レンって前世は何してたんだ?」
「ブゥーーー」
ロイ兄からの突然の質問に思わず飲んでいたハーブティーを吹いてしまった。
「ゲホッ、ゲホッ。ごめん、セルティカ、布巾貰える?」
「いいですよ。レン様はそのままで。こういう仕事は、私たちがやるものです」
セルティカが、拭いくれている間に僕は息を整える。
「ふぅ。それで、僕が転生者だってことはロイ兄とサチェル爺だけが知ってるの?」
「まぁ、今のところはな」
「じゃが、レン様に関わってきた今までの人達は少なからず、レジーナ様たちから説明を受けているとは思いますが」
!?
ということは、バルトくんも、セルティカも、セルヴァさんも全員、僕が転生者だと思っていたのか?
「ど、どうして・・・」
「母さんと父さんの考えさ。レンが、転生者かもしれないことは、生まれた時からわかってたみたいなんだ。母さんと父さんは、それでも、自分たちの息子に変わりないとして、皆に余計な詮索を立てないようにしてたみたいだよ?」
な、なんと。
僕が、生まれた時にはもう分かっていたのか。
それに、そんな僕でも息子として愛してくれるとは...なんて素晴らしい両親だ!
「で、でもどうして僕が転生者だと分かったの?」
「さぁ?レンが生まれる時は、俺たちも立ち入り禁止だったからなぁ。サチェル爺は何か知ってる?」
「いえいえ、私も知りません。以前、レジーナ様にお聞きした時も、上手いことはぐらかされましたし、何か言えない事情でもあるのでしょう」
なるほど。
お父さんとお母さんにしか知らない僕の出生の秘密があるのか。
これは、聞いてみたいような聞きたくないような...
「あ!?」
僕たちが、神妙な雰囲気で会話をしていると突然しゅんちゃんが大きな声を上げた。
「どうしたの急に」
「わし、大将に伝えることがあるんでした」
そう言うと、しゅんちゃんは息を整え
「アカさんって方か───」
ガタッ!?
「アカさん!?今、アカさんって言った?」
「は、はい。その方から、伝言ヲを預かってます」
僕は、あまりの衝撃に思わず椅子を思いっきり倒しながらしゅんちゃんに詰め寄ってしまった。
「早く、それでなんて言ってたの?」
「はい、それが───」
※※※※※※※※※※※
時は、レンが気を失って1週間後。
その日は、ロイエースと共に酒呑童子がレンのお見舞いに行く日だった。
「これでもういいな」
「えぇ〜、もうちょっと大将の所にいさせてくださいよ」
わしが、定期的にここに来る理由は、何も大将を心配しているだけでは無い。
わしと大将との間で繋がっている鎖を通して、この世界で大将の1番の相棒と言うアカさんと情報交換の意味も含めている。
会話は全て、鎖を通して行われているため、ロイエースには一切聞こえない。
(それで?アカさんはもう許可が降りたんですか?)
《はい。先程、神から許可を頂きました。明日からいなくなる予定です》
アカさんは、先日の戦いにて、自分の不甲斐なさを実感したのか、神に自身のスキル進化の許可申請を上げていたのだ。
まぁ、多分ハロ様あたりが許可したのだろう。
(そうですか。じゃあ、なんか伝言とか伝えときましょうか?)
《そうですね。では────》
※※※※※※※※※※
「マスター。私がいなくても怠けることなく、しっかり強くなっていてください。いつになるか分かりませんが、私がマスターの隣に立てる日を楽しみに待っててくださいねByあなたの生涯で唯一無二なパートナーより」
・・・
・・・
・・・
「.....だそうです。」
「レン、お前その歳で恋人がいたのか!?」
「ほっほっほっ。流石は、あのお方の子供だ」
さすがは、相棒。
最後の最後に爆弾を置いていきやがった。
「違うから、アカさんってのは、ずっと僕の中にいたスキルのこと。決して恋人とかじゃないから!」
僕が、否定しても、まだ疑っている様子だ。
サチェル爺は、何が面白いのか終始笑っている。
「あーもー。それで、アカさんはいつぐらいに帰ってくるとか言ってた?」
「いえ、それが分からないと言っていました。まぁ、多分10歳の時なんじゃないですか?アカさんも、主神様とハロ様によって魔改造されるでしょうし…」
「10歳?」
そういえば、前も10歳の時になんたらかんたら言っていたような...
「ねぇ、しゅんちゃん10歳の時って何があるの?」
「!?マジか、レン。ってあぁ〜、そういえばお前、学校行ってないもんな。ずっと、サボって」
ギクッ!
本来、この歳の子供は近くの学校に行くのが普通なのだとか。
僕の場合は、勉強もできるし、強さもそこらの子供の何倍も強いので、僕が自主的にサボっていたのだ。
「なるほど。大将は、この世界でも学校をサボっているのですね」
「良いから!!教えてよ、10歳になると何があるの?」
するとサチェル爺が立ち上がり、空中に文字を書き出した。
「良いですか、レン様。10歳になると、選ばれし者だけが神の寵愛を授かる睡眠という神々からの祝福を、受けることができるのです」
一章:幼少時代[完]
【応援よろしくお願いします!】
この話で、一章完結です!
『2章:王都の闇に潜む光』は、8月13日から再開したいと思います!
「面白かった!」
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「レンたちはこの後一体どうなるのっ……!?」
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